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「TU Me」- テレフォニカが自前の無料VoIP/メッセージアプリをリリース

2012.05.09

Updated by WirelessWire News編集部 on May 9, 2012, 18:42 pm UTC

欧州と中南米を中心に事業を展開するテレフォニカ(Telefonica)が昨年9月に立ち上げたデジタル部門Telefonica Digitalから、現地時間9日に「TU Me」というスマートフォン・アプリがリリースされている。

iPhoneとAndroidの両方に対応するこのアプリ、通常の通話やテキストメッセージに加え、高音質の通話やボイスメッセージ、写真共有、地図を使ったロケーション(位置)情報の共有、タイムラインの検索など、さまざまな機能を無料で利用できるというもの。iOS版については、日本のiTunes App StoreからもすでにDL可能。また、Android版については近日中に投入予定だという。

FTによると、ロンドンに本拠地を構えるテレフォニカ・デジタルでは、2009年に買収した「Jajah」のメンバーなどを中心に、イスラエルとカリフォルニアで働く社内の人材を活用して、約100日という短期間で「TU Me」を開発したという。

スマートフォンの普及にともなって利用が一般化したVoIPアプリや無料のメッセンジャーアプリなどは、携帯通信事業者にとって収益の柱となってきた音声通話やショートメッセージを脅かす存在として語られることが多いが、このあたりについてテレフォニカ・デジタルの幹部は、「ViberやWhatsAppといったアプリを使い始める加入者が増加していることは認識している」「そうした市場に参加することが大切と考えた」とコメント。またマネタイズについても「(TU Meのようなアプリの普及による)データ通信量の増加や、デジタルグッズの販売などのメリットが見込める」との考えを示し、テレフォニカ本体のSMS収入の減少懸念についても「すでにバンドル提供している市場が多いことから、大きな影響はない」と述べている。

アップル(Apple)の「iMessenger」やマイクロソフト傘下のスカイプ(Skype)、フェイスブック(Facebook)が提供する同様の通信・共有機能、さらに前述の「WhatsApp」「Viber」など、「TU Me」と競合しそうなサービスはすでに多数存在するが、テレフォニカ・デジタルでは親会社が世界各地で展開する「O2」「Movistar」「Vivo」などの加入者を中心に、「TU」というブランドで「エンハンスト・コミュニケーション・サービス」(enhanced communication services)を提供していく考えで、「TU Me」アプリはその第一弾という位置付けという。

なお、米Tモバイル(T-Mobile USA)がAndroid端末向けに昨年リリースした無料VoIP/メッセージ・アプリ「Bobsled」はすでに世界中に100万人以上のユーザーがおり、その95%が同社加入者以外のユーザーだとFTは記している。

ウェブベースの無料サービスの台頭は、携帯通信キャリアにとっていわゆる「イノベーションのジレンマ」をもたらす頭痛の種ともいえる存在。しかし、将来的に「TU」ブランドのサービスがうまく立ち上がるようだと、テレフォニカには自ら推し進めたカニバライゼーションでこのジレンマを克服できる可能性も出てくる。

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[TU Me]

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[TU Me]

【参照情報】
TU Me
Telefónica launches own smartphone chat app - FT
Telefónica launches Tu Me for iOS, an all-in-one communications app with searchable timeline - TNW
Telefonica launches Tu Me for iPhone with free VoIP calling and messaging - The Verge
テレフォニカ、大規模な組織再編案を発表 - 「本国」スペイン離れを加速
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