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ネットがあれば政治家なんていらない

2012.10.21

Updated by Mayumi Tanimoto on October 21, 2012, 05:12 am JST

昔から、政治家が悪い、官僚が悪い、と飲み屋や床屋で政治談義に熱心な方々がおりましたが、日本の景気が悪くなったり、東日本大震災や原発事故が起きてから、どうもそのように考える人が増えている様です。自分たちに取って重要なことは自分たちで決める時が来ているのかもしれません。

インターネットがあれば不可能ではないのです。

ビョークと金融危機と捕鯨で有名なアイスランドは、インターネットを使って憲法を改正してしまいました。

アイスランドは2011年に憲法改正案を作成しましたが、改正案を書いたのは市民から選ばれた25人の普通の市民であります。FacebookやTwitterで議論が行われ、議論の様子はストリーミングで中継されました。改正案は2012年10月20日に投票され、可決の見込みです。

同じく北欧のフィンランドもインターネットを使って直接民主主義に取り組んでいます。Citizens' initiative という取り組みでは、何か新しい法律を作りたい人が、政府が運営するThe Open Ministryというサイトに法案を提出します。ハンコもサインもいりません。サイトに直接書き込めば良いのです。半年以内に5万人がサポートすれば、その法案は国会で審議されなければならない、という決まりになっています。サイトに法案を投稿する際には、銀行や携帯電話会社が提供するAPI経由で本人認証を行います。

The Open Ministryに掲載されている法案を覗いてみると、「国会議員を強制的に肉体労働させる法案」「全員一律の税率にする法案」「大麻を合法にする法案」など、真面目な物から「なんじゃこりゃ」という物まで様々です。

ちなみに、The Open Ministryのプラットフォームはオープンソースであります。(さすが Linux がうまれたフィンランドだけありますね)

イギリスにも e-petitions という仕組みがあり、政府が運営するサイトから法案を投稿し、10万人以上の署名を集めれば、国会で議論される可能性があります。可能性がある、というだけで、議論が確約されていない点はフィンランドと異なります。イギリスの場合は、「鉄道路線の見直し要求法案」や「ビール税の見直し法案」など、イギリスにしては真面目な法案が提出されています。(ただし却下された物がすでに15万件ぐらいあるので、却下された物のなかに、とんでもない提案があることは間違いありません。なにせイギリスですから。。。)

アイスランドやフィンランドは、国の規模が小さく、議論を取りまとめる手間がかからないので、インターネットを使って憲法を改正したり、法案を議論するのが可能なのかもしれません。アイスランドに至っては、国の全人口は32万人ほどですから、北区や新宿区、那覇市、程度の規模です。(ちなみに世田谷区は87万人)フィンランドは530万人ぐらいなので、ちょうど横浜市と大阪市を足したぐらいの規模になります。

日本の場合、人口20−30万人程度の地方自治体であれば、似た様なことをやってみることは可能かもしれません。Facebookを活用している佐賀県の武雄市や、Twitterを活用している茨城県のつくば市あたりに取り組んで頂けないでしょうか。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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