イギリスの王室に王子様がお生まれになりました。
学校は今週から休みの所が多く、あちらこちらで夏フェスをやっているイギリスでは先週ぐらいから2−3週間の夏休みに入る人が多く(3日とか5日とかではありません。2−3週間連続で取るのですよ)、携帯は電波が途切れ、テレビは再放送ばかりになり、道路も電車も閑散としています。
シリアやエジプト以外にはそれといったニュースがないため、テレビもネットも王子様ニュースが満載です。
王室ニュースにうんざりした読者のために、ガーディアン紙は自社のサイトに「共和主義者ボタン」(レパブリカン)なるものをつけました。このボタンをびこっと押すと王室ニュースが全部ミュートされます。
いやあ、凄いですね。日本でやったらどんなことになるでしょうか。王室ニュースを読みたい場合は「王室主義者」(ロイヤリスト)ボタンを押します。
ボタンが超気に入ったわ!と喜んでいる皆さん
Loving The Guardian's republican button.
— Mariza (@cettefemme) July 23, 2013
At the other end of the scale from the Guardian republican button, the Telegraph has bunting. No, really. pic.twitter.com/LaLngCEUAn
— Jonathan Haynes (@JonathanHaynes) July 23, 2013
Simply brilliant from @guardian - click 'Republican' button to turn off all #RoyalBaby news: http://t.co/OdYcRcViuB
— Gav Gordon-Rogers (@gavrog) July 23, 2013
Like the 'Republican' button on the Guardian's home page., I wish there was a 'just the sensible stuff' button for Business Insider
— Benedict Evans (@BenedictEvans) July 23, 2013
Amazed by quite how much news coverage there is of the Guardian's republican button http://t.co/dufiGdWRqk
— Jonathan Haynes (@JonathanHaynes) July 23, 2013
Loving the 'republican' button on the Guardian newspaper web site. Filter out any royal stories - if there are any. http://t.co/R8Fb6DYl03
— emma quinn (@emmaquinn) July 23, 2013
さて、この「共和主義者」(レパブリカン)と「王室派」(ロイヤリスト)とはなんぞや、であります。難しい歴史の話は抜きにしますが、基本的に「共和主義者」(レパブリカン)は「王室いらん。税金の無駄。君主は選挙で選ぼうぜ」で、「王室派」(ロイヤリスト)は「あたし王室Love&レスペクト。 王室がないイギリスなんて考えられないわw」であります。
「共和主義者は王室報道に偏りすぎのBBCをボイコットすべきじゃねーの」と怒っている方。共和主義者の典型的なコメントです。
Everyone with a Republican view should boycott the BBC due to its sycophantic pro-Royal bias.
— Nigel Watson (@NigelWatson4) July 23, 2013
「王室なんぞいらん!!」といってしまって不敬罪にならないのか、と思う方がいるかもしれませんが、イギリスでは平和的な手段で共和主義を主張することは全くの合法であります。
代表的な共和主義者は自殺とか死にたいとか一年中歌っているイギリスの歌手のモリッシー先生で、年中「王族は最低最悪な奴ら」「女王は独裁者」「あんなものいらない」「意味がない」「王族が身につけている£6000もするドレスは人類に対する侮辱」というエッジのきいたコメントを繰り返しておられます。つまり表現の自由があるイギリスではこの程度の発言では刺されたり暗闇で殴られたりすることはないということです。
ちなみに、風刺記事で有名なイギリスのPrivate Eyeの本日のトップページは「あの女に子供が産まれた」でありました。
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