CeBIT(国際情報通信技術見本市)を主催するドイツメッセは、11月13日に開催したCeBIT 2013記者説明会で、CeBITとCEATEC JAPANの協力を発表し、同日、覚書への調印式を行った。
▼握手を交わす日本エレクトロニクスショー協会 理事 大山 高氏(左)とドイツメッセ株式会社CeBIT担当副社長 ラインホルト・ウミンガー氏
CEATEC JAPANを主催する日本エレクトロニクスショー協会の大山 高氏は、「CEATECは安心安全、快適な社会の実現のために多くの分野と連携しており、この提携で、社会システム構築に不可欠な情報通信技術の分野で、世界に向けた情報発信、国際ブランド化の基盤ができた」と感謝と期待を述べた。
また、ドイツメッセCebit担当副社長のラインホルト・ウミンガー氏は、欧州のICTセクターのイベントとしてはじめて日本と協力関係ができた点を挙げ、「日本企業が欧州へ、また欧州企業が日本へそれぞれ進出するための良い第一歩になったと考えている」と述べた。
なお、具体的な取組みについては、「まずは第一歩としてお互いの異なる市場から学び、どういう可能性があるかを模索していきたい」(ウミンガー氏)としており、来年のCeBITやCEATEC JAPANで共同で開催されるプログラムの有無などについては未定であるとのこと。
調印式に先立ち、ハノーバーフェアーズジャパンの盛 健一CEOは、展示会会社として最近感じるのは「展示会の責務」であるとスピーチ。「多くの日本企業が新しいビジネスモデルへの転換に苦しむなか、米国のIBMやオランダのフィリップスなど、海外一流メーカーが主力事業を捨てて新たな事業を中心としたモデルに転換した過去の苦労と実績を日本のメーカーやメディアのみなさんに見ていただきたい。日本の基幹産業がそのまま停滞することを危惧しており、世界のショーウィンドウである展示会を通じて、復活に貢献していきたい」と述べた。
CeBITは毎年3月にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催されており、次回のCeBIT 2013は3月5日~9日の4日間。2012年度は、世界70カ国から4200社を上回る出展があり、110カ国から31万2千人が来場した。2013年のパートナーカントリーはポーランドで、同国からは200社が参加する。「ICT分野ではアウトソーシングマーケットに対する需要が増えると予想されているが、ポーランドは特にその分野に強い」とウミンガー氏はコメントした。
また、カンファレンスのメインテーマには「Share Economy」をとりあげる。知識、能力、資源、コンタクトなど、さまざまなものが共有されるようになっている。シェアのプラットフォームとしてソーシャルメディアは大きな役割を果たすと同時に、企業文化、社内プロセス、ヒエラルキーにも大きな影響を与え始めている。顧客とのコミュニケーション方法も変わりつつある。「ソーシャルメディアをどのように活用すべきかについて、まさに時期を得たトピックではないかと思う」とウミンガー氏は述べた。
また、CeBITのユニークなイベントとして、会期中木曜日の夕方に広大な展示会場を走る「CeBIT RUN」が開催される。ハーフマラソンと同程度の距離を2000人が走るイベントで、毎年、参加者が一番多かった企業にはトロフィーが渡されるが、昨年は40人が参加した富士通が受賞したということだ。(動画は2011年のもの)
一時期は100社を超える日本企業が出展していたCeBITだが、昨今の不景気もありその数は減少している。「より多くの日本企業に出展していただくために、より日本市場に浸透する努力の必要を感じている」とウミンガー氏はコメントした。
【参照情報】
・The IT industry's most international trade fair - CeBIT
・セビット(ハノーバーフェアーズジャパン)
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。