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初の「ペーパーレスサミット」とコスト意識

2014.03.26

Updated by Hitoshi Sato on 3月 26, 2014, 17:55 pm JST

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Image: Intel Free Press (CC-BY-SA)

2014年3月25日のロイターに「オランダの核サミット、アプリ活用で初のペーパーレス化」という記事が出ていた。これだけスマートフォンやタブレットが普及したが、サミットでのペーパーレスは初めてのようである。短い記事なので下記に引用しておく。

(ここから。下線筆者)

「オランダの核サミット、アプリ活用で初のペーパーレス化」
(2014年3月25日 ロイター)

[ハーグ 24日 ロイター] -オランダのハーグで24日、核安全保障サミットが開幕したが、同会議は大量の紙の資料を配布する代わりに、スマートフォン(多機能携帯電話)のアプリを活用する初の「ペーパーレスサミット」だ。

インターネット上のほか、グーグルのアンドロイドとアップルのiOS向けに用意されたアプリでは、スケジュールの更新やサミット会場の地図などの情報が提供されている。

オランダ政府によると、アプリ制作のきっかけは、2年前にソウルで開かれた前回サミットの直前にオランダ首相の欠席が決まり、韓国側がブログラム1万5000部を刷り直したことだという。

ただ、このアプリはすべての国の代表団から歓迎されているわけではなさそうで、ある出席者は、提供されるアプリに「ブラックベリー版がない」と不満の声を漏らしていた。

(ここまで)

核サミットでは初となるスマートフォンのアプリを活用した「ペーパーレスサミット」だそうだ。前回のサミットで直前の欠席通知で、紙のプログラムを大量に刷り直したことが要因とのことである。

インターネットが登場したころ、メールやらサイトをわざわざ印刷して読んでいる人がいて、驚いたものである。どうしてPC画面上で読めばいいものを、わざわざ紙に印刷しているのだろう、と怪訝に思ったこともあった。そして何より地球環境にやさしくない。今ではそういう人は減少したのではないかと思う。

今でも官民学の国際会議などでは「紙ベース」で資料が大量に配布されることが多い。資源の無駄だな、と感じることも多い。どうしても印刷して「紙」で配布、保存しておかなくてはならないもの以外は、全てタブレットかスマートフォンのアプリで十分であろう。

なんでもかんでも印刷して紙で読む必要はない。印刷は無料ではない。1枚いくらとお金がかかっている。もっと「コスト意識」と「環境意識」を持って「本当にこの印刷は必要なのか?」と印刷前に考えてみてはいかがだろうか。

ブラックベリー版がないという不満があったようだが、これもブラックベリー向け開発コスト削減で開発を見送ったのであろう。スマートフォンOSの市場シェアでAndroid、iOSで90%以上なのであるから、それらのOS向けに開発リソースを投入するのは当然のことであろう。ブラックベリー版がないと言って不満の声をあげるのも、「紙でないのか?」と不満の声を上げるのと同じではないか。

【参照情報】
「オランダの核サミット、アプリ活用で初のペーパーレス化」(ロイター)

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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