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おっさんが夢を叶える方法

2013.08.29

Updated by Mayumi Tanimoto on August 29, 2013, 04:01 am JST

クラウドファンディンが相変わらず大盛況ですが、起業したいとか、世界制覇するために何か作りたいとか、世界平和を願う、という人ばかりが使っているわけではありません。ミッドライフクライシスを乗り越えるために使うオッサンもいるのです。

アメリカに住んでいるスティーブさんとカイルさんは、80年代にはグリグリの長髪に、ピッチピッチのスパンデックスで「ファイヤー、ドラゴン、ラブ!」と歌うメタルバンドをやっておりましたが、紆余曲折あり、プロになることを諦めて、普通の中年のオッサンになりました。

すっかりフクヨカになり、ミュージシャンというよりもプロデューサーという見た目になった二人ですが、「ああ当時プロになっていればな」という夢を諦めきれません。ミッドライフクライシスで悶々としていた二人は、なんとバンドを再結成し、有名バンドの前座として演奏させてもらうことを思いつきます。

二人の活動はクラウドファンディングで資金を集めながら制作しているHair I Go Againという映画にまとまる予定ですが、コネも何もないのに超有名ミュージシャンに押し掛けて一緒に飲んでしまったり、無理矢理前座にしてくれと頼み込んでしまうというシーンが山盛りです。メタル界の電波少年状態ですね。

このプロジェクトの面白い所は、hairmetal101 などのネットラジオで宣伝を流している所です。実はワタクシもiPhoneでこの局を聞いていてプロジェクトのことを知ったわけでですが、その辺のオッサンがやっている「お楽しみの活動」がラジオで宣伝を流すことができて、世界中のメタラーからお金が集まる、そしてやる人も見る人もハッピーという、なんだか凄いことが簡単にできる様になってしまったんだなあと感慨深い物がありました。

アメリカとかイギリスだと、こういう風に趣味の延長の様な感じで「へい、ちょっとやってみようぜ!」とクラウドファンディングでお金を集めて、実名を出して、色々宣伝しまくってゴニョゴニョ色々やる人が結構おります。

イギリスだといきなり銀行辞めてビールの醸造始めるとか、学校の先生だったのに屋台引いてますとか、公務員辞めて音楽スタジオやってますという人がいたりします。お金借りるのが面倒だからクラウドファンディングでやるわ、と大変軽いノリです。あんまり後先考えない感じです。

でも周囲はだからどうだと何か言うわけでもなく「あら、面白いんじゃない」と前向きです。暗そうなのに前向きです。

それでもって、ちょっと変わった活動だと「へい、ゆーはなかなか面白いな。はっはっは。ちょっと出てくれよ」と新聞とかラジオに出てしまって、お客さんも付いてしまって、元々趣味だったのに大成功しちゃったりする人がいるわけですが、日本だと会社員やっているオッサンがこういうライトなノリで何かやってしまうことはあまりありませんね。非匿名掲示板などで叩かれたり、自分のいない飲み会で文句言われるのが怖いですからね。

こういうノリの違いが、日本がドンヨリしている理由の一つかもしれませんねえ。

現在のスティーブさんとカイルさん

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25年前のスティーブさんとカイルさん

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。