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本格攻勢に転じるノキア - 入り交じる抱負、期待、懸念(編集担当メモ)

2011.10.28

Updated by WirelessWire News編集部 on October 28, 2011, 12:53 pm UTC

ステファン・イーロップ(Stephen Elop)氏のCEO就任から1年余りを経て、ようやく新たな一歩を踏み出したかに見えるノキア(Nokia)。英国時間26日の新製品発表後から27日にかけて、同社に関するさまざまな記事が公開されているが、今回は一部の記事のなかから気になった点をピックアップしてみる。

まずThe Verge(This is my next...)ブログでは、「Nokia World」での新製品発表後に行ったイーロップCEOとの独占インタビューの模様を記事とビデオで紹介している。

このインタビューのなかで同CEOは、主に3つの点について話をしている。一つめは、新たなフラッグシップ・モデルとなるWindows Phone端末「Lumia 800」の米国市場への投入が2012年とされたことに関するもの。同氏によれば、この判断は携帯通信事業者との交渉だけでなく、生産台数や部品の調達、米市場に向けたカスタマイズ、米消費者が求める技術やサービスの準備など、さまざまな要因が重なり合った結果だという。また同氏は2012年前半には米国市場に複数の製品("portfolio of products")を投入する考えがあることも示している。

二つめは、先ごろグーグル(Google)のAndroid責任者、アンディ・ルービン(Andy Rubin)氏が口にしていた批判への反論。ルービン氏は、Windows Phone端末には「コモディティ化」の可能性があり、それが端末メーカー各社にとってリスクとなるとする主旨の批判を行っていた。この考えに対して、イーロップ氏は、PCの世界とは異なり、スマートフォン分野ではマイクロソフトのOSが市場を支配しているわけではないため、マイクロソフトとしては端末メーカーの力を雁ながらイノベーションを進める必要があるとの考えを示した。さらに、Android端末のユーザーエクスペリエンスに触れ、HTCの「Sense」のように端末メーカーが独自のUIを採用する例が増えてきているが、そうした例ではブランドとして何を提供したいのかも、ユーザーエクスペリエンスについてどんなスタンダードがあるのかもはっきりと伝わってこないと述べている。

三つめは、タブレット端末など他のデバイスに関するもので、同氏は「Windows 8」が提供するユーザーエクスペリエンスは、ノキアが発表した「Lumia」のそれを拡張したものといえ、ユーザーの視点からは共通する部分も多いと説明。さらにHTML5にかけるマイクロソフトの姿勢をWindowsの今後の方向性を示す「もうひとつの大きな手がかり」と述べている。

いっぽうBGRでは、ノキアで製品開発を率いるジョー・ハーロウ氏が新製品発表のなかで行った発言を採り上げている。それによると、ノキアのWindows Phone搭載スマートフォンが消費者に選ばれる理由は何かと訊ねられた同氏は、「iPhoneは確かに使いやすく、デザインも美しい。それに対して、Lumia 800はゴージャスなデザインも特徴のひとつだが、この製品を際立たせているのは何よりもまずその統一性の採れたUIだ。ユーザーエクスペリエンスの素晴らしさで、これに適うものは他にない」と答えたという。さらに「私たちの大半が仕事にもスマートフォンを利用するという点をお忘れなく。Lumiaは優れたコンシューマー向けスマートフォンであるばかりでなく、仕事用の携帯電話としても目を見張るものだ。電子メールやMS Office用アプリなどは、同じ目的のためにつくられたAndroidアプリやiPhoneアプリよりも優れている。Lumiaには私が欲しいと思う要素がすべて盛り込まれている。使いやすく、動作も素早く、そして使っていてとても楽しい」と同氏は付け加えたという。

また、Bloombergでは「Lumina」製品のマーケティングに関する話題を伝えている。それによると、ノキアでは過去の製品発売時に比べて3倍もの予算をLumiaのマーケティングに投じる計画だという。英調査会社CCSインサイト(CCS Insight)のアナリスト、ベン・ウッド氏(Ben Wood)氏は、「街角(の屋外広告)やテレビ(CM)、ウェブ上など、いたることろでノキアのマーケティングキャンペーンを目にすることになる」と述べている。さらに、ノキアではソーシャルメディアを活用したキャンペーンをグローバルに展開する予定もあり、そのために1000headsというロンドンのマーケティング会社をつかって、あわせて6万台のLumiaをブロガーやその他の影響力の高いネットユーザーに配布、彼らからのフィードバックをノキアに伝えるほか、製品レビューなどを通じたクチコミ効果も狙っていくという。

いっぽう、FastCompanyやGigaOMでは、新たに発表された製品群のうち、Lumiaシリーズの端末については「これでやっと、他社のAndroidスマートフォンや、アップルのiPhoneなどと同じ土俵に立てる」と一定の評価を下しつつ、そもそもWindow Phone端末の売れ行きが芳しくなかったことやLumia 800の価格の高さ(420ユーロ)などから、「一朝一夕に大きな市場シェアを奪うことは難しいかも知れない」と付け加えている。

また同時に発表されたS40 OSベースの「Asha」シリーズ製品については、すでに対象となる新興市場でHTC、サムスン(Samsung)、ZTE、ファーウェイ(Huawei)などのAndroidスマートフォンが出回り始めていること、先進国でもアップルのiPhone 3GSが無料で提供されていることなどから、厳しい戦いを迫られそうだとする懸念を示している。さらにFastCompanyでは、価格設定や機能などの点で少しずつ異なる製品を4つも投入したノキアのやり方について、「これは」という画期的な点を欠くことの裏返しとし、スクウェアCEO/ツィッター会長のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏がTwitterで行った「製品の数が多すぎる。3つに絞り込んだほうがいい」( "Nokia: you make too many products. Focus on 3." )という発言を紹介している。

【参照情報】
Stephen Elop interview: US Lumia launch, Nokia tablet, and criticism of the Android experience - The Verge
Nokia's Jo Harlow: Windows Phone is 'easier, faster and a hell of a lot more fun' - BGR
Nokia Starts Marketing Blitz to Win Customers to Lumia Phone - Bloomberg
Can Lumia really light up Nokia's future? -
Nokia's Biggest Competition: Android In The Developing World - FastCompany
ノキア、初のWindows Phone OS搭載スマートフォンなどを発表

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