MWC会場でも大きなブースで存在感を出すサムスン電子。ノキアが勢いを失いつつあるなかで、これからのサムスンの動向に注目が集まる。日本でも好調なサムスンの無線事業部 東南アジア輸出Group長である趙洪植(Cho Hongsik)氏に話を聞いた。
ーーGALAXY Sが日本で好調だ
「グローバル展開を念頭に開発をし、Androidに取り組むのが日本メーカーよりも少し早かったのが大きい。世界のスタンダードはタッチパネルスマートフォンになったと言えるだろう。重要なのはキャリアとどう協力していくかだ」
ーーこれまでソフトバンクとの協力関係があったが、GALAXY SではNTTドコモからの販売となった。ドコモとパートナーを組んで学んだことはあるか
「NTTドコモは50%のシェアを持つが、これは実力があってこそ。多くのノウハウを持っており、パートナーを組んだことで、日本のことを多く学ばせてもらった」
ーーGALAXY SⅡはNFCに対応している。日本でのフェリカ対応はあり得るか
「検討すべきだが、いまの段階ではフェリカかNFCかの判断はできない。フェリカをやるにもOSのバージョンアップに時間がかかるなどのデメリットも大きい。すでにフェリカの経験はあるが、すぐにやるというわけにはいかない」
ーーワンセグはどうか
「技術的に課題はない。すぐに対応は可能。あとはユーザーとキャリアが必要とするかどうかだ」
ーー日本国内ではシャープ、MWCでもLGエレクトロニクスが3Dスマートフォンを発表した。サムスンでは3Dスマートフォンをどう見ているか
「いま見せられないのが残念。すでに技術は持っており、準備段階に入っている。しかし、コンテンツも少なく、ユーザーがどこまで魅力的に感じるかがみえていない。タイミングがくれば、いつでも投入できる状態にはある」
ーーAndroidを手がける一方、独自開発のbadaもある。両者のポジションはどんな感じか
「badaであれば、OSが軽いため、強力なチップやメモリーを必要とせず、スペックを落として安く作れるのがメリットだ」
ーー先ごろ、ノキアとマイクロソフトが提携を発表した。サムスン電子もWindowsPhone7を手がけているが、戦略に影響はないのか。
「これまでサムスンではOMNIAシリーズでWindowsMobile6.5スマートフォンをやってきた。しかし、あまりいい状況ではなかった。やはりケータイとは違う世界にあるものなのかも知れない。WindowsPhone7でユーザーインターフェースは改良されがまだ厳しい。実際、WindowsPhone7搭載機種も思ったようには売れていない。(ユーザーインターフェースが共通化され)中身が一緒なのでメーカーとして差別化しにくいのも気になる」
文・石川 温
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら