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(cc) Image by Son of Groucho

ゲーム以外のアプリケーションにゲームの要素を取り入れる「ゲーミフィケーション(gamification)」の考え方を、ヘルスケアのアプリケーションに適用することで、定常的に利用しやすくしようという提言がアメリカでいくつかなされている。

ゲーミフィケーションというと位置情報を使って、店舗などに「チェックイン」を繰り返し、仮想的なバッジなど獲得するFoursquareなどが想起されるが、それだけではなくレベルアップ、得点、特典、他のユーザへの挑戦、交換、ギフトなどを通じてゲーム利用者の興味を喚起して、定常的にプレーするようにする──悪く言えば中毒にしてしまう──技法のことを言う。ゲームのルールなども説明の文章を長々と読ませるのではなく、実際に簡単な操作から始めて利用者自身が段階を踏んで習得できるように設計されているものが多い。

ヘルスケア用のアプリケーションは、利用者が高齢であったり、健康状態が思わしくない場合が多いため、使い方が簡単でないと利用することが患者の負担や苦痛になってしまう。ワシントン州のCenter for Advancing Healthの創業者でもあるDr. Jessie Grumanは、ヘルスケア用アプリケーションの開発者に対して、ゲームの要素を取り入れることを強く推奨している。

新しい技術は患者の役にたつ反面、患者への負担が増えるため、ユーザビリティに配慮するのは当然として、健康情報(EHR)の標準化などと並んで、ゲームの要素の取り込みが重要だと述べている。これは単に、血圧測定、血糖値測定など継続利用が必要なアプリケーションを面白おかしくすることで、日常的に繰り返し使われるようにするだけでなく、半ば義務のように患者自らが行わなければならない測定を少しでも簡単にして負担を減らすことが目的ということのようだ。Gabe Zichermann氏(「Game-Based Marketing」の著者)はMashableの記事で、癌患者の化学療法や投薬にゲーム化の要素を取り入れることで精神状態が改善し、治療や投薬の手順に従うという行動パターンにも改善が見られたと語っている。

アプローチ方法にもいくつかある。ヘルスケア向けアプリケーションにゲームの要素を追加するというのが普通の発想だが、すでに多数のユーザを獲得したタイトルにヘルスケアの要素を追加した方が早道だという意見もある。いずれにしても、一見、無関係そうなヘルスケアとゲームが、スマートフォンの活用という点で融合する、あるいは少なくとも人気ゲーム制作の知見が医療に役立つ日が近いのかもしれない。

【参照情報】
Engaging Patients with "Gamified" Mobile Care
Why Angry Birds Gets More Play Than Health Apps
Should health apps be as fun as Angry Birds?
Add health to games or games to health?
Gamification: How Competition Is Reinventing Business, Marketing & Everyday Life

スマートフォンアプリを利用した「ゲーム感覚」で節電を促そうという公開実験に関する記事はこちら

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