リナックスとリモ、新プロジェクト「Tizen」を発表 - インテルとサムスンが開発主体に
2011.09.28
Updated by WirelessWire News編集部 on September 28, 2011, 17:44 pm JST
2011.09.28
Updated by WirelessWire News編集部 on September 28, 2011, 17:44 pm JST
オープンソースのソフトウェア開発をそれぞれ手がけるリナックス・ファウンデーション(The Linux Foundation)とリモ・ファウンデーション(LiMo Foundation) が米国時間28日、Tizen(「ティゼン」)という新しいプロジェクトの立ち上げを連名で発表した。同プロジェクトでは、モバイル端末などさまざま機器に対応する新たなオープンソースのソフトウェア・プラットフォーム開発を目指すという。
Tizenのプロジェクトは、リナックス・ファウンデーションがホストし、インテル(Intel)とサムスン(Samusung)が2社が開発作業をリードするという。また、リモ・ファウンデーションに参加する企業各社 -- 日本のACCESS、パナソニック・モバイル、NECカシオ、NTTドコモ、韓国のSKテレコム(SK Telecom)、スペインのテレフォニカ(Telefonica)、英ボーダフォン(Vodafone)、米ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)などもこの取り組みに協力していくという。
Tizenは、スマートフォンやタブレット端末、スマートTV、ノートPC、車載システムなどさまざまな機器に搭載可能なOSやアプリケーションの開発を目標とし、当面は2012年第1四半期のリリースを目指して作業を進めるという。またアプリ開発者向けには、HTML5やWACなどの標準に基づいた開発環境(SDKやAPI)の提供を通じ、さまざまな機器に対応するアプリの開発を可能にしたい考えを示している。
インテルは今年はじめまで、ノキア(Nokia)とともにオープンソースのMeeGoプロジェクトを牽引してきていたが、ノキアがWindow Phone OSへの方針転換を決めたのにともない、同プロジェクトの存在が宙に浮いた格好になっていた。また、モバイル端末向け市場でARMアーキテクチャーを採用するチップメーカー各社に遅れをとるインテルは先ごろグーグル(Google)との提携を決め、今後は両社が共同でx86プロセッサへのAndroid最適化を進めていくと発表していた。
いっぽう、サムスンはAndroid陣営のなかでも最も多くのスマートフォンを販売するなど、いまのところ「勝ち組」とされているが、8月にグーグルがモトローラ(Motorola Mobility)の買収を発表してからは、マイクロソフトとの関係強化や自社開発OS「Bada」のオープンソース化を模索するなど、グーグルへの牽制やAndroidへの依存度軽減を視野に入れた動きを続けてきている。
また、欧州の大手通信キャリアなどを中心に、iOSとAndroidによるモバイルOS市場の「寡占化」を危惧する声も強まっているとされ、これを受ける形での「第3のモバイルOS」を求める声も強まっているという。
【参照情報】
・TIZEN(プロジェクトサイト)
・Linux Foundation
・LiMo Foundation
・LiMo Foundation and Linux Foundation Announce New Open Source Software Platform, Tizen - MarketWatch (プレスリリース)
・MeeGo is dead: Meet Tizen, another new open source OS based on Linux - This is my next
・Don't Count MeeGo Out Yet: Report Says Samsung, Others To Join Intel - mocoNews
・"Tizen" is Intel and Samsung's answer to Android - SplatF
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