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アップルとサムスン、部品供給をめぐりトップ会談 - 長期関係も視野に(韓国紙報道)

2011.10.20

Updated by WirelessWire News編集部 on October 20, 2011, 10:22 am JST

アップル(Apple)が次世代モバイル・プロセッサの開発・製造について、引き続きサムスン(Samsung)との協力を進めていくとの可能性が先ごろ報じていたが、この話題に関する続報が上がってきている。

韓国の英字紙Korean Heraldは、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏の葬儀参列のために米国を訪れていたサムスンのイ・ジェヨン(Lee Jae-yong/李在鎔)COOが、米国時間17日にアップルのティム・クック(Tim Cook)CEOと会談したことを帰国後に認めたと、19日付の記事で報じた。

サムスンのイCOOは、三星財閥創業者の一族で、グループ現会長の子息にあたり、同グループ全体の後継者候補とされる人物。同氏によると、2時間以上に及んだこの会談のなかでは、アップルへの部品供給を2012年にも行うことが確認されたほか、2013年〜2014年(の契約)についても話が及んだという。

サムスンはアップルに対し、iPhoneやiPadに搭載されるプロセッサーやフラッシュメモリなどの基幹部品を供給してきており、サムスンのコンポーネント事業にとってもアップルは最大の顧客。アップルが設計したARMベースの「A4」「A5」プロセッサーは、これまでのところサムスン1社が製造を手がけてきている。

そのいっぽうで、同社とアップルとのスマートフォン市場シェア争いや、特許侵害をめぐる法廷での争いが激化しており、アップルがサムスン以外の部品サプライヤー確保に動いているとの話も伝えられていた。プロセッサについては、サムスンと平行して、台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)にも次世代「A6」プロセッサの製造を委託したとの話も浮上。ところが今週に入って、同プロセッサも引き続きサムスンから調達する線で両社間の交渉が進んでいるとする業界情報筋の話が韓国紙によって伝えられていた。

この動きについては、サムスンに大量のプロセッサを発注しているアップルが、TSMCで生産プロセスが安定するまでには、いましばらく時間がかかると判断し、リスクを避けるためにサムスンとの契約延長へ動いているのではないかとの指摘も出されていた。

いっぽう、ジェヨン氏は今回の渡米について「葬儀参列が目的」とし、両社間で係争中の特許侵害に関する問題については発言を避けたものの、ビジネスの世界では常に激しい競争が付きものとし、「消費者の利益を視野に入れながら、公平なやり方で競争していく必要がある」と付け加えたという。

【参照情報】
Samsung heir, Apple chief discuss long-term parts cooperation - Korean Herald
Apple, Samsung discuss long-term supply relationship - GigaOM
Samsung looks to make Apple parts beyond 2012 and into 2013-2014 - 9to5 Mac
アップル、次期「A6」プロセッサもサムスンから調達の可能性(韓国日報)
【図・グラフ】ひと目で分かる「サムスンとアップルの"競合・共生"関係」

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