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[2012年第1週]スマホ出荷好調、年明け早々spモードメールに不具合、WiMAX上り高速化

2012.01.10

Updated by Naohisa Iwamoto on January 10, 2012, 12:00 pm JST

2012年が明けて1週間、ここでは2011年の最終週から年明けにかけての国内ワイヤレス関連ニュースをまとめてお伝えする。

スマホも通信モジュールも市場拡大へ

2012年の移動体通信業界の発展を占うには、スマートフォンやM2Mなどで用いられる通信モジュールの成長が1つのカギとなる。IT専門調査会社のIDC Japanが発表した2011年第3四半期の国内モバイルデバイス市場動向からは、明るい見通しが読み取れる。第3四半期の国内のスマートフォン出荷台数は、前年同期比243%の急速な成長を遂げ、530万台に達した。第3四半期(2011年7月〜9月)はiPhone 4Sの発売直前にあたり、アップルの出荷が落ち込む中での数値だ。今後もスマートフォン市場は順調に成長する見込みで、2012年には2870万台、2015年には3403万台にまで達するとしている(関連記事:2011年第3四半期スマホ出荷は前年比243%増の530万台--IDC Japan調査)。

201201101200-1.jpgまた、通信モジュール市場の調査結果も興味深い。市場調査・コンサルティングを手がけるシード・プランニングの携帯電話通信モジュール端末の2020年における将来展望を分析・予測する調査の結果を発表している。それによると2020年度の通信モジュール市場は、2010年度に比べて9.8倍の4652万契約に達するという。。端末と通信サービス料金を合わせた金額ベースでは、2020年度に2773億円と2010年度の4.7倍に相当すると予測する(関連記事:国内の通信モジュール市場、2020年に10倍の約4600万契約へ)。

spモードメール、相次ぐ不具合

201201101200-2.jpg一方で、年明け早々から不安を感じさせるニュースもあった。NTTドコモのspモードメールでまたしても不具合が発生したのだ。1月1日 21時30分ごろからspモードメールが利用しづらい状況になり、完全な回復は翌2日の0時45分となった。影響地域は全国にわたった(関連記事:ドコモのspモードメール、元旦夜からまたしても不具合)。

NTTドコモのspモードメールでは、2011年12月20日にも不具合が発生したばかり。これについては、不具合の影響があった利用者は、当初10万契約規模になるとのアナウンスがあったが、延べ1万8000契約であったことを明らかにしている(関連記事:spモードメール不具合、延べ1万8000契約に影響、サービス停止には返金も)。

さらに12月20日の不具合発生を受けて12月25日付けで山田隆持社長を本部長とする「ネットワーク基盤高度化対策本部」を設置した。メンバーは同社取締役常務執行役員以上及び各関連組織長の合計38名(関連記事:ドコモ、spモード不具合発生を受け対策本部を設置)。しかし、元日からspモードメールには不具合が発生する事態となってしまった。

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WiMAXの上りが15.4Mbpsへと高速化

201201101200-3.jpgユーザーや、利用を検討している人に朗報もあった。UQコミュニケーションズは2011年12月28日から、UQ WiMAXサービスの上り通信速度をこれまでの最大10Mbpsから最大15.4Mbpsに引き上げた。同時に上り高速化の対応端末を公表、発表時点で10端末が15.4Mbpsのサービスを利用できる(関連記事:UQ、WiMAXの上り15.4Mbps化を12月28日実施、10端末が対応)。

また、この施策に伴い、KDDIでも同社のWiMAX対応端末のうち3機種が上り高速化に対応するとアナウンスしている(発表資料:WiMAX上り高速化対応機種のお知らせ)。

一方でUQコミュニケーションズは、2011年12月26日に都営三田線の大手町駅で地下鉄駅初のUQ WiMAXサービスも開始している。これに伴い報道関係者向けに設備の見学会を開催、駅構内の設備を公開した。駅構内には、2種類のアンテナを設置した。1つは改札口付近に設置する無指向性アンテナ。もう1つはホームに設置するアンテナで、こちらは指向性のあるアンテナを2つセットにして反対向きに設置している(関連記事:UQ、都営三田線大手町駅のWiMAX設備を報道陣に公開)。2012年いっぱいで、都営地下鉄の各駅にエリアを広げる計画だ。

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ドコモが半導体で内外メーカーと合弁

このほか、年末年始の主なニュースを紹介する。1つは通信機器向けの半導体の話題。NTTドコモは、国内外のメーカーと通信機器向け半導体の開発・販売を行う合弁会社設立のための合弁契約締結を発表した。共同出資予定会社は富士通、富士通セミコンダクター、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、サムスン電子の5社である。半導体の省電力化・小型化を目指すとともに、LTEおよびLTE-Advancedへの対応も検討する(関連記事:ドコモがサムスンなどと合弁契約締結、通信機器向け半導体開発・販売)。

201201101200-5.jpg海外に関連するものとしては、KDDIが海外パケット定額サービスの「海外ダブル定額」の対象となる事業者を追加したニュースがあった。グアムのPulse MobileやベトナムのVinaphone、インドネシアのPT Indosatなど、39の事業者を追加し、日本時間の2012年1月1日0時から提供を開始した。これにより海外ダブル定額の対象となる国・地域は合計で70となった。KDDIによれば、海外パケット定額サービスの対象となる国・地域が国内の事業者で最大になったという(関連記事:KDDI、1月1日から海外ダブル定額の対象に39事業者追加)。

また、KDDIは2011年12月26日、WiMAX対応のスマートフォン「ARROWS Z ISW11F」のソフトウエア更新の準備が整ったと発表した。主に2つの事象が改善される。1つは、WiMAX機能をオンにしているときに「auかんたん決済」が利用できないこと。もう1つは、電池の消費が早くなること。

(関連記事:KDDI、「ARROWS Z ISW11F」で電池消費を抑えるなどのソフト更新

昨年の第1週のできごと

・端末に合わせた料金プランできめ細かくニーズに対応
・スマートフォン市場の急成長の実態
・auスマホの貸し出しや法人向けサービスの拡充なども

[2011年 第1週]携帯でも他社あて通話無料プランが登場、スマートフォンの躍進が目立つ

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。