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SIMカードベースのNFC規格標準化、携帯通信事業者45社が支持表明

2011.11.17

Updated by WirelessWire News編集部 on November 17, 2011, 13:45 pm JST

世界の携帯通信事業者などが加盟する業界団体GSM Association (GSMA)によると、同団体が進めるSIMカードを利用したNFC技術の標準化に対し、世界の携帯通信事業者45社などが支持を表明したという。

GSMAは16日(香港時間)に発表した声明によると、この取り組みへの支持を打ち出したのは、加入者数で世界最大のチャイナ・モバイル(China Mobile:加入者数約6億200万人)と、同7位のチャイナ・ユニコム(China Unicom:同1億8800万人)のほか、インドのバーティ・エアテル(Bharti Airtel)、ボーダフォン(Vodafone)、中南米市場に重点を置くスペインのテレフォニカ(Telefónica)やメキシコのアメリカモビル(América Móvil)、米国のAT&T、ベライゾン(Verizon)、欧州や中近東の大手各社や、韓国のSKテレコム(SK Telecom)とKT(KT Corporation)、日本のソフトバンク・モバイルなど。さらに同団体のメンバーではない米ISIS(AT&T、ベライゾン・ワイアレス、T-モバイルUSAの3社がつくるモバイル決済関連のJV)の名前も見える。

GSMAでは、とくに圧倒的に加入者が多い中国の2社がこの取り組みを支持した点を強調しており、声明のなかに両社幹部のコメントをそれぞれ盛り込む力の入れようだ。

NFCチップを内蔵するスマートフォンの普及は今後急激に進むとみられている。ピラミッドリサーチ(Pyramid Research)の予想では、2011年末の1750万台から2014年には2億5000万台に増加するという(Light Reading)。またABI Researchでは、2016年に出荷されるPOS端末の85%がNFC対応のものになっていると予想している(Computerworld)。

いっぽう、Light Readingでは、マスターカード(MasterCard)などと組んで独自の取り組みを進めるグーグル(Google)に近い米スプリント・ネクステル(Sprint Nextel)が支持表明者のなかに入っていないことなどに触れながら、少なくとも米国市場では、グーグルやアマゾン(Amazon)、ペイパル(PayPal)、それに仮想SIMカード技術関連の特許を取得したアップル(Apple)といった大企業、さらにはビザ(VISA)などから潤沢な資金提供を受けたベンチャー企業のスクエア(Square)などこの分野で潜在的な競合となる存在もすでに複数あることから、携帯通信事業者各社は主導権を確保するために早急に展開を進める必要があると記している。

【参照情報】
Mobile NFC Gains Momentum as Operators Worldwide Pledge Support for SIM-based Solution - GSMA
China Mobile, China Unicom back NFC technology - Computerworld
Two Chinese cellcos line up for NFC - Rethink Wireless
Mobile Ops Unite to Keep NFC in the SIM - Light Reading Mobile
Apple introduces us to the Virtual SIM Card - Patently Apple
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