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[2014年第15週]ドコモがかけ放題の新料金、スマホの安全をどう守る? ビジネスでもLINE利用

2014.04.15

Updated by Naohisa Iwamoto on April 15, 2014, 12:00 pm JST

この週、大きな話題となったのが、NTTドコモの新料金体系だ。通話をかけ放題にする代わりに、パケット通信料に従量課金的な側面を持つ料金体系となる。家族間でパケットをシェアできたり、長期利用者への優遇がある点も含めて、これまでの回線交換ベースの考え方から一転した新体系を提案してきた。MVNOも通話機能付きのSIMに本腰を入れて、低コストで使えるスマートフォンの選択肢が広がりそうだ。スマートフォンのセキュリティー関連のニュースが多かったのもこの週のトピックと言える。

ドコモ新料金体系、MVNOの存在感も高まる

まず、NTTドコモの新料金体系から確認していこう。NTTドコモは、時間および通話先に制約のない音声定額と複数回線でパケット使用料をシェアできる「パケットパック」をセットにした新料金体系「カケホーダイ&パケあえる」を発表した。5月15日から予約受付を開始し、6月1日からサービスを開始する。

従来の料金プランは回線ごとに基本料金+通話料+パケット通信料という形になっていたが、新料金プランでは基本プラン内にかけ放題の通話料を含む。25才以下の場合は「U25応援割」として、基本料金から500円を割り引く。パケット通信料については、「パケットパック」として提供し、最大10人までの利用者でシェアできる。パケットパックを利用する回線のうち最も利用継続期間の長い回線の利用期間とパケットパックのデータ量に応じて、「ずっとドコモ割」として月額300円〜2000円を割り引く。また、25才以下の契約者ひとりあたり1GBをシェアパックの利用量に加算する(関連記事:ドコモ、音声定額とパケットシェアを軸にした新料金体系を発表)。

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矢野経済研究所は2014年4月9日、「携帯電話の国内市場に関する調査結果 2014」を発表した。2014年度には国内の移動体通信サービスの新規契約数、端末出荷台数は頭打ちとなる一方、MVNOが伸びると予測している。MVNOサービスは2014年度末までに累計契約数が1970万契約になると見込んでおり、移動体通信サービス全体に占める割合は12.3%となると予測している。従来型の高止まりの料金体系では、もはや契約や端末出荷の伸びは期待できないという予測だ(関連記事:2015年3月にはMVNOが1970万契約で移動体通信サービスの12%超に--矢野経済研究所)。

MVNOへの期待が高まる中、NECから日本産業パートナーズの傘下に移り、2014年4月1日にNECビッグローブから名称も新たにしたビッグローブが報道関係者向けに事業方針説明会を開催した。同社はその中で、「080」「090」といった携帯電話番号を使える音声付きSIMの提供計画や、腕時計型のウエアラブル端末を独自に開発していることを明らかにした。またBIGLOBEモバイルの利用者を、2016年度末までに100万人に増やしたいという考えや、3〜5年のレンジで上場を目指す考えを明らかにした(関連記事:新生BIGLOBE、音声付きSIM提供やウエアラブル端末開発を明らかに)。

1台目のスマートフォンとしても利用できる音声付きSIMの提供が進んでいる。ハイホーが運営するインターネットサービスプロバイダー hi-ho(ハイホー)でも、「hi-ho LTE typeDシリーズ」で「音声通話対応SIMカード」の提供を始めた。「音声通話対応SIMカード」を利用することで警察や消防などへの緊急通話が可能となるだけでなく、より品質の安定した通話が可能になるという。また、2014年5月中旬ころに他社からのMNPによる転入への対応も開始するなど、順次機能を追加する計画だ。料金は、「hi-ho LTE typeD」各コースの月額利用料金に音声通話対応SIMの1枚ごとに1000円が加算される(報道発表資料:hi-ho、「hi-ho LTE typeDシリーズ」で「音声通話対応SIMカード」の提供を開始)。

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重要になるスマートフォンのセキュリティー対策

スマートフォンを対象とする脅威が広がっている。BBソフトサービスは、2014年3月度のインターネット詐欺リポートを発表した。その中で、Android端末を標的にして、偽のセキュリティアプリをインストールさせる詐欺を検知したと報告している。手口は、「アダルトウェブサイトの閲覧中にウイルスに感染しました」「スキャンしてください」といった偽の警告を画面に表示し、ユーザーに不正アプリをインストールするように誘導するものだ(関連記事:偽セキュリティアプリのインストール詐欺がAndroid端末向けに発生)。

インターネット詐欺リポート(2014年3月度)
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こうしたセキュリティー上の脅威への対策も施されている。例えばIPA(情報処理推進機構)は、Androidアプリのセキュリティー上の問題を開発者が学習し、開発したアプリを点検できるツール「AnCoLe」(アンコール)をIPAのWebサイトで公開したと発表した。被害体験や対策方法を学ぶとともに、開発したアプリんい問題がないかのチェックや学習機能へのフィードバックが可能だ。AnCoLeによって、アプリ開発の初心者などにセキュリティー上の問題の理解を深めてもらい、安全なAndroidアプリの開発を推進するというものだ(関連記事:IPA、Androidアプリのぜい弱性を学習・点検するツールを公開、安全なアプリ開発を推進)。

セキュリティー対策ソフトも進化を続ける。トレンドマイクロは、スマートフォン/タブレット端末向けセキュリティーソフト「ウイルスバスター モバイル」の最新版を、2014年4月17日に発売。この最新版では、Android OSに加えてiPhone/iPad(iOS)にも対応するようになった。iOS向けでは、Web脅威対策を提供するほか、不正アプリ対策、Jailbreakされていた場合にユーザーに通知するJailbreak検知、端末の盗難/紛失時にリモートで位置捜索やアラームを鳴らす盗難/紛失時の対策などの機能を提供する(報道発表資料:「ウイルスバスター モバイル」がiPhone/iPadに対応)。

画面イメージ
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ビジネスでも半数近くが「LINE」、毎月の契約数公表を取りやめ

このほか、この週の主なニュースをピックアップする。MMD研究所は、スマートフォンを所有しているビジネスパーソンに、スマートフォンのビジネス利用について調査を行った。2966人を対象とした事前調査では、回答者の43.4%がスマートフォンを仕事で利用していると回答した。557人を対象とした本調査では、仕事関連の人とのコミュニケーションに利用しているツールを尋ねた。首位はLINEで利用率は43.3%、Facebookが29.6%、Skypeが12.0%と続いた。仕事でLINEを利用している回答者に、仕事仲間や取引先とLINEで連絡をとり合うことの感想を尋ねたところ、44.2%が「プライベート用なのであまり仕事仲間・取引先の人とは使いたくない」と感じている半面、39.2%が「便利だと思う」と賛否がわかれる結果となった(報道発表資料:約4割のビジネスパーソンが仕事でスマートフォンを利用)。

仕事関連の人と利用しているコミュニケーションツール
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電気通信事業者協会(TCA)は、2014年3月末の携帯電話の契約数を公表した。純増数はNTTドコモが51万5500件、KDDIが49万4600件、ソフトバンクモバイルが64万9500とソフトバンクが首位に返り咲き、ここ5カ月はドコモとソフトバンクが交互に首位に立つ状況だ。TCAは毎月の契約数公表を、今後は四半期ごとに変更すると併せて公表した。3月末の契約数が、毎月の公表の最後になる。一方、各事業者が発表しているMNPによる転出入の状況は、NTTドコモが9万3800の転出超過、KDDIは5万2300台の転入超過、ソフトバンクモバイルは4万6600件の転入超過だった(関連記事:3月の純増トップはソフトバンク、契約数公表は四半期ごとに変更)。

海外展開のニュースもあった。京セラはタイの大手携帯販売会社「SAMART I-MOBILE」社に、国内で販売中のスマートフォン「DIGNO M」をベースとした新モデル「IQX KEN」の供給を開始することを発表した。SAMART I-MOBILE社は、1995年に設立された携帯電話販売会社。2013年にはタイの携帯電話販売会社において、販売実績首位となっている。IQX KENは、同社が展開する高級スマートフォンシリーズ「IQXシリーズ」のラインナップとして2014年4月から販売される。価格はオープン価格で、タイの各通信事業者が展開する通信規格(GSM、W-CDMA、LTE)すべてに対応するSIMフリー端末として販売する(関連記事:京セラ、タイの携帯販売会社にスマートフォン供給を開始)。

画像共有SNS「Pinterest」の日本法人ピンタレスト・ジャパンは、米国法人CEOベン・シルバーマン氏の来日に伴う記者説明会を開催した。また、同日よりコンデナスト・ジャパンの「VOGUE JAPAN」がPinterest上に公式アカウントを開設することを発表した。VOGUE JAPAN公式アカウントは、誌面で展開するFashion Stories アーカイブや、地図連動のTokyo Restaurant Guideに加え、VOGUE JAPAN 15周年に関するコンテンツも展開する(関連記事:「日本ではまず収益化よりコミュニティ形成に注力」Pinterestが説明会を開催)。

昨年の第15週のできごと

・980円のLTE、スマートデバイス決済が電子マネー対応、医療用無線開発
・Google Playで広がる詐欺アプリ、スマホ速度調査はソフトバンクに軍配
・横浜市営地下鉄が携帯エリアに徳島大学はUQと連携

[2013年第15週]災害用音声お届サービスの相互利用が実践、980円のLTE用SIM、Google Playの詐欺アプリに注意

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。