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米ネットワーク中立性問題、FCC委員長が新提案の内容修正へ

2014.05.13

Updated by WirelessWire News編集部 on May 13, 2014, 17:45 pm UTC

米国で今年はじめから続いている「ネットワーク中立性」のルールをめぐる問題で、連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)のトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長が、先月示した新たな提案の内容に手を加える見通しだという。米国時間11日に複数の媒体が報じた。

先月なかばに示された新提案のなかには、コムキャスト(Comcast)やAT&T、ベライゾン(Verizon Communications)のようなブロードバンド事業者にインターネット上の「有料高速車線」(Fast Lane、ファストレーン)を設けることを認めるとする内容が新たに盛り込まれていた。そのため、このルール変更に対しては、直接的に影響を受ける可能性が高いウェブサービス事業者をはじめとして、有力なベンチャーキャピタリストや連邦議員、消費者団体などからも批判の声が上がっている。先週にはグーグル(Google)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)、ネットフリックス(Netflix)など大小あわせて100社近いテクノロジー系企業が、FCCに対して「ネットワーク中立性」のルール維持を求める連名の書簡を公開していた。またFCC委員のなかからも、新提案の内容や採択・実施のスケジュールを疑問視する声が上がっていた。

今回、WSJやWasihington Post(WaPo)などが報じたところでは、ウィーラー委員長はISP事業者に対してファストレーンを設けることを認めるとする内容を残しつつ、同時にこの規定を濫用したISP事業者に対して罰則を課すなどとする項目が付け加えられることになりそうだという。またこの提案になかには、ファストレーンを設ける行為(「Paid Priotization」)自体を禁じるべきかどうかや、さらに一歩踏み込んでISP事業の位置づけを現在の「情報サービス」(「Information Services」)から公益事業などと同じ「通信サービス」(「Telecommunications Services」)に変更すべきかどうかについて、一般のコメントを求めるとする項目も追加されるという。

インターネット接続サービスが固定電話などと同じ「通信サービス」に位置付けられることになれば、現在のネットワーク中立性をめぐる問題の大きな部分が解決されるという見方がある。同時に、FCCが2002年にISP事業を「情報サービス」と位置付けたこと自体がそもそもコムキャストやAT&Tなどへの譲歩の結果とする指摘もある。そのため、ISP事業の「通信サービス」への変更を求める議論が活発化することになると、大手ブロードバンド事業者から強い反発が生じることも予想される。

なお、ウィーラー委員長は新ルール策定に関するスケジュールの変更は行わず、
新提案は予定通り今月15日に開かれるFCC委員の会合で検討にかけられることになるという。

【参照情報】
FCC Head to Revise Broadband-Rules Plan - WSJ
FCC chair tries to salvage net neutrality plan, promises to be strong cop in revised rules - WaPo
FCC Chairman Backtracks--a Little--on Net Neutrality Rules - Businessweek
Goodbye, Net Neutrality; Hello, Net Discrimination - The New Yorker
The Wrong Words: How The FCC Lost Net Neutrality And Could Kill The Internet - The Verge

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