[2013年第22週]auの4G LTEで相次ぐトラブル、ソフトバンクがSNSや連絡先を一括管理できるアプリ提供
2013.06.03
Updated by WirelessWire News編集部 on June 3, 2013, 11:30 am JST
2013.06.03
Updated by WirelessWire News編集部 on June 3, 2013, 11:30 am JST
KDDIのau携帯電話に相次いでトラブルが発生した。4G LTEのデータ通信が利用できなくなるというもので、2日連続で利用者に影響が及んだ。ソフトバンクモバイルは、SNSとスマートフォンの連絡先、メッセージをまとめて管理できるアプリ「スマート電話帳」の提供を開始、イオンリテールはNECビッグローブの「ほぼスマホ」を店頭販売すると発表している。
KDDIは2013年5月29日、午前5時20分から関東地方の一部地域で、au携帯電話の「4G LTE」のデータ通信サービスにトラブルが発生していると報告した。影響が及んでいるエリアは東京都、神奈川県、山梨県の各都県の一部で、最大56万人に影響があった。音声通話や、3Gネットワークを利用したEメールやインターネット接続サービスには直接の影響はないが、利用の集中によりEメールやインターネット接続がしづらい状況になった。KDDIは、翌5月30日朝、このトラブルが29日 23時13分に復旧したことを発表した。5月30日午前9時現在サービスは安定して利用できるとのこと。原因はLTE基地局制御装置の故障(関連記事:KDDI、東京、神奈川、山梨の一部で4G LTEのデータ通信にトラブル発生【復旧済み】)。
トラブルから復旧したと思ったつかの間、KDDIは2013年5月30日の13時04分から関東地方の一部地域で、au携帯電話の「4G LTE」のデータ通信サービスにトラブルが発生していると報告した。トラブルが発生しているのは4G LTE対応機種のデータ通信サービス。影響が及んでいるエリアは東京都、神奈川県、山梨県の各都県の一部と前日のトラブルのエリアとかぶる。前日よりも影響する利用者数は多く、最大64万人に影響があると発表した。KDDIは、5月30日の23時50分にサービスが復旧し、すべてのエリアで4G LTEデータ通信サービスが利用できるようになったと報告した。原因は設備故障だという(関連記事:au 4G LTE、連日のデータ通信障害)。
KDDIでは4月にもiPhoneのEメールや4G LTEでトラブルが続けて発生したばかり。広告などのエリア誤記により消費者庁から措置命令も受け、社長以下が報酬の一部を返上する事態に陥っていた。
この週には、顧客情報流出の報道もあった。エクスコムグローバルは、同社が運営する海外用モバイルデータ通信サービス「GLOBALDATA」と海外用携帯電話レンタルサービス「Global Cellular」のウェブサーバーに外部から不正アクセスがあり、10万9千件余のクレジットカード情報を含む顧客情報の流出があったと5月27日に発表している。同社は「イモトのWiFi」のキャッチコピーで、海外渡航者向けにモバイルWi-Fiルーターなどのレンタルサービスを提供している(関連記事:エクスコムグローバル社のウェブサーバーから10万件以上の顧客クレジットカード情報が流出)。
===
この週に発表された新しいサービスなどを見ていこう。ソフトバンクモバイルは、SNSとスマートフォンの連絡先、メッセージをまとめて管理できるアプリ「スマート電話帳」を提供開始した。スマートフォン、Facebook、Twitterに登録している友人・知り合いなどと連絡する際に、それぞれのアプリを使い分けずにスマート電話帳だけでメッセージや電話ができる。また、連絡頻度の高い人が自動的にメイン画面に表示されるインタフェースも採用した。月額利用料は無料(報道発表資料:SNSとスマートフォンの連絡先・メッセージをまとめて管理!「スマート電話帳」を提供開始)。
スマートフォンの購入の仕方が幅広くなりそうだ。イオンリテールとNECビッグローブ(BIGLOBE)は、BIGLOBEが提供するAndroid端末とLTE通信サービスのセット「ほぼスマホ」などを総合スーパーのイオンリテールで販売を開始した。まず本州、四国の200店舗で提供し、全国の店舗に順次拡大する。今回、イオンリテールの店舗では、スマートフォンとSIMのセットである「ほぼスマホ」と、NECアクセステクニカのモバイルルーター新製品「Aterm MR02LN」とSIMのセットを提供する(関連記事:イオン、BIGLOBEの「ほぼスマホ」とNECの最新モバイルルーターを発売)。
▼「ほぼスマホ」と最新モバイルルータ「Aterm MR02LN」
旅行をスマートフォンでトータルサポート。NTTドコモとJTBは、新しい旅行サービスの共同提供に向けた検討について基本合意したと発表した。スマートフォンを活用して、モバイルの特性を生かした新しい「旅行の総合サポートサービス」の提供を目指す。新しい旅行サービスは、旅行前の旅行計画から商品購入、旅行中の情報提供やナビゲーションなどまで、ユーザーの旅行を一括してサポートする。新サービスは、2013年度下期に、ドコモの「dマーケット」で提供する予定だ(関連記事:ドコモとJTBが旅行サービスに向け提携、旅行前から旅行中まで総合サポート)。
===
▼コグニティブ無線ルータを用いて、災害時にも被災地から迅速に一般加入者電話との音声通話を可能にする無線ネットワークシステム
この週のその他のトピックを紹介する。情報通信研究機構(NICT)は、無線ルーター同士が自律的に通信経路を設定して通信網を構築できる「メッシュ接続対応 コグニティブ無線ルータ」を開発したと発表した。複数の無線ルーターがメッシュ接続してネットワークを自動的に構成するため、被災地などで既存の通信網が利用できない状況でも広域な通信エリアを確保できる。メッシュ接続と端末の接続にはIEEE802.11a/b/g/nの無線LANを、コグニティブ無線によるネット接続にはLTE、HSPA、WiMAXの各商用ネットワークを使う(関連記事:NICT、被災地の通信確保に役立つメッシュ接続型の無線ルーターを開発)。
モバイルデータ通信はドコモが満足度でリード。日経BPコンサルティングは、モバイルデータ通信端末のユーザー調査の結果、総合満足度はNTTドコモが5年連続で1位だったと発表した。ドコモは総合満足度に加え、個別の調査項目10項目のうち5項目で1位となった。総合満足度の2位には僅差でKDDIが続いた。以下、イー・アクセス、UQコミュニケーションズ、ウィルコム、ソフトバンクモバイルの順となった(関連記事:モバイルデータ通信端末の満足度はドコモが5年連続トップ--日経BPコンサルティング)。
ソフトバンクは同社のスプリント買収について、2013年5月28日(米国東部時間)、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)から、同委員会による調査が完了し、未解決の国家安全保障上の問題はないと通知をうけたことを発表した。スプリント買収への手続きが一歩前進した(関連記事:ソフトバンクの米スプリント買収について、対米外国投資委員会が承認)。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら