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アップル対サムスンの特許訴訟 - 豪ではタッチスクリーン関連技術が争点に

2011.09.27

Updated by WirelessWire News編集部 on September 27, 2011, 11:40 am JST

サムスン(Apple)とアップル(Samsung)は現在、世界各地の法廷で20件を超える訴訟を繰り広げているが、26日にはオーストラリアとオランダの法廷でこの関連の審理がそれぞれ行われた。

このうち、シドニーの豪連邦地裁では、アップルがサムスン製タブレット端末「Galaxy Tab 10.1」の同国での販売差し止めを求める主張を展開。同社側の弁護士は「ハードウェアの形状から外箱の意匠(パッケージ)に至るまで、サムスンのタブレットはiPad 2に酷似している」とする従来からの同社の考えを示してみせたものの、同法廷での審理ではタッチスクリーン関連の特許だけが争点であると認め、サムスン側の弁護士もこの点を確認したという。

この日争点に挙げられた3件の特許のなかには、iPadのユーザーが誤って画面に触れてしまった場合に本体が反応しないようにする技術や、ユーザーが画面に触れた指をまっすぐ上下動させなくても画面がスクロールするようにする「垂直スクローリング」に関連するものも含まれるという。

アップルは豪での訴訟で、当初は米国版「Galaxy Tab」を元にして訴えを起こしたが、その際に同社は10件の特許侵害を主張。その後、オーストラリア向け試作品の入手後は、その数を13件に増やしていた。

しかし、サムスン側がインターフェイス(UI)関連の7つの機能を同端末から取り除くなど、あわせて10件の変更を加えたこともあり、アップルが今回の主張に含める予定であった特許権は5件まで減っていた。さらに26日には、このうちの2件が、サムスンが端末から該当の機能を取り除いたなどの理由で取り下げられた。なお、アップルは今週中に特許をもう1件追加し、計4件を根拠に主張を展開するとみられている。

なお、この訴訟を担当するアナベル・べネット(Annabelle Bennett)判事は、本件で早急に結論を下すことが両社にとって望ましいことは理解しているとしながら、アップルからの差し止め要求について判定を下すまでには、もうすこし時間をかけてアップルの主張の中味を調べる必要があるとした。このため、今週末(30日)に予定されている「Galaxy Tab 10.1」の発売が再度延期される可能性も浮上しているという。オーストラリア向けの「Galaxy Tab 10.1」の発売はこれまですでに2回延期されていた。

【参照情報】
Apple reduces Samsung tablet patent claims - itnews
Apple Seeks Samsung Tablet Ban in Australia - WSJ.com
Samsung Tablet Faces Further Delay in Australia Amid Apple Patent Claim - Bloomberg
Samsung's Galaxy Tab 10.1 to see further delays in Australia: Judge needs time to study Apple's claims - 9to5Google
豪判事:「アップルはiPadの売上高を開示して、Galaxy Tabの影響を証明するべき」
サムスン、アップルに譲歩 - 特許問題解決まで、豪での新型「Galaxy Tab」投入を見送り

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