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M2M市場は「サービス」を核に2015年度には3300億円に--ROA Holdings調べ

2012.04.17

Updated by Naohisa Iwamoto on April 17, 2012, 18:37 pm JST

市場調査などを手がけるROA Holdingsは2012年4月17日、国内のM2Mマーケットの今後の展望についての調査結果を発表した。市場規模は2015年度には3300億円規模まで成長するとの見通しだ。

調査では、2010年度には1000億円に満たなかったM2M市場が、順調な成長を見せて2015年度には3300億円になると予測。海外プレイヤーの参入による導入コストの低下や、東日本大震災以降の「スマート化」への意識変革などが、市場拡大の追い風になっていると分析する。成長の要因となっているのは「M2Mクラウドプラットフォームの普及」で、NECや富士通、NTTデータなどの大手ITベンダーによるところが大きい。

M2M市場規模を、通信回線の「ネットワーク」、端末などの「モジュール」、アプリケーションなどの「ソフトウエア」、クラウドサービスなどの「サービス」の4項目に分類すると、今後の成長を牽引するのは「サービス」だという。ネットワークやモジュールは、回線数の増加に伴う成長が期待できるとはするものの、単価の下落で大きな市場規模の拡大は難しい。ソフトウエアもシンクライアント化などにより成長が鈍化する。一方でサービス分野は、ネットワークやモジュール、ソフトウエアまでも取り込んだ「M2Mクラウドプラットフォーム」として大きく成長するとの見立てだ。

M2M市場に関する市場調査としては、4月11日にもミック経済研究所が「モバイルM2M市場」を対象にしたレポートを公表している。こちらの調査でも2010年度から2016年度で約3倍の市場拡大が見込まれており、M2M市場拡大の規模感は複数の調査で一致することとなった(関連記事:ワイヤレスM2M市場、平均18%の成長で2016年度に1100億円超へ--ミック経済研究所

【報道発表資料】
「日本国内M2Mマーケット市場展望2012」調査報告書を発表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。