【2011年第32〜33週】真夏の新端末発表、キャリアーの動き各種、スマホ活用製品やサービスも続々
2011.08.22
Updated by Naohisa Iwamoto on August 22, 2011, 11:30 am JST
2011.08.22
Updated by Naohisa Iwamoto on August 22, 2011, 11:30 am JST
お盆休みを挟んだ2011年第32〜33週は、グーグルによるモトローラ・モビリティの買収やヒューレット・パッカードのパソコン事業の切り離しなど海外で大きなニュースが続出した。しかし国内でもワイヤレス関連ニュースには事欠かなかった。まず盛夏には珍しい新端末発表のニュースからおさらいしよう。
お盆休み直前に新端末を発表したのは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズとNTTドコモ。女性を主なターゲットに据えた小型のスマートフォン「Xperia ray SO-03C」を8月27日に発売すると発表した。Xperia rayはソニー・エリクソンが6月にシンガポールで発表したグローバルモデルだ。Xperia rayの最大の特徴は、コンパクトで女性の手にも馴染みやすいボディーに、最新Xperiaのスペックを詰め込んだことである(関連記事:ソニエリとドコモ、小型でプレミアムな「Xperia ray」を発表)。
ソフトバンクモバイルはお盆明けに、スマートフォンなど5機種の端末を一気に発表した。スマートフォンは、Yahoo!ブランドでYahoo! JAPANのサービスを便利に利用できるオリジナルモデルの「Yahoo! Phone」、ハローキティデザインの折りたたみ式スマートフォン「SoftBank 007SH KT」、ラウンドガラスを採用したコンパクトな「Vision 007HW」の3機種。このほか通信機能付きのデジタルフォトフレーム、法人向けのデータ通信端末を発表している。夏モデルの発表会を開催しなかったソフトバンクモバイルは、小出しにする形で新製品を世に問うている(関連記事:ソフトバンク、Yahoo! Phoneやハローキティ端末など5機種を発表)。
端末関連ではアップデートの話題を2つ。KDDIは「HTC EVO WiMAX ISW11HT」のアップデートを9月下旬に実施すると発表した。これにより、「〜@ezweb.ne.jp」のメールアドレスのメールへの対応やAndroid 2.3へのアップデートが行われる(関連記事:HTC EVO WiMAX、9月下旬にEZwebメール対応とAndroid 2.3へのアップデート)。
またNTTドコモは、ドコモスマートフォンシリーズのタブレット型端末「Optimus Pad L-06C」のOSのバージョンアップを実施する。Android 3.0からAndroid 3.1にバージョンアップするほか、プリインストールされるアプリケーションの追加も行う(関連記事:NTTドコモ、Optimus Pad L-06CをAndroid 3.1にバージョンアップ)。
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携帯電話の各キャリアーが提供しているサービスに関するニュースも多くあった。まず、KDDIの話題から。KDDIは10月1日からスマートフォンにもCDMAネットワークでデータ通信制御を開始する。これはネットワーク資源の公平性確保を狙いにしたもので、対象になるのは一部の大量に通信するユーザー。直近3日間にauスマートフォンで300万パケット以上のデータ通信をした場合が通信制御の対象になる(報道発表資料:インターネット接続サービスにおけるデータ通信速度制御のauスマートフォンへの適用開始について)。
またKDDIは、ウェザーニューズと共同で提供する気象コミュニケーションサービスの「ソラテナ」の観測装置の全国3000カ所への設置を8月12日に完了したとアナウンスしている。ソラテナ観測網の完成とともに、ソラテナ探しを楽しむための機能も提供する(関連記事:気象観測をエンターテインメントにする「ソラテナ」、全国3000カ所への設置を完了へ)。
一方、終了するものもある。au買い方セレクトの1つであった「フルサポートコース」の新規受付を9月30日をもって終了する。月額料金の安いシンプルコースでの買い方が定着し、フルサポートコースの利用者が減少したことを挙げている(関連記事:KDDI、端末購入価格を補助する「フルサポートコース」を9月30日で終了)。2007年11月に販売奨励金のあり方を見直す改革の解として始まったコース別の購入方法は、KDDIでは販売奨励金タイプの旧来型が4年で終了することで落着することになった。
サービス終了に伴う影響の告知もあった。NTTドコモは、来春に予定している第2世代携帯電話の「mova」サービスの終了に伴う影響を告知する案内を行った。一括請求サービスおよび割引サービスで、movaを主回線/代表回線として登録している場合に、mova終了以降に割り引きが受けられなくなるなどの影響が出るというものだ(関連記事:ドコモ、movaサービス終了に伴う一括請求や割引サービスへの影響を告知)。
そのNTTドコモでは、spモードにまた不具合が発生している。今度は通信障害で、8月16日の11時29分〜18時29分の7時間にわたり、全国および海外からspモードが利用しにくくなった。通信設備の故障によるふくそうが原因という(報道発表資料:【回復】spモードがご利用しづらい状況について(回復報 8月16日午後7時00分更新))。spモードでは7月末にもアプリのアップデートに伴う不具合が発生しており、相次ぐ不具合の発生はspモードへのユーザーの期待を損ねることになる。
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この2週間、iPhoneに対応した新しいサービスや製品が登場している。1つはキングソフトが公開した、オンラインストレージの「KDrive」をiPhoneから利用できるアプリ「KDrive for iPhone」。KDriveは2GBまで無料で使えるオンラインストレージで、KDrive for iPhoneと連携することで、ファイルをiPhoneからアップロードしたり、KDriveに格納したファイルをiPhoneで閲覧したりできるようになる(関連記事:キングソフト、オンラインストレージの「KDrive」向けにiPhoneアプリを提供)。
コクヨグループのコクヨS&Tは、スマートフォンで撮影してデータを記録することを前提にした"ノート"の「CamiApp」(キャミアップ)シリーズを9月7日に発売する。これに先立ち、iPhone専用アプリ「CamiApp」の提供を始めている。専用アプリを使うことで、自動でノートの傾きや台形歪みを補正し、きれいにノートの画像をデータ化できる(関連記事:コクヨ、スマホでデータを取り込んで活用できる「紙のノート」を発売)。
iPhoneでビデオを見るための新ジャンルの製品も登場する。パナソニックは、同社のレコーダー「ディーガ」で録画した番組をSDカード経由で持ち出し、外出先などでiPhone/iPod touchから視聴できる小型のビデオサーバーを発売する。製品名はポケットサーバー「DY-PS10」で、ディーガで録画した番組を記録したSDカードを挿入して使い、無線LAN経由で再生した番組を視聴する形態になる(関連記事:パナソニック、録画番組を持ち出してiPhoneで楽しめるポケットサーバー)。
iPhoneだけでなく、Android端末で使える新しいサービスもお目見えしている。KDDIは、au携帯電話で、Eメールの送受信履歴をもとにFacebook上の友人を簡単に探せる機能を追加したと発表した。Facebookに登録されているプロフィールだけで友だちかどうかの判断がつかないようなときに、過去30日間に送受信したEメール(〜@ezweb.ne.jp)の履歴を参照して友だちの判断に役立てられる(関連記事:KDDI、携帯電話のメール履歴からFacebook上の友人を探せる機能を追加)。
Xperia rayを発表したばかりのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、コンテンツサービスとの連携も強化してXperiaシリーズでソニーの「Qriocity」(キュリオシティ)映像配信サービスを利用できるようにした。当面、機能に対応するのは、NTTドコモが販売する「Xperia arc SO-01C」と「Xperia acro SO-02C」の2機種。無料のアプリ「Qriocity Video」をAndroidマーケットからダウンロードして利用する(関連記事:Xperiaで「Qriocity」の映像コンテンツを視聴可能に、日米などでサービス開始)。
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このほかのニュースもピックアップしておく。法人向けのスマートデバイス管理のソリューションを、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とマカフィーが共同で展開する。提供するソリューションは、マカフィーの「McAfee Enterprise Mobility Management」(EMM)をベースとしたものとなる。iOS、Android、Web OS、Windows Mobile、Symbian など、広範なモバイルプラットフォームに対応している(関連記事:CTCとマカフィーが企業向けスマートデバイス管理ソリューションを共同展開)。
LTEなど次世代通信技術の主要要素であるMIMO。Multi Input Multi Outputの略で、複数のアンテナを送受信に利用することで、高速なデータ通信を実現する方法である。しかしこれまでは、移動通信ネットワーク間での相互接続性とMIMO機能の一貫性を保証する、公的な認証条件が規定されていなかった。このたび、ルネサス モバイルとアンリツが、MIMO技術の認証規格におけるテストケース(試験項目)を共同で開発し、このテストケースが携帯電話の標準化組織である3GPPの認証を取得した。これにより通信事業者や端末ベンダーは、MIMOを採用した機器の開発工程を短縮できる(関連記事:ルネサス モバイルとアンリツのMIMOテストケースが3GPPの認証を取得)。
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