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アフリカのモバイルヘルスで活用されるテキストメッセージのFrontlineSMS

2011.11.14

Updated by WirelessWire News編集部 on November 14, 2011, 15:00 pm JST

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(cc) Image by US Army Africa

世界の人口が70億人に増え、携帯電話契約数は昨年50億を超えたとされていて、世界人口の90%程度は携帯電話の電波が届くエリアに住んでいるということだが、アフリカの新興国や開発途上国で携帯電話を利用したモバイルヘルスが注目を集めている。

ここで言う携帯電話はカメラなどを搭載したフィーチャーフォンや、通話やテキスト送受のみが行えるベーシックフォンなどのことで、必ずしも多機能で高機能なスマートフォンは必須ではない。電話やSMS(ショートメッセージサービス)だけでも通常の医療水準の向上や災害対策で大きな効果を上げることが可能であることが各地で証明されつつある。

エチオピアではTechnology for Change InternationalというNGOが音頭を取って、例えば医療関係者に携帯端末を1,000台配布して全国から妊婦の情報を収集し、また、妊婦にはtxt4EnatというSMSのサービスを提供する。txt4Enatに加入すると週に2回、妊婦が知っておくべき情報が送られる。対象とする妊婦は第1フェーズで10万人。システム化はエチオピアン・テレコム(ETC(Ethiopian Telecom Corporation))が開発中。オープンソースのFrontlineSMSをベースに開発することで、無償提供を目指している。

FrontlineSMSは地域の小規模NGOを活性化することを目的に英ケンブリッジのKen Banks氏が発案したSMS提供用アプリケーションで2005年にオリジナル版が開発され、その後、基金を得て改良が続けられている。

他の活用例としては、NPO法人であるMedic Mobileの活動がある。同法人のCEOであるJosh Nesbit氏(24歳)はスタンフォード大学の大学生だった2007年に、SMSによってアフリカ諸国の医療水準を大幅に引き上げることができることを思いつき、5000ドル(1ドル=77.8円換算で約38万9000円)の資金とバックパック一杯に詰め込んだ中古の携帯電話機とノートPCを持ってアフリカのマラウイに渡った。ノートPCにはGSMのモデムとFrontlineSMSがインストールされていた。彼は医師と患者をテキストメッセージでつなぐシステムを構築し、患者や医師が診察のために移動する時間を半年で1200時間削減し、医師の診察を受けることのできる結核患者の数を倍増させたという。また、その地域で初めて、急患などを知らせる緊急サービスが提供可能となった。6ヶ月間の運営費用は500ドル程度だったそうだ。

Nesbit氏は、アメリカなどで不要になり、物置などで眠っている携帯電話機(ベーシックフォン)をアフリカに運んで医療に役立てる活動を続けている。

【参照情報】
Ethiopia-Health: SMS tech for health to launch next week
Pilot SMS health scheme launched in Ethiopia
Mobile technology can pull Africa forward
How Text Messages Could Change Global Healthcare
How Phones Are Changing Healthcare In Africa
FrontlineSMSのウェブサイト
Medic Mobileのウェブサイト

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