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SNSの未来

2013.02.19

Updated by Mayumi Tanimoto on February 19, 2013, 08:07 am JST

先日のバレンタイン記事で、日本の外でも段々Facebookやらその他のSNSがうざくなっている人が結構いるということを書きました。

仕事は忙しいわ、家に帰れば嫁がいぼ痔が辛いとか言っているわ、気がついたら来週は町内会のドブ掃除の日だわで、ネットでなれ合ってる暇はないわけです。喪男、喪女だと、ぼっちが可視化されるのもたまりませぬわ。

結局SNSで「つながり」(うぎゃ、恥ずかしさ全開だわ)が増えたとは言っても、家族やら親戚以外で仲良くしてる人ってせいぜい5−6人じゃないでしょうか。片手で数えられる範囲。

仲良くしてるって、ばか騒ぎしたり、脱腸で辛いとか、転職失敗したとか、という痛い話をして平気な仲って意味です。お互いを盛る必要がないの。モリモリでインチキだらけのFacebook的人間関係にはあり得ないですね。

あたしが特別に友達が少ないんじゃないかと思ってたんですが(まあ、人格に難ありだから少ないのはしょうがないですが)、他の人に聞いてみても、親しくしてる人って、やっぱり5−6人なんですね。

で、そういうお互いを盛らずに済む相手と連絡取る方法って、結局はメールとか携帯のSMSとか、音声通話だったりするんですが、そういう濃い関係限定でこっそりやるSNSがあってもいいわけですね。マニアックな趣味の仲間限定のでもいいわけです。でもFacebookでやっちゃうと、「おめーなに固まってんだよ」になっちゃうし、Twitterでも気の合う人とゴソゴソ話してると、怒る人がいるんです。結局、気の合う人ってそんなに数がいないということです。

そう考えると、SNSの未来系というのは、不特定多数とワラワラやるものではなくって、少人数でコソーリと濃いコミュニケーションを取る方向になるんじゃないですかね。電話とかメールの代わりに使うという形。

京都の学生さん達が集まって作った少人数向けのCloseというSNSがあるんですが、これなんかまさに典型で、作ってるのがSNSのヘビーユーザーだった若い人。多分、結局仲良くできる人って数が限られてるなって気がついちゃったんでしょうね。

日本ではまだまだソーシャルネットでつながりました、つながって評価経済です、それで生活できちゃいます、ノマドです、という「恥ずかしい人々」がワラワラいるわけですが、日本でもマトモな若い人はちゃんとわかっているわけです。

こういう若い人を、通信系やテクノロジー系の会社など、資本もネットワークもある大手の会社がバックアップするという仕組みはなかなかいいですね。英語圏だとわりとあるんですが、日本だとあんまりないかも。日本だとKDDIさんが様々なベンチャーをバックアップしてます。こういうのが増えるのは誠に喜ばしい。

ちなみに、ユーザーが少人数限定SNSへの流れているという動きは、英語圏でも目立っております。属性の違う「知り合い」が混在するSNSで気を使って色々投稿したり、見ず知らずの他人に議論を吹っかけられたり、写真を見られちゃったりするのに疲れちゃったんですね。

例えばこのニューヨークタイムスの記事などはそれを良く表しています。SNSで職場の友達と、高齢の親戚と繋がっているけど、片方とは共有すべきではない写真やコメントもあるから困るし、気を使って疲れ果てた、という例がでてきます。また、英語圏だと、家族向けのSNSであるFamilyleaf とか、カップル限定のSNSであるcoupleが注目されています。

まあ、私も最近Twitterで勘違いしまくりの意識の高い学生さんに「人生の目標はなんですか」とか一日中聞かれて疲れて来ましたので(目標?そうね、英語公用語とか言ってる会社の倒産と、食べても絶対に太らないマヨネーズの開発)、そろそろ自分でSNSでも作りまして、「ドッケン解散秘話」「ムスティン大佐とラーズの確執」「正しいデスボイスとは」というメタル話でも語っていたいと思う次第です。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。