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サムスンの肩を持つベライゾン - アップルによる販売差し止め請求に反対表明

2011.09.27

Updated by WirelessWire News編集部 on September 27, 2011, 15:42 pm JST

1億人を超える加入者を擁する米最大の携帯通信事業者、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)が、カリフォルニア州北部地区連邦地裁に対し、アップルが提出しているサムスン(Samsung)製Android端末の販売差し止め請求の却下を求める嘆願書を提出したと、FOSS Patentsなど一部のブログが24日付で報じている。

ベライゾンはこの書類のなかで「アップルの主張が認められれば、公共の利益が損なわれる」とし、「そうした判定が自社のLTE網展開や、それによって生じる雇用の創出を阻害することになり、ひいては米国民のブロードバンド網へのアクセス拡大など重要な政策の実現を邪魔することになる」と述べているという。

このベライゾンの動きについて、FOSS Patentsでは、Android陣営全般 -- なかでもサムスンを相手に自社の知的所有権を行使しようとするアップルへの「干渉」であり、米国市場で広汎な影響を及ぼす可能性のある「宣戦布告」と評している。同ブログによれば、ベライゾンではこれ以前にも、米国際貿易委員会(ITC)がアップル製品またはAndroid端末メーカー各社の製品を対象とする輸入禁止命令を下した場合、オバマ大統領に拒否権を発動するよう求める提言を行っていたという。ITCでは10月13日にサムスンとアップルとの争いに関して判定を下す予定となっている。

いっぽう、この話題を採り上げた9to5Macブログでは、ベライゾンによる嘆願書提出の背景に、iPhone 5投入の遅れによる影響があると指摘。既報の通り、ベライゾンは今年2月からiPhone 4の取り扱いを開始したが、同社の加入者などのなかには例年6月発表・7月発売というスケジュールで出ていた新型iPhoneの登場を待って購入を予定していた者が多くいるとされている。ところが今年は、この新機種登場が秋までずれ込んでおり、その影響でベライゾンが打ち出していた「今年中にスマートフォンユーザーの割合を全加入者の50%まで引き上げる」との目標の達成も、来年第1四半期以降にずれ込む見通しとなっている。

競合するAT&Tに先駈けてLTEサービスの大規模展開を始めたベライゾンには、このiPhone販売拡大の遅れをAndroid端末などで挽回し、さらにLTE関連の投資をできるだけ早期に回収したいとの思惑があり、それがサムスン製品の販売差し止めを牽制する動きにつながっていると同ブログでは記している。

初代iPhoneの登場から3年余りの時間を経てようやく結実したアップルとベライゾンの関係だが、ここに来て早くも前途に暗雲が垂れ込みはじめているようだ。


[CNBCのインタビューに答えるベライゾンのローウェル・マカダムCEO(右)]

【参照情報】
Largest U.S. wireless carrier Verizon sides with Samsung against Apple, asks court to deny preliminary injunction - FOSS Patents
Verizon sides with Samsung in Apple litigation. Why? - 9to5mac
360万台 vs 230万台 - 初のiPhone対決はAT&Tに軍配(米市場4-6月期)

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