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選択肢の幅を狭めた定額制ランチ・ケータリング

2014.05.20

Updated by Kenji Nobukuni on May 20, 2014, 20:00 pm JST

City Lunch Club
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ネットで注文してランチをオフィスに届けてくれるサービスはいろいろあるが、ニューヨーク市のスタートアップ企業、シティ・ランチ・クラブ(City Club Lunch)は一風変わっている。

ランチを注文するには、まず会員になる必要がある。朝、クラブからメニューのメールが届くが、選択肢は少ない。一軒のレストランのランチが3つほど、同じ値段のものが並んでいるだけで、この中から選ばなければならない。価格は一食当たり10.99ドルから12.99ドルで、一週間に何回ケータリングを頼むかによって変わる。回数が多ければ安くなるらしい。

契約先レストランは25軒で、会員から見れば日替わり。11:30から13:00の間に、温かいメニューは温かいまま届く。サービスエリアはZIPコード(郵便番号)が10003(ユニオンスクエア地域)と10010(フラティロン地域)のみ。注文は10:30で締め切られる。

選択の幅は狭いが、金額が同じものがメニューというよりオプションとして3つ提示されているので、選ぶのは簡単だ。レストラン側からすると、ある決まった日に、それなりの数の注文が必ず入ると予め分かっているので準備が楽になるしコストを下げることもできる。宅配ランチが気に入れば、ディナーの予約につながることもあるだろう。10.99ドル(約1,100円)のランチなので、見た感じは豪華版で、量も十分。

この加入モデルのケータリング・クラブは、途中解約もできるし、回数の変更や、一時中断もできる。25軒のレストランに、宅配可能なメニューを提示してもらい、それをすべて並べて選択の幅を拡げ、利用者も頼みたいときだけ注文できるようサービスを設計することもできたはずだが、あえて自由度を減らし、逆に今日は何かなという楽しみの要素を加えて、レストラン側にも必ず注文が入るというユニークな仕掛けと言えるだろう。

【参照情報】
City Lunch Clubのウェブサイト
NYC Startup Wants To Change The Way You Eat Lunch At Your Desk

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来