アップルとマイクロソフトの売上ならびに営業収入の比較を去年から始めた。売上と利益の両方で、iOSがWindowsを追い越しつつあることは、あの時のグラフでも明らかだった。今回は、比較対象にグーグルを加えることで、さらに多角的な分析をしてみたいと思う。
次に、3社の製品別もしくは事業別の売上の推移を比較してみる。これをみると、いくつか興味深いパターンがあることが判る。
[製品別・事業別の営業収入の推移]
[3社の粗利率の推移]
私は1月30日にロンドンであったTechMeetupsというイベントで、「アップル - 世界最大のベンチャー企業」("Apple - world's biggest startup")と題する話をしたが、前掲のグラフはその際のプレゼンでつかったものである。このイベントでは、私のほかに、Fortune誌の編集者で先月「Inside Apple」という書籍を発刊したアダム・ラシンスキ(Adam Lashinski)氏が「アップルがいまでもベンチャー企業然としている」ことについて、その企業文化や手続きといった面に焦点をあてた話をした。私のほうは、前掲のグラフをつかって、アップルが「ベンチャー企業並み」の急成長を遂げてきたことについての話をした。同社が目をみはる成長を遂げられたのは、中核製品の市場を拡げたからではない。新しい製品カテゴリーを、しかも複数つくり出したからだった。グーグルは、アップルに比べるとはるかに若い企業だが、それでも成長のペースは(アップルとほぼ同じくらい古い)マイクロソフトのそれとあまり変わらない。
この比較から得られる教訓があるとすれば、それはおそらく次のようなものになるだろう。つまり、急激な成長というのは規模の小さな会社だけに付与された権利ではない。アップルは市場をひっくり返すような革新的技術を使って、自社を作りかえた。そしてこの変貌ぶりは、やはりイノベーションに関するリーダー的存在と目されるグーグルやマイクロソフトの姿とは驚くほど対照的なものだ。
(執筆:Horace Dediu / 抄訳:三国大洋 / 原文公開日:2月13日)
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