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HTC、さらなる業績悪化の見通し - 中国メーカーとの合併の可能性も浮上

2013.08.01

Updated by WirelessWire News編集部 on August 1, 2013, 09:36 am JST

台湾のスマートフォンメーカー、HTCが現地時間30日、2013年第3四半期(7−9月期)の業績見通しを明らかにし、売上が前年同期比で最大30%減少しそうなことなどが伝えられたことから、「残された打開策は中国メーカーとの合併」とする見方がアナリストの間などで浮上しているという。


[Will HTC Merge With a Chinese Tech Giant? - WSJ]

まず、HTCの発表によると、7−9月の売上高は最大600億台湾ドル(約20億ドル)と、前年同期の702億台湾ドルからさらに減少する見込みで、そうなった場合8四半期連続のマイナスになるという。なお、Bloombergが集計したアナリスト21人の予想平均は727億台湾ドル。

また、同社は7−9月期の営業利益率が0%からマイナス8%の範囲になるとの見通しを明らかにしたが、Bloombergによると営業利益率がマイナスなるのは2008年以来初めてのことだという。粗利益率は18%から20%程度になるとの見通しで、これもBloombergが集計したアナリスト予想23.7%を下回る。

同社が今月5日に発表した4−6月期の純利益は83%減の12億5000台湾ドル、売上高は22%減の707億台湾ドルだった。調査会社ガートナー(Gartner)の調べによると、4−6月期の市場シェアは2.5%で、ピーク時(2011年第3四半期)の10.3%から大きく減少している。

HTCが4−6月期にリリースした「HTC One」は、事前に高い評価を集めており、発売から50日で約500万台を売上げたと伝えられていたが、6月に入ると販売台数は5月に比べて24%減少するなど、勢いを失っていた。

こうした流れを受けて、JPモルガン(JPMorgan)のアナリストはWSJのDigitsブログに対し、「HTCはすでに黒字が出せない状況にある。そのため合併や他の方法を通じて資金注入を行う必要がある」とし、「ファーウェイ(Huawei)のような企業との合併というのは(この問題の)解決策となり得る」と述べている。また同ブログ記事には、ファーウェイ以外に、レノボ(Lenovo)との合併もあり得ると記されている。

ただし、台湾企業と中国企業との合併は政治的な要因も大いに絡んで来ることから、財務面だけをみれば理にかなったと思われる合併という選択肢も、実現しようとなると簡単にはいかなそうだなどとする指摘もある。

【参照情報】
HTC May Need to Consider Merger - WSJ
HTC warns of third-quarter revenue slide, turnaround prospects bleak - Reuters
HTC Forecasts Eighth Consecutive Quarter of Sales Decline - Bloomberg

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