パリ郊外の自動車工場が建ち並ぶ街に滞在しております。フランスというと、なんとなく英語が通じなさそうな感じですが、最近では、郊外や地方のお店でも会社でもかなり英語が通じます。若い人は英語を一生懸命やっている人もおり、カフェでお茶をすすっておりますと、やたらとフレンドリーなアニヲタ系の若い人に英語で話しかけられることもあります。

ちなみに欧州で最も人気がある「外国語」は英語であります（イギリスでは外国語ではありませんが）Eurostatの調査対象の28カ国では83％が初等教育で英語を学び、中等教育ではなんと93％が英語を学んでいます。

さて、そんなフランスでありますが、フランス人も英語には相当頭を悩ましている様です。Eurostatが最近発表した調査では、欧州においてはフランス人はイタリア人に次いで英語に自信がない、ということがわかりました。ちなみに、フランスの1to1Englishが実施した調査では、英語が流暢なフランスの管理職は16％しかおらず、30代以上の人の多くは英語でかなり苦労している様です。

語学学校のディレクターであるDavid Stenning氏は、フランス人は間違えることを恐れるあまり、自信をなくしてしまう人が多い。それは間違いを指摘することに熱心で、生徒の自信をなくすことが少なくないフランスの教育システムにも原因がある」と述べています。

うーん、なんだか日本に似ておりますね。

確かに、フランスを含め、イタリアやスペインなどの欧州ラテン諸国では、北欧州に比べて、泣きたくなるほど英語が通じないのは事実であります。イタリアの場合、年配者だとワンツーすら通じません。ラテン語圏は言語構造が違うから英語を学ぶのが大変なんだ、という方もおられるわけですが、ワタクシは個人的には、Stenning氏が指摘する様に「恥を恐れる」が大きい気がするのですよ。

つまり、人の目を気にするかどうか、ですね。

例えば、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、だと、服とか髪型とか化粧を気にします。だから美男美女が多いです。ぱっとみて。北欧州に比べて明らかに多い。料理の盛りつけが命です。イギリスみたいな嘔吐みたいなごった煮出しません。

カッコイイ車、カッコイイバイクにお金かけます。ブランド品、実は割と好きです。グッチの時計してると気がつくのはフランス人やスペイン人やイタリア人。見てるんです。イギリス人やドイツ人、気がつきません。（金持ちでもそんな物知らなかったりする）

イタリアなんかバッタ物ブランド品買ってる人おります。毛皮着てスーパーに行くおばさまが珍しくありません。金がなくても服には金かけます。

でも家の中には金かけません。ラテン圏は見える所に金かけます。つまり見栄っ張りです。

つまり、見栄っ張り＝間違えると俺は格好よくない＝英語はあまりうまくないかも＝使うの辞めよう＝俺あんまり英語できない＝やばいどうしよう＝でも間違えると格好悪い　（以下無限ループ）

という構造があるわけです。

ちなみにドイツ人の場合、英語が微妙だろうが発音があれだろうが、プロジェクトなんかで機関銃状態でまくしたてる方が結構おります。

「この作業は一体ワタシは何を担当するか、あなたはいつ終わるか、なぜあなたは失敗したか、失敗した理由はなにか、なぜあなたは能力がないか、なぜ間違えたか、なぜ間違えたのを公開しないか、あなたはとても無能、これはワタシの責任ではない、ワタシの責任ではない、ワタシの責任ではない、ワタシの責任ではない、ワタシの責任ではない、ワタシの責任ではない、ワタシの責任ではない、ナインナインナインナインナイン」

という感じです。ああ、この自己中さと、周囲を気にしないマインドがあるから、あのゲルマンエンジニアはいつもあの怪しい服を着ているのかと思った次第です。効率は、官能的な服、美しい盛りつけの料理、情感たっぷりの詩、感情をかきむしる絵とは共存しないのです。

ちなみに日本人はどっちに似てるかというと、ラテンな人々です。だから英語がうまくならないというか、通じないのです。