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「T-モバイルを買いたい」 - ソフトバンク孫氏、スプリントによる買収で正式に名乗り

2014.03.11

Updated by WirelessWire News編集部 on March 11, 2014, 15:02 pm JST

米携帯通信市場4位のT-モバイル(T-Mobile USA)買収を目指しているとされる同3位のスプリント(Sprint)だが、同社の会長を務めるソフトバンクの孫正義CEOが米国時間10日、T-モバイル買収への関心を正式に認めたとする話をWSJやBloombergが報じている。

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[Masayoshi Son, CEO of SoftBank Corporation on buying T-Mobile]

孫氏は、著名ジャーナリストのチャーリー・ローズ(Charlie Rose)氏とのインタビューのなかで、「T-モバイル買収を実現させたい」と発言。また、T-モバイルとは正式な合意には至っておらず、今後手順や詳細な点を詰めていく必要があるなどと語ったという。

いっぽうBloombergでは、孫氏がスプリントによるTーモバイル買収が実現した暁には、顧客獲得のために料金を引き下げ、市場シェア獲得を優先させる考えなどを述べたとしている。さらにベライゾン(Verizon)、AT&Tとの競争になることについて、同氏が「重量級選手による三つ巴の戦い。本当の戦いができれば、自分はさらに大型の価格戦争やテクノロジー戦争をやる」などと述べたと伝えている。

またBloombergの別の記事では、孫氏が米国時間11日にワシントンの商工会議所(Chamber of Commerce)で行う予定の講演について、同氏が投資家や政策立案者などの出席者に対して、スプリントによるT-モバイル買収の必要性を直接アピールすることはせず、代わりにT-モバイルを合併したスプリントがケーブルテレビ事業者と競合する存在になれる点などを訴えていくと伝えている。米国では先ごろ、ケーブルテレビ市場第1位のコムキャスト(Comcast)が第2位のタイムワーナー・ケーブル(Time Warner Cable)を買収する計画を明らかにして、大きな波紋を呼んでいた。

スプリントによるT-モバイル買収の可能性に対しては、携帯通信市場の寡占化を懸念する米連邦通信委員会(FCC)や司法省(DOJ)がいずれも消極的な姿勢を示していると伝えられてきた。孫氏としては、議論の枠組みを携帯通信市場から固定線も含むブロードバンド市場全体に拡げることで、市場競争の低下を懸念する反対派の声を乗り切りたい考えとみられる。

なお、この話題に関連して、T-モバイルのブラクストン・カーター(Braxton Carter)CFOが先週、米携帯通信市場でのさらなる買収・合併を「避けられないもの」とする見方を明きらかにしたことがReutersなどで伝えられている。カーター氏は、こういった買収について「起こるかどうかではなく、その時期がいつになるかという問題」とし、「政府が競争環境を維持したければ、AT&Tやベライゾン(Verizon Wireless)が周波数帯オークションを支配する状況を避けなければならない」と語ったという。


[Softbank President Heads to Washington - Bloomberg TV]

【参照情報】
Sprint Chairman Says He Wants to Buy T-Mobile - WSJ
SoftBank's Son Vows 'Price War' If T-Mobile Deal Approved - Bloomberg
Softbank Said to Ready Broadband Pitch Amid Merger Doubt - Bloomberg
T-Mobile US CFO says industry consolidation is inevitable - Reuters

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