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マイクロソフト、開発者向けに「Windows 8」を披露 - サムスン製タブレットの配布も

2011.09.14

Updated by WirelessWire News編集部 on September 14, 2011, 11:14 am JST

マイクロソフト(Microsoft)は米国時間13日から始まった同社の開発者向けカンファレンス「BUILD」で、タブレット端末用に最適化した「Windows 8」OSの試作版の詳細を披露、あわせて同OSを搭載したサムスン(Samsung)製タブレット端末5000台を参加者に配布した。

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[出典:VentureBeat]

Windows 8は、ARMアーキテクチャを採用した低消費電力のプロセッサに対応するマイクロソフト製では初めてのOSとなるが、今回の発表では「Metro style」と呼ばれるWindows Phone 7から採用された新しい開発言語やメモリ消費量がより少ない設計、 さまざなアプリケーションへの対応やこれらの配布を扱う「ストア」機能、対応する開発言語、同社のクラウドサービス「SkyDrive」との連携などについての説明が行われたという。

同社のWindows部門とWindows Live部門を統括するスティーブン・シノフスキー(Steven Sinofsky)氏は同カンファレンスの基調講演の中で、同OSについて「われわれはチップセットからユーザー・エクスペリエンスまでWindowsの見直しを図った。Windows 8は妥協のない新たな可能性を提供する」と語っている。

ただし、今回の発表を受けて、同端末のアプリケーションの開発言語について、開発者にとってはある程度の妥協を強いられる可能性があるとの指摘も出ている。AllThingsDでは、低消費電力のARMプロセッサで動作するWindow 8搭載端末では、従来のデスクトップ向けに書かれたアプリケーションの多くが動かない可能性があるとし、シノフスキー氏の「一般に古い世代のWindows用アプリはARMベースのマシンでは動かないだろう」という発言を紹介。ただし、古いアプリケーションすべてに対応しようとすれば、新しいARMベースのシステムで得られる長時間のバッテリー駆動時間という長所が損なわれるおそれもあることから、マイクロソフトの判断は間違っているわけではないとも付け加えている。

いっぽう、ハードウェアメーカー各社からの反応については、エヌヴィディア(Nvidia)でゼネラルマネージャーを務めるルネ・ハース(Rene Haas)氏の話として、「OEM(=PCメーカー)各社から大きな関心が寄せられている。世界のほぼすべてのOEMがARMベースのWindowsをつかって何かしたいと考えているようだ」と伝えている。

なお、同OSの正式なリリースと、これを搭載するタブレット端末の市場投入は来年の夏から秋にかけてになるという。

【参照情報】
Microsoft Reimagines Windows, Presents Windows 8 Developer Preview - Microsoft
Developers get early taste of Windows 8 - Reuters
Microsoft Touts Windows Reboot - WSJ.com
Microsoft to developers: Metro is your future - ZDNet
Windows 8 Forces Some Compromises After All - AllThingsD
Microsoft and Samsung introduce first Windows 8 tablet for developers - VentureBeat
サムスン、「Windows 8」搭載タブレットを発表へ(韓国紙報道)
マイクロソフト、タブレット端末向けOS「Windows 8」を披露
マイクロソフトが「ARMチップ対応のWindows開発」説浮上 -「Wintel」蜜月終焉の予兆

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