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RIM BlackBerryサービスが復旧 - ラザリディス共同CEOが謝罪

2011.10.14

Updated by WirelessWire News編集部 on October 14, 2011, 13:33 pm JST

リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)は米国時間13日、今週はじめから世界の複数の地域で発生していた同社BlackBerry関連のサービス障害について、同日までに復旧作業を完了したと発表した。

欧州で発生したこのサービス障害は、中近東・北アフリカ、アジア、南米などにも広がり、3日目の12日には北米市場の一部にまで拡大。これらの地域では、BlackBerryユーザーが電子メール、インスタントメッセージ(IM)、ウェブブラウザーなどを使えない状態が断続的に続いていた。

同社のマイク・ラザリディス(Mike Lazaridis)共同CEOは13日に、同サービスの完全復旧を宣言。同氏は「多くの方々にご迷惑をお掛けした」と謝罪するとともに、今後は信頼回復に向けて全力を挙げていくと述べた。

なお、一部では電子メール送受信の遅れが続く可能性があるほか、ユーザーによってはバッテリーを一度取り出して端末を再起動し、メッセージを同期しなおす必要がある例もあるという。

RIMのデビッド・ヤク(David Yach)CTOは原因に関して、欧州におかれたコアスイッチの故障によるもので、これをカバーする冗長化システムも作動しなかったためと述べていたが、なぜこの故障が起こったかについては現在も調査中という。

いっぽう、今回のサービス障害で影響を受けたユーザーへの補償については、同社のジム・バルシリエ(Jim Balsillie)共同CEOが今後検討していく必要があるとしたものの、具体的な案などを示されなかった。

今回のサービス障害について、アナリストらの間からは、顧客の流出などRIMにとって大きなマイナスの影響を懸念する声が上がっているという。Bloombergでは、とくにアップル(Apple)の「iPhone 4S」発売と重なったこの障害を「最悪タイミングで発生した」とするアヴィアン・セキュリティーズ(Avian Securities)のアナリスト、マット・ソーントン(Matt Thronton)氏のコメントが紹介されている。

comScoreの調査によると、米国のスマートフォン市場におけるRIMのシェアは減少が続いており、直近の四半期(6〜8月期)には前四半期比5%減の20%に低下。それに対しアップルは27.3%(前四半期比0.7%増)、グーグル(Google)のAndroid OSは44%(前四半期比6%増)となったとBloombergは指摘。

さらに、今回の障害でもっとも影響が大きかったとされる中東・アフリカ、インド、南米などの地域は、米国の売上が半減するなかで、いまも4割近い売上増加を記録するRIMにとっては重要な市場であることから、こうした新興市場への影響の大きさも懸念されているという。

【参照情報】
RIM Suffers 'Awful' Timing for Snag - Bloomberg
BlackBerry Service Restored, Company Says -
RIM Says Service Back Globally, Vows to Win Back Lost Trust - AllThingsD
RIM Blackberryのサービス障害、3日目に突入 - 完全復旧のメドたたず

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