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【図・グラフ】ひと目で分かる「サムスンとアップルの"競合・共生"関係」

2011.08.12

Updated by WirelessWire News編集部 on August 12, 2011, 10:31 am UTC

英Economist誌が、iPhone 4をめぐるアップル(Apple)とサムスン(Samsung)との競合・共生関係について図解したインフォグラフィクスをウェブサイトで公開している(よくできた図なので、ぜひ参照元ページのオリジナルにアクセスして詳細をみていただきたい)。


201108120900.jpg

[出典:Economist]

大きく2つの部分にわかれるこの図、元になったデータは、IHS iSuppliの原価(Bill of BOM)推定ならびにIDCのスマートフォン市場シェア、それにアップル自体の発表と、いずれもすでに公開情報として出回っているもの。だが、ふだん(われわれも含め)断片的に、しかも文字ベースで記されることも多い情報ではすっきりと頭に入ってこない部分も、こうした形で示されると断然判りやすさが違ってくると思える。

たとえば、BOM全体に占めるサムスン製部品(フラッシュメモリ、DRAM、アプリケーションプロセッサ)の割合が約26%--金額にして46ドル弱--と大きいこともよく分かる(ちなみに、2010年にサムスンがアップルから得た売上合計は56億ドルとのこと)

また、(非アップル関係者として)何度見てもショックなのは、まずアップルの得る利幅の大きさ、そして部品サプライヤーのなかでの日本勢のプレゼンスの小ささ。前者については、アップルの取り分368ドルのなかには、同社が負担するソフトウェア開発、研究開発、マーケティング、送料等のコスト(具体的な額は不明)が含まれるとEconomistが記しているが、それにしても粗利率7〜8割といった例も実在するソフトウェア(=マイクロソフト)やウェブベースのサービス(=グーグル)の世界とは異なり、ハードウェアが絡むビジネスでよくこれだけの利益を確保できる仕組みをつくりあげたものだと思う。

また別な見方をすれば、少なく家電製品の分野では、消費者(最終ユーザー)に対して、最前列で製品の魅力を訴求できる立場の者しか美味しいところにありつくことができない、という例と捉えられるかもしれない。そして、テレビモニターの世界ですでにナンバー1のブランド力を持つサムスンが、部品サプライヤーとしてのビジネスの部分を失うリスクを覚悟の上で、この「最前列の立場」を狙いにいくとの判断を下したとしても不思議はないと思える。

ただし、サムスンにとって厄介なのは、仮にアップルという大口顧客を失った場合に、同社製の部品類の競争力にどれほど悪影響が出るかという点で、この影響は部品自体だけでなく、それらを使ったGalaxyスマートフォンやタブレットにも及ぶ可能性が高い。まさに経営者としては「難しい判断を迫られる」といった状況かもしれない。

なお、アップルについては先週、同社の経営幹部と懇談した金融系アナリストの話として、「コンポーネント市場はいま買い手が有利な状況」とティム・クック(Tim Cook)COOらがコメントしたと報じられていた。一連の特許紛争で強きに立てる理由の1つはこのあたりにもあるのかもしれない。

【参照情報】
Slicing an Apple - Economist
What If Samsung Stopped Supplying Parts For the iPhone 4? - Gizmodo
Apple: RBC Cheered By Visit With Cook, Oppenheimer - Barron's
独法廷、サムスンに「Galaxy Tab 10.1」販売の仮差し止め命令 - アップルとの特許紛争で
サムスン、アップルをITCに提訴 - 気になる両社の「共生関係」の行方

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