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チャイナ・テレコム、米国市場でMVNOサービス提供へ - 自社ネットワークの展開も視野に

2011.11.11

Updated by WirelessWire News編集部 on November 11, 2011, 13:51 pm JST

中国の大手通信会社チャイナ・テレコム(China Telecom)が、来年にも米国市場でMVNOサービスの展開を始めるという。

これは同社米国法人(China Telecom Americas)のドナルド・タン(Donald Tan)氏が、Bloombergとのインタビューのなかで明らかにしたもので、まずは中国ー米国間を頻繁に行き来するビジネスマンや米国に留学中の中国人学生などをターゲットにしていくという。

タン氏によれば、同社はすでに複数の米携帯通信事業者と商用サービスのトライアルを行っており、そのなかから正式な提携先を1社に絞り込むという。トライアルに協力している携帯通信事業者の具体的名は明らかにされていないが、GigaOMではチャイナテレコムと同じCDMA方式のネットワークを展開するスプリント・ネクステル(Sprint Nextel)やベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)になる可能性が高いと予想している。なおこのサービスの加入者には中国国内用と米国内用に1回線ずつ番号が与えられる予定で、価格については「競争力のある」ものになるとタン氏は述べている。

同氏によると、チャイナ・テレコムではこのサービスがうまくいった場合、将来的に米国で自社ネットワークを展開する可能性も検討しており、また同社にはそうした取り組みを実現できるだけの資金もあるという。Bloombergでは、具体的な金額について、6月末時点で96億ドルの流動性資金(うち40億ドルが現金)としている。

ただし、中国資本の企業が実際に米国内でネットワークを展開するとなれば、大手通信機器メーカーのファーウェイ(Huawei)が米企業の買収などで経験したように、司法省(DOJ)や連邦通信委員会(FCC)などの規制当局からの安全保障上の問題を懸念する声が上がる可能性もあるとBloombergは指摘している。

GigaOMによると、米国市場ではこれまでディズニー(Disney)やESPNが自社ブランドのMVNOサービス展開を試みたものの、いずれも失敗に終わっている。また韓国のSKテレコム(SK Telecom)が米ISPのアースリンク(EarthLink)と立ち上げた「Helio」も加入者数が伸びず、のちにバージン・モバイル(Virgin Mobile USA)に売却されたという。いっぽう、NTTドコモは今年に入って、T-モバイル(T-Mobile USA)のネットワークを利用するMVNOサービスを開始したが、これは主に(日本からの)旅行者をターゲットにしたもの。

チャイナ・テレコムは、中国で固定回線やブロードバンドサービス、携帯通信サービスなどあわせて1億9100万件の加入者を擁するいっぽう、米国市場では子会社を通じてこれまで10年以上にわたって法人向けのサービスを提供してきた実績がある。タン氏は、今後の事業展開について、コンシューマー市場--とくにロサンゼルスやシカゴ、ニューヨークなど大規模な中国系コミュニティが存在する大都市圏でのマーケティングに力を入れていくとし、米市場での固定線関連の事業買収に数億ドル〜数十億ドルの資金を投じる可能性もあると述べている。

【参照情報】
China Telecom Plans to Offer Wireless Service in U.S. in 2012 - Bloomberg Businessweek
Coming to America: China Telecom launching U.S. service - GigaOM
China Telecom plans launch US network for frequent travelers using leased capacity - The Verge

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