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月額19ドルで「使い放題」の無線通信サービス - 米ベンチャーが発表

2011.11.09

Updated by WirelessWire News編集部 on November 9, 2011, 10:10 am JST

Republic Wireless
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Wi-Fi網を主に利用することで、VoIPベースの音声通話やテキストメッセージング、ウェブアクセスといったさまざまなデータ通信サービスを、1ヶ月あたり19ドルという破格の値段で提供しようという通信事業者が米国で登場し、IT系ブログなど一部のメディアで大きな話題となっている。

このサービスを発表したリパブリック・ワイアレス(Republic Wireless:以下、リパブリック)は、バンドウィズ・ドットコム(Bandwidth.com)というVoIPサービス/ISPの一部門。同社では、一般のネット回線(固定回線)やスプリント・ネクステルの3G網などを利用することで、Wi-Fiと携帯通信を組み合わせたハイブリッド型の無線通信サービスを提供するという。

リパブリックのサービスを使いたいユーザーは、まず加入時に199ドルを支払って同社の指定するAndroidスマートフォンを購入(この金額には初月の利用料も含まれる)。翌月以降については、月額19ドルを支払うだけでよく、長期間の契約に加入する必要はない(いわゆる「プリペイド」方式と同様)。さらに、米国ではいまだに別料金となっていることも多いテキストメッセージング・サービスもこの金額のなかに含まれるという。なお対応する端末については、8日のサービス開始時点で、LG電子製のAndroidスマートフォン「LG Optimus」のみとなっている。

ネットワークへの接続については、第1オプションがWi-Fi網で、それが見つからない場合にはスプリントの3G網(CDMA方式)を利用という形をとる。リパブリックでは、独自にソフトウェアを開発し、この使い分けが自動的に行われるようにしたという。そのため、同社ではトラフィックの最低でも60%がWi-Fi経由になると見込んでいるという。

ユーザーにとっては、低料金でさまざまな無線通信サービスが使い放題というこのサービスだが、ただしひとつ大きな懸念点もある。リパブリックでは携帯通信網経由のデータ送受信量について「公平な利用量の目安」("fair use threshold")を示しており、この目安量を頻繁に超えるようなユーザーにはサービス提供を停止するとの方針を示している。この目安量については、「通話時間で550分、テキストメッセージ150件、データ通信量約300MB」ということで、データ通信量だけをとってみれば、大手の低料金プラン--たとえば、AT&Tでは月額15ドルで上限200MBのプランを提供--とそれほど変わらないことになる。同社ではユーザーに対し、携帯通信網の利用状況データを示す"Cellular Usage Index (CUI)"をウェブで提供し、携帯通信網の「使いすぎ」とならないよう注意を促していくという。

【参照情報】
Republic Wireless
Republic Wireless: Everything you need to know - GigaOM
Republic Wireless hopes to shake up industry with $19 'unlimited' VoIP and data service - Fierce Wireless
Republic Wireless Delivers $19 Wireless - Driven by Wi-Fi, With a Few Massive Caveats - DSLReports

AT&Tが、モバイル・データ通信サービス契約者のうち、上位5%のヘビーユーザーに対して速度制限を課すという計画に関する記事はこちら

AT&Tの発表によれば、これらのユーザーは同社と契約する平均的なスマートフォン・ユーザーに比べて、平均で12倍も多くデータを送受信しているという。

AT&T、上位5%のヘビーユーザーに速度制限 - 10月から実施へ

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