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スクエアとのグローバル競争に向かうミント・ワイヤレス

2013.10.31

Updated by Kenji Nobukuni on October 31, 2013, 08:00 am JST

Mint Wireless
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ミント・ワイヤレス(Mint Wireless)は創業6年ながらオーストラリア証券取引所に株式公開されているシドニーの企業で、モバイル決済のプラットフォームを提供しているが、9月にアメリカのスクエア(Square)と同様にスマートフォンのイヤホンジャックに装着するカード・リーダーをニュージーランド銀行(Bank of New Zealand)向けに提供を始めた。小規模の店舗が手軽にクレジットカード決済を導入できるので、開始から1か月で顧客は1,000を超えたらしい。

今後、オーストラリアの主要銀行への売り込みを進める一方、他の国々へも展開しようとしているようだ。見かけとしては、スクエアのリーダーに比べて大型だが、逆に安心感があるかも知れない。形状の違いはカード情報の読み取り方の違いによるものだと思われる。

スクエアはアメリカからカナダ、日本へと進出しているが、他国への展開に当たってはカードへの実装が当たり前になりつつある暗号化チップが障壁になっているらしい。スクエアやペイパル・ヒア(PayPal Here)のリーダーは磁気ストラップを利用するため暗号化チップに未対応だが、ミント・ワイヤレスは対応済み。オーストラリアではチップが2015年には義務化されるので、ミント・ワイヤレスにとっては自国の市場を守る上ではこの点で追い風の状況にある。

【参照情報】
ミント・ワイヤレスのウェブサイト
Mint Wireless to launch local version of US payments start-up Square
Mint Wireless shares re-rated, investors like moble payments platform
Mint Wireless taps trio of heavy hitters

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来