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六本木ヒルズに無料スタジオ「The YouTube Space Tokyo」がオープン

2013.02.18

Updated by Yuko Nonoshita on February 18, 2013, 11:57 am JST

Googleのインターネット動画サービスYouTubeは、よりクリエイティブな活動を目指す人たちにYouTubeを活用する機会を拡げてもらおうと、昨年、ユーザーが無料で利用できる「The YouTube Space」を製作すると発表。2012年7月にイギリスのロンドンに最初のスタジオ「The YouTube Space London」をオープンしたのに続き、同年11月にアメリカのロサンゼルスに「The YouTube Space LA」がオープン。そして3ヶ所目となる「The YouTube Space Tokyo」を2月15日、東京・六本木にオープンした。

オープニング記者会見では、YouTubeコンテンツオペレーションズ・グローバル統括副社長のトム・ピケット氏が挨拶を行った。

▼コンテンツオペレーションズ・グローバル統括副社長 トム・ピケット氏
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Ustream Studio やニコニコ本社など、これまでにもユーザー向けにスタジオをレンタルするインターネット動画サービスはあったが、YouTubeが提供するのはそれらとは違う、撮影機材やスタジオ設備もまるで小さなテレビ放送局ともいえる本格的な施設になっている。場所もGoogle Japan 本社が入居する森ビルの29階にあり、窓の向こうに東京タワーが見えるというロケーション。全部をあわせると535平方メートル以上となっている。

「The YouTube Space Tokyo」の責任者であるYouTubeコンテンツオペレーションズ・アジア太平洋統括部長のデービッド・マクドナルド氏は、ここがクリエイターにとってのスキルアップとコラボレーションの場になることを強調した。

▼コンテンツオペレーションズ・アジア太平洋統括部長 デービッド・マクドナルド氏
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>>本格的な機材も無償利用可能

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本格的な機材も無償利用可能

用途に合わせて使い分けができるスタジオが合計3ヶ所あり、うち2ヶ所にはコントロールルームが併設され、モニタリングやスイッチャーやミキサー設備などが用意されている。一番大きなスタジオ 1は118.6平方メートルあり、小さいセットを組んだりできるような広さがある。64.8平方メートルあるスタジオ 2はグリーンバック合成スタジオで、あらかじめ専用機材なども用意されている。それぞれのスタジオやそれ以外で使える業務用ビデオカメラが6台あり、クレーンや照明機材、プロンプターなどの本格的な機材を全て利用できる、さらに利用にあたっては、Googleの専門スタッフがサポートしてくれるため、今まで利用したことがないビギナーでも使用できる。

▼本格的なセットも組めるスタジオ1
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▼スタジオ2はグリーンバック合成専用で専用設備も全て整っている。
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その他にも、ボーカルやアテレコの収録などができるレコーディングスタジオ、Mac Proが6台並ぶ編集ルームに定員40名で記者会見会場としても使えるトレーニングルーム。さらに、楽屋やメイクルーム、ゲストルームまで用意されている。

▼ボーカルやアテレコ専用のオーディオスタジオもある。
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▼40人が入るトレーニングスペースは記者会見用としても使える。
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>>人気チャンネルを育てる場として位置付け

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さらに「The YouTube Space Tokyo」の特徴といえるのが、クリエイターたちがコラボレーションできる空間となるオープンスペースが用意されていることで、あのGoogleの代名詞でもあるミニキッチンも併設されており、それら全てが撮影スペースとして利用できるようになっている。

▼インテリアやミニキッチンなど全体的にYouTubeらしい設備になっている。
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人気チャンネルを育てる場として位置付け

利用料は全て無料だが、申し込みをするには「YouTubeパートナープログラム」の登録と、YouTubeスタッフとのスケジュールおよび撮影内容の調整が必要となる、くわしい審査基準については現時点での発表はないが、「YouTubeパートナープログラム」については専用ページ(http://www.youtube.com/yt/partners/ja/)から無料で誰でも登録することができる。「The YouTube Space」は動画撮影以外にも、Learn・Share・Createの3つをキーワードに掲げ、YouTybeサービスに関連する勉強会やセミナー、グループレッスンのほか、各種イベントなども開催していくとしており、クリエイター以外でも利用できる機会はありそうだ。

YouTubeは2012年だけでコンテンツの投稿量が3倍に伸びており、カンナムダンスのようにYouTubeをきっかけに世界でブレイクするアーティストも登場している。また、「The YouTube Space LA」を利用したユーザーの中には再生回数が10万から100万回に伸びたという例もあるそうだ。東京ではオープニングコラボレーション企画として、劇団スカッシュが機材を使用してCG合成などを初めて取り入れた映像などを製作、発表しているが、世界に向けて発信するための翻訳なども付けるなど、インターネット動画らしい作品にできたとしている。

YouTube側としては、The YouTube Spaceを人気のチャンネルを育てるための養成所として位置付け、本格的な映像制作の技術を学ぶための場として、YouTubeコンテンツ全体の底上げを図っていくとしている。利用者も幅広く受け入れ、日本全国はもちろん、それ以外のアジア圏からの利用者も対象に含まれており、今後どのような作品が製作、配信されるかが期待されている。

【関連サイト】
The YouTube Space Tokyo

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野々下 裕子(ののした・ゆうこ)

フリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」「DIME」「CNET Japan」「WIRED Japan」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。