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[2013年第11週]丸の内のポストでNFC実験、東横線渋谷駅など地下エリア化、ドコモメール延期

2013.03.18

Updated by Naohisa Iwamoto on March 18, 2013, 12:30 pm UTC

郵便ポストのNFCタグを使って情報提供、クルマの衝突防止補助システムとスマホの連携--新しいジャンルでのスマートフォンの活用に向けた施策が発表されている。一方でNTTドコモはクラウド型のメールサービス「ドコモメール」の提供延期を発表した。首都圏の鉄道では地下区間のサービスエリア化が大詰めを迎えている。東急東横線が東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始し、新しく地下区間となった渋谷駅近辺のトンネル内が開業初日からエリア化されたほか、東京メトロのエリア化も進んでいる。

新ジャンルでのサービスや製品が登場

新ジャンルでのスマートフォン利用へ道筋を付けるサービスや製品が登場している。1つはKDDI、ユーシーテクノロジ、日本郵便の3社が開始する、NFCを使った実験。「ココシル 3 丸の内ポストラリー」の名称で3月21日〜4月30日に実施する。NFC(ucodeNFC)タグを丸の内エリアの郵便ポストに取り付け、NFC対応スマートフォンでタッチするもの。アプリケーションとしては、ポストの近隣の商業施設、最寄り駅、バス停、公共施設などの「情報発信」と、郵便ポストを巡ってスタンプを集めることで懸賞に応募できる「スタンプラリー」を提供する(関連記事:郵便ポストに取り付けたNFCタグで情報提供やスタンプラリー、KDDIなど3社が実験)。

スマートフォンを自動車の安全運転と結びつける製品も登場する。アイモバイルは、自動車の衝突防止を補助するシステム「Mobileye(モービルアイ)」の新版「Mobileye-560」(モービルアイ)を2013年6月から出荷する。新版では、スマートフォンとBluetoothを介して連携する機能が加わり、警告情報のログを管理できるようになった。Mobileyeは、自動車のフロントウィンドウに取り付けたカメラの映像を解析し、他の自動車や二輪車、歩行者、車線を検知することで衝突事故を未然に防ぐ警告を発する後付式のシステム(関連記事:クルマの衝突防止補助システム「Mobileye」の新版、スマホ連携で警告ログを管理)。

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外国から観光客に日本をアピール。ゼンリンデータコムは、英語版のAndroid向けアプリ「Photo Japan Guide」の提供を開始したと。訪日した観光客などを対象にし、全国の観光スポットやグルメ情報などを英語で紹介する観光案内アプリである。Photo Japan Guideは、NTTドコモが提供する地図・ナビゲーションサービスの「ドコモ地図ナビ」の英語版に相当し、日本全国の観光スポットの写真や施設情報など1万5000件をすべて英語で紹介する(関連記事:ゼンリンデータコム、訪日観光客向けの英語版「ご当地ガイド」アプリを提供)。

一方、新サービスの延期のニュースも飛び込んできた。NTTドコモは、2013年3月に予定していた「ドコモメール」の提供を延期する。ドコモメールは、現行のspモードメールサーバーの代わりに、クラウドメールサーバーを用意して、サーバー側にメールを保持するクラウド型のメールサービス。機種変更やマルチデバイスへの対応がスムーズに行える。2012年冬モデルの発表時に紹介されていたが、「サービス品質のさらなる強化を行うため、提供開始時期を変更」(NTTドコモ)する。開始時期は未定で、改めて通知するという(報道発表資料:ドコモメールの提供開始時期を変更)。

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首都圏の地下のエリア化がさらに進展

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの4社は、既に一部区間でサービスを提供している東京メトロ千代田線および半蔵門線で携帯電話サービスのエリアを拡大した。千代田線(湯島駅〜二重橋前駅)と半蔵門線(渋谷駅〜永田町駅)で、このエリアの拡大で千代田線、半蔵門線は全区間でサービスが利用できるようになった。東京メトロでは2012年度内に全線のエリア化を目指している。エリア化されていないのは、銀座線(神田駅〜浅草駅)、丸ノ内線(新宿三丁目駅〜新中野駅、中野坂上〜中野新橋駅)、有楽町線(要町駅〜和光市駅)、南北線(市ヶ谷駅〜目黒駅)、副都心線(千川駅〜和光市駅)の区間だけとなった(報道発表資料:東京メトロ一部路線における携帯電話のサービスエリア拡大について)。

渋谷駅で東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が始まったことに伴い、携帯電話などのサービスエリアも対応が進んだ。東急東横線の渋谷駅が地下駅になったため、ほとんどが地下区間となった「渋谷駅〜中目黒駅」駅間トンネル内において、携帯電話サービスの提供を開始した(報道発表資料:東急東横線「渋谷駅〜中目黒駅」駅間トンネル内で携帯電話サービスを提供開始)。

東横線の横浜側で相互直通運転をしている横浜高速鉄道「みなとみらい線」でもWi-Fiサービスのエリア化が始まった。NTTドコモの「docomo Wi-Fi」、KDDIの「au Wi-Fi SPOT」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの「Wi2」の各サービスで、3月16日から横浜駅、みなとみらい駅、元町・中華街駅で、4月中に新高島駅、馬車道駅、日本大通り駅でサービスを開始する。みなとみらい線では携帯電話サービスの提供が2012年12月18日に始まっており、携帯電話とWi-Fiの両サービスが利用可能になる(発表資料:新規サービスエリア情報(NTTドコモ)、みなとみらい線全駅で快適インターネット(KDDI)、みなとみらい線全駅の構内で「ソフトバンクWi-Fiスポット」を提供(ソフトバンクモバイル)、Wi2 300、みなとみらい線全駅でサービス開始(ワイヤ・アンド・ワイヤレス))

また、UQコミュニケーションズもみなとみらい線でWiMAXサービスの提供を開始した。こちらは、3月16日から横浜駅〜元町・中華街駅の全6駅でサービスを提供している(報道発表資料:みなとみらい線で高速インターネット通信サービスを開始)。

交通機関への取り組み|UQ WiMAX
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通信事業者向けの施策なども発表

このほかのトピックを紹介する。NECは、KDDIから運用業務支援システムを受注したと発表した。NECの子会社である米ネットクラッカーのソリューションを活用したもので、通信設備の最適化などを可能にする。KDDIに提供するのは、ネットクラッカーの通信運用システム「TOMS」(Telecom Operations and Management Solution)の一部の機能。従来はそれぞれ個別に管理されていた、局舎、フロアー、ラック、ネットワーク装置、ケーブル、電源などの"物理設備"と、波長管理、ユーザ回線などの"論理設備"の間で連携を深め、通信設備の最適化と、設計・建設・管理業務の効率化に貢献するとしている(関連記事:NEC、KDDIに運用業務支援システムを提供、子会社の米ネットクラッカー製)。

エリア整備に大きな貢献が期待。アンリツは、2.1GHzと1.5GHzで運用されるFDD LTEサービスで、基地局エリアの無線品質を測定するハンディ型のエリア計測器「ハンディエリアテスタ ML8761A 」を提供する。LTEエリアの広がりとともに、狭い場所やスポーツ施設、公園、ビル内や地下街などでのエリア計測が重視され、これまでの電測車を使った計測では対応が困難になっていた。新製品は700g以下と小型で、電池で動作するため、さまざまな場所で歩行測定が可能になる(報道発表資料:ハンディエリアテスタ ML8761A の販売を開始)。

ハンディエリアテスタ ML8761A - アンリツ
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「BYOD」の実態は? MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は、「職場での私用スマートフォンの利用実態調査」の結果を公表した。それによると、私用スマートフォンの業務利用で効果を感じている人は回答者の73.5%に上った。効果の内容は「仕事の効率、スピードが上がった」が43.0%でトップだった(関連記事:私用スマホの業務利用に効果を感じる人は73.5%--MMD研究所)。

昨年の第11週のできごと

・移動電話の出荷は好調、ドコモ6000万契約
・アプリビジネスでマネタイズは難しい
・au Wi-Fi SPOT拡充、iPhone向けアプリも提供
・らでぃっしゅぼーやがドコモ子会社、ワンストップのM2M

[2012年第11週]新iPadやイーモバLTEが発進、端末出荷は好調、アプリは儲からない?

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。