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欧州の携帯通信大手5社に談合の疑い - 欧州委員会が調査の構え

2012.03.15

Updated by WirelessWire News編集部 on March 15, 2012, 09:41 am JST

欧州の大手携帯通信事業者5社--ドイツテレコム(Deutshe Telekom)、フランステレコム(France Telecom)、テレコムイタリア(Telecom Italia)、テレフォニカ(Telefonica)、ボーダフォン(Vodafone)の経営トップが定期的に行ってきた会合について、欧州委員会(European Commission:EC)が談合の疑いがあるとして事実関係の確認を進めていることが現地時間14日に明らかになった。

FTによると、この「E5」と呼ばれる会合は2010年から行われていたもので、参加した各社トップの間では、アップル(Apple)やグーグル(Google)といった米テクノロジー企業への対応策からモバイル決済関連の共通化といった話題までさまざまな事柄が話し合われていたという。なお、E5は最近になって解散され、その作業は携帯通信事業者の業界団体GSMA(GSM Association)に引き継がれている。

ECは、すでにGSMAへの聞き取りを行うなど事実関係を確認しているものの、各携帯通信事業者に対する正式な調査はまだ開始していないと、FTは記している。またGSMAの広報担当者はこの聞き取り調査の内容に関して、モバイル通信分野の将来的なサービス標準化の取り決め方法などに関わるものだとしているという。

欧州では近年、ECが域内でのローミング料金引き下げなどを推し進めるなか、携帯通信事業者各社は音声通話やメッセージングサービスなどの収入減の問題に直面している。またスマートフォンなどの普及に伴うトラフィック増加に対応するため、各社は通信インフラのアップグレードを進めようとしているが、これに要する費用をめぐって、アップルやグーグルなど主に米国のテクノロジー系企業に対し、相応の負担を求めるべきとする声が各社の間から上がっていた。

2010年10月にパリで開かれた「E5」の第1回会合では、Youtubeに代表されるウェブビデオのトラフィック増大の問題などが議題に上り、各社は後にニーリー・クロエ(Neelie Kroes)ECコミッショナーへ宛てた私信のなかで、この動画トラフィック(増大)に関する懸念を伝えていたという。

【参照情報】
Brussels probes possible telecoms collusion - FT
Telecoms face EU 'war of attrition' - FT
European telecom firms investigated by EU - BBC
European antitrust regulator questions telecoms - Reuters
タダ乗りはもうゴメン - 欧州の大手キャリア、アップルやグーグルにトラフィックコストの負担を求める構え

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