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「グーグルのモトローラ買収は『とんでもない間違い』」とある専門家(編集担当メモ)

2011.09.02

Updated by WirelessWire News編集部 on September 2, 2011, 16:16 pm JST

「グーグルがモトローラから手に入れる特許は、Androidの防衛にどれだけ役立つのか」。この疑問をめぐる議論が依然として続いているようだ。

デビッド・マーティン(David Martin)氏という特許分野の専門家が、先月下旬に登場したBloomberg TVの番組中で、グーグル(Google)が先ごろ発表したモトローラ(Motorola Mobility)の買収計画について「とんでもない間違い」("an immense mistake")という見方を述べている。

グーグルは8月なかばにモトローラを125億ドルで買収すると発表した際、この買収の主たる目的が「モトローラの持つ、携帯電話機や無線通信関連の特許約2万5000件(取得済みおよび申請中のものを合算)を手に入れる」ことで、「マイクロソフトやアップルなど競合企業による訴訟の脅威からAndroid陣営の各社を守る」ことにあると説明していた。

だがマーティン氏の説明によると、モトローラは過去に質の良い特許を売り払ってしまっており、現在手元に残っているのは「クズ」("crap")同然のものばかりだという。同氏は売却された特許の例として、MPEG関連のもの(GEが証券化)や、現在のフリースケール(Freescale:モトローラが過去に切り離した同社の半導体部門)に関連したものを挙げており、後者について「グーグルはモトローラの買収によって、フリースケールに大きく依存することになる」としたうえで、さらに「フリースケールにはアップルとのつながりがある」と指摘している。

こうしたことから、マーティン氏は「モトローラがもたらす特許はグーグルにとって役に立たないだけでなく、競合他社からの新たな攻撃の材料になりかねない」という自らの考えを述べている。

なおマーティン氏のプロフィールのページには、金融関係からテクノロジー分野までさまざまな経歴や実績が書かれているが、そのなかには"He was a founding member of Japan's Institute for Interface Science and Technology (IIST)"という記述もある。

グーグルがモトローラ買収を通じて獲得する特許については、位置情報サービスやアンテナの設計、電子メールの送受信、タッチスクリーンの動作に関するものなど「とりわけ重要なものが18件ある」という別の専門家の見方が、先ごろBloombergで報じられていた。

また先月後半には、スペインのテレフォニカ(Telefonica)で研究開発部門の責任者を務めるカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)氏という人物が、上記のBloomberg報道に触れたメモを自らのブログに掲載。このなかで同氏は、「モトローラの特許はもっぱらGSM(2G)関連のものが多く、3Gや4Gについては他社に比べて見劣りがする」と指摘していた。

同氏はこの考えの根拠として具体的な数字を挙げているが、それによるとAndroid防衛に役立つと考えられる特許については、WCDMA関連で最重要とされる1888件のうち、モトローラの特許件数は37件で全体の2%に過ぎず、クアルコム(Qualcomm)の35%やエリクソン(Ericsson)の16%、ノキア(Nokia)の14%から大きく引き離されている上、「守る」対象であるはずのサムスン(Samsung)の5%にも及ばないという。

また4Gについてもほぼ同様で、LTE関連の特許については2010年後半時点で、インターデジタル(InterDigital)が21%、クアルコムが19%、ファーウェイ(Huawei)が9%、サムスンが8%に対し、モトローラは「その他」の22%のなかに含まれる存在に過ぎないという。

ドミンゴ氏はこれらの数字を挙げた上で、結論として「グーグルは、もし特許の獲得だけを目的としているのなら、現在30億ドル前後で売りに出されているインターデジタルのほうを買うべきだった」と記している。

なお、インターデジタルでは来週9月5日以降に同社の売却に関するオークションを実施する予定となっている。

【参照情報】
Martin on Google's Motorola Acquisition, Patents - Bloomberg
Google's $12.5 billion Motorola buy is 'an immense mistake' according to patent expert - BGR
Did Google Only Get "Crap Patents" When They Bought Motorola? - Gizmodo
WHAT PATENTS DID GOOGLE REALLY BOUGHT WITH MOTOROLA? AN ANALYSIS OF THE TELCO PATENT POOLS - carlosdomingo (posterous)
グーグルのモトローラ買収 - 「特許取得によるAndroid防衛が最大の理由」との見方について
グーグルのモトローラ買収 - 「グーグルは押し売りを断れなかった」説について(編集担当メモ)
「18件の切り札」を手にするグーグル - モトローラの特許に対する専門家の見解(Bloomberg)
注目を集める米インターデジタルの特許の行方 - アップル、ノキア、クアルコムらが食指

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