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ツイッター、Foursquareのマネタイズ戦略は?

2011.02.18

Updated by Shigeyuki Kishida on February 18, 2011, 04:02 am JST

Mobile World Congressでは毎年、広い会場を使った各企業による展示だけでなく、複数のスピーカーを揃えて行われるトークセッションが、同時並行で開催される。

2月15日に行われた「Social Networking: Social Goes Mobile」ではツイッター、Foursquare、RIMなどが参加し、SNSをめぐって活発な議論が交わされた。

その中で、「ツイッター、Foursquareのマネタイズモデルは?」との質問がモデレーターからあった。両社はエンドユーザーからの有料課金モデルを採っていないため、これは大変興味深い質問である。

ツイッターは、それはアカウントプロモートだという。理想は、人々がツイッターを使うことが企業のプロモートになる形だとした。

ここではアウディを例に出し、ハッシュタグを使うことでツイートの進捗を把握し、アウディが1位になったからツイッターに支払ってくれる、などとした。また別の想定として、企業広告がリツイートされ、広告主からのフィードバックとしてマネタイズされる形も示された。

一方のFoursquareでも、やはりエンドユーザーに課金する方法は示されなかった。

まず企業を2つのタイプに分類、1つは、GAP、スターバックスなどのブランドを持つ企業が負担してくれる形。もう1つは、街中の個人商店などのロングテールをFoursquareがインテグレートする形、とした。

同社はここでの重要な観点として2点を挙げた。1つは、Foursquareが持つ統計データをお店に伝えることだとした。どんな人がそのお店に来ているか、来店回数の多い顧客の上位20名は誰なのか。例えば上顧客が来店した場合は、お店側から握手して出迎えるなどの例を示した。

もう1つは、クーポンである。例えば、あるお店にランチタイムにチェックインしたらフリードリンクになるなど、レストランの集客ツールとして活用してもらう想定を挙げた。

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岸田 重行(きしだ・しげゆき)

情報通信総合研究所上席主任研究員。1990年一橋大学卒業、NTT入社。1997年より現職。海外・国内のモバイル通信業界に関して、サービス動向から企業戦略まで広く調査研究を行っている。「通信事業者はどこへ行く」(「情報通信アウトルック2011」共著)「アプリケーション・ストア・ブームの衝撃」(「情報通信アウトルック2010」共著)「LTEの提供エリアはスムーズに広がるのか-世界におけるLTE普及への展望」(日経コミュニケーション2009年7月15日号)など、記事執筆・講演多数。