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[2012年第11週]新iPadやイーモバLTEが発進、端末出荷は好調、アプリは儲からない?

2012.03.19

Updated by Naohisa Iwamoto on March 19, 2012, 11:00 am JST

なかなか春らしい日がやってこない3月中旬、発表済みだった製品とサービスの提供が始まった。1つは高解像度のRetinaディスプレイを搭載した新しいiPadの発売。3月16日に発売され、発売セレモニーのあったソフトバンク銀座では新製品を求める列ができた。一方、イー・アクセスは3月15日に下り最大75Mbpsの高速サービス「EMOBILE LTE」の提供を開始した。同時にソフマップやドリーム・トレイン・インターネットなど10社のMVNOからもサービスの提供が始まった。新しい時代への移り変わりを感じさせる1週間だった。

移動電話の出荷は好調、ドコモ6000万契約

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そうした流れの中で、縮小傾向にあった移動電話の出荷が盛り返してきている。電子情報技術産業協会(JEITA)と情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、2012年1月の移動電話国内出荷台数を発表している。これによると1月の総出荷台数は243万8000台で、前年同月比124.2%の増加となった。2カ月連続で対前年同月で増加しており、JEITAでは、スマートフォンのラインアップが充実し、ユーザーのスマートフォン指向が高まっていることから需要が拡大したと分析している(関連記事:1月の移動電話国内出荷、スマホ効果で前年比約25%増)。

携帯電話サービスの創始者であるNTTドコモは、携帯電話の契約数が2012年3月12日に6000万を超えたと発表した。1979年12月にサービスを開始して32年余で達成した。ただし、伸びは鈍化しており、2000万〜3000万は1年8カ月、3000万〜4000万は1年9カ月、4000万〜5000万は3年10カ月だったのに対して、5000万〜6000万は6年4カ月かかっている(報道発表資料:ドコモの携帯電話契約数が6,000万を突破)。

アプリビジネスでマネタイズは難しい

スマートフォンへの急速なシフトに伴って、アプリ業界の現状はどうなっているか。MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は、WECSy Marketingとの共同リサーチによるスマートフォンのアプリビジネスに関する実態調査の結果を発表した。アプリ運営者がこれまでに提供しているアプリのマネタイズ方法を尋ねた設問では、「無料アプリ+広告」と回答した運営者が39.4%で最も多かった。そして現状では「計画通り十分にマネタイズができている」とした運営者は1割に満たない結果だった(関連記事:スマホアプリは4割が「無料+広告」、ほとんどが十分なマネタイズには至らず--MMD研究所調べ)。

一方、アプリに新しい技術を適用する試みもある。KDDIは、KDDI研究所が開発した「自由視聴点技術」を活用したスマートフォン向けアプリ「触れるミュージックビデオ『マルチ・ビュー・オーケストラ』」を提供する。マルチタッチ機能を使うことで聴く人のポジションやアングルを自由自在に変えられ、それに伴って音の聴こえ方も変わる。新しいミュージックビデオの楽しみ方やプロモーションの仕方を提案する。アプリの提供は3月21日〜6月30日、利用は12月31日まで(報道発表資料:世界初、自由視聴点技術を活用したミュージックビデオアプリの提供開始について)。

〈お知らせ〉 世界初、自由視聴点技術を活用したミュージックビデオアプリの提供開始について 〈別紙〉
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au Wi-Fi SPOT拡充、iPhone向けアプリも提供

2012年3月末までに公衆無線LANサービスの「au Wi-Fi SPOT」のスポットを10万局に引き上げる計画のKDDIは、エリアの整備を着々と進めている。3月30日から福岡市地下鉄の駅構内でサービスを提供する(関連記事:福岡市地下鉄、全駅がau Wi-Fi SPOTとUQ WiMAXのエリアに)。

〈お知らせ〉 「福岡市地下鉄」全線で快適インターネット〈別紙〉
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また、リンガーハットが展開する「リンガーハット」および「とんかつ浜勝」でもau Wi-Fi SPOTのサービスを開始する。全国約400店舗で利用可能になる(報道発表資料:全国の「リンガーハット」「とんかつ浜勝」で公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」を導入)。
福岡市地下鉄では、UQコミュニケーションズもサービスの提供を発表。こちらはUQ WiMAXサービスを3月末から順次提供し、駅構内およびトンネル内での通信を可能にする計画である。

さらにKDDIは、auのiPhone 4SおよびiOS搭載機器で国内外の「au Wi-Fi SPOT」を使える「au Wi-Fi接続ツール」の提供を3月14日に開始した。au Wi-Fi SPOTの利用環境が端末側でも整ってきた(報道発表資料:iPhone 4SおよびiOS搭載機器向け「au Wi-Fi接続ツール」の提供開始について)。前日の3月13日には予定通り、auのiPhone 4Sで「〜@ezweb.ne.jp」アドレスのEメールのリアルタイム受信も可能になった(報道発表資料:iPhone 4SにおけるEメール (@ezweb.ne.jp) のリアルタイム受信の開始について)。

らでぃっしゅぼーやがドコモ子会社、ワンストップのM2M

らでぃっしゅぼーや
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このほかの主なニュースをピックアップする。NTTドコモは、有機、低農薬野菜と無添加食品の会員制宅配サービスを提供するらでぃっしゅぼーやの発行済普通株式および新株予約権の株券を3月19日に公開買付けすると発表した。これによりらでぃっしゅぼーやはNTTドコモの子会社になる。取得にかかる金額は約49億8000万円となる(報道発表資料:らでぃっしゅぼーや株式会社の株式公開買付けの結果について

NECは、M2Mソリューションを提供する「CONNEXIVE」のメニューに、モバイル回線などの回線提供サービスを追加する。これによりクラウド型のM2Mサービスを利用するユーザーに対して、回線も含めてNECがワンストップで提供できるようになる。サービスの提供は2012年4月2日から(関連記事:NEC、M2Mサービスに回線提供を追加しソリューションのワンストップ化を推進)。

KDDIは2012年3月16日、プリペイドサービスの「ぷりペイド」の契約事務手数料の変更などを発表した。KDDIはこれまで、ぷりペイドで「ぷりペイド専用電話機」に新規で契約した際の契約事務手数料を無料としていた。これを4200円に改定する(関連記事:KDDI、「ぷりペイド」の新規契約で手数料を無料から4200円に改定)。

昨年の第11週のできごと

・通行可能道路情報の入手や現地ラジオ放送の聴取も
・メーカーの工場などの被害状況が明らかに

[2011年第11週]被災地への支援がスタート、メーカー工場にも復興の足音

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。