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ウルドゥー語に対応したデュアルSIM携帯電話「Nokia 114」

2013.12.05

Updated by Hitoshi Sato on December 5, 2013, 08:09 am UTC

2013年9月、Nokiaは同社として初となるウルドゥー語に対応したフィーチャーフォン「Nokia 114」の販売を開始したとNokiaインドが発表した。Nokia114自体は2,579ルピー(約4,000円)で、いわゆるNokiaエントリーレベルの100番シリーズである(カメラが搭載されているから、エントリーレベルの中ではミドルに近い)。

▼Nokia114
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ウルドゥー語はパキスタンの公用語でもあり、母語にしている人が約6,500万で第二言語も含めると1億500万の話者がいる。Nokiaではインドにおいて以下のローカル言語に対応した端末を既に2008年から販売している。Androidのスマートフォンでは多言語に対応することは難しいことではないが、フィーチャーフォンでは開発や試験にそれなりの労力を要することになるから、どこのメーカーでも対応ができるというものではない。多くのインド人、パキスタン人は英語の利用が可能であるから携帯電話でのSMSも英語で送受信していることが多いが、Nokiaの端末であればローカル言語で対応することが出来るため、利用者の裾野も広がるだろう。

▼インドにおいてNokiaがサポートしているローカル言語と話者数
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(公開情報を元に筆者作成)

「Nokai114」の特徴として1台の端末で2枚のSIMカードを挿入して利用できるいわゆるデュアルSIM対応端末である。だが最近の新興国ではこのようなデュアルSIM対応の端末は、フィーチャーフォンであれスマートフォンであれ、もはや珍しくなくなってきている。Nokia114ではケースや電池を外したりしないでSIMカードの抜き差しができるのが特徴である。つまり、SIMカードの交代のたびに電源を切る必要がない。

さらに「Nokia114」では、異なる5つのSIMカードを端末側で記憶しておくことができる。日本では馴染みがないが、インドのような新興国ではプリペイドが主流であり、1人で複数のプリペイドのSIMカードを保有し、しょっちゅう抜き差しをしながら使っている。SIMカードのキャンペーンを行っていることも多い。「10通までSMS(ショートメッセージ)が無料」や「100ルピー分の通話料がついている」などのキャンペーン(販促活動)である。そのようなSIMカードを購入し、例えば10通分SMSを送信してしまったら、そのSIMは使わないで次のSIMを購入するといった利用パターンである。そのためデュアルSIM対応の携帯電話は非常に重宝する。そしてそのデュアルSIM対応の端末でさらに電池パックやカバーケースを外さずに利用できるというのは使い勝手は向上している。日本人には想像し難いかもしれないが、現地のニーズにマッチした端末の作りである。

Nokiaの携帯電話事業は2013年9月にマイクロソフトが買収することを発表した。マイクロソフトになっても、このようなローカルのニーズにマッチした言語対応、端末開発を推進してもらいたいものである。まだまだこのようなフィーチャーフォンの端末はインドだけでなく多くの新興国で需要がある。

▼「Nokia114」を発表するNokiaインド
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【参考動画】

【参照情報】
Nokia 114 gets Urdu language support

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。