[2014年第25週]格安スマホの認知率は60%、国内初のVoLTEが6月24日に開始
2014.06.24
Updated by Naohisa Iwamoto on June 24, 2014, 10:00 am JST
2014.06.24
Updated by Naohisa Iwamoto on June 24, 2014, 10:00 am JST
話題の格安SIM、格安スマホに関する調査結果が公表された。認知率は過半数を超えたが、利用者はまだ少なく、今後の展開の行方に注目したい。NTTドコモはVoLTEのサービスを6月24日に開始、新しい音声通話の体験が日本でも始まることになる。KDDIはEメールをマルチデバイス化して、使い勝手を高める。また法人向けのソリューションやサービスについての話題も豊富だった。
まずビッグローブが実施した格安スマホに関するアンケート調査の結果から見ていこう(有効回答は3098件)。それによると、格安スマホの認知度は回答者の約60%に上り、認知は高まってきていることがわかった。一方、利用者は約2%で、今後の伸び代に期待したいところだ。格安スマホの未使用者に、格安スマホのメリットを説明した後に今後の利用意向を尋ねたところ、約40%が利用意向を示した。すでに利用している人では、格安スマホ利用前よりも月額利用料金を約2300円倹約できたという結果が得られた。BIGLOBEは7月に「090」などの番号で音声通話ができる格安SIMサービスへの参入を予定しており、市場の現状分析を一般に公開した形だ(報道発表資料:BIGLOBEが格安スマホに関するアンケート調査を実施)。
NTTグループの話題を3つ紹介する。NTTドコモは、国内で初めての「VoLTE」による音声通話サービスを6月24日に開始すると発表した。対応するのは2014年夏モデルのうち6機種で、VoLTEが実際に利用できるようになるのは、GALAXY S5が先行して6月24日から。その他の対応端末は順次ソフトウエア更新を提供する予定だ。料金は、VoLTE用に特別のプランや料金体系を用意せず、Xiのすべての料金プラン、パケット定額サービス、通話料割引サービス、通話料金が適用される(関連記事:ドコモ、「VoLTE」を6月24日に開始、GALAXY S5から順次対応)。
またNTTドコモは、電子雑誌の定額読み放題サービス「dマガジン」を2014年6月20日に開始した。月額400円で、提供開始時点で79誌と幅広いラインアップを用意した雑誌のコンテンツを読み放題で利用できる。ジャンル別記事分類により、興味のあるジャンルの記事を横断的に閲覧できるほか、最大100ページの記事を端末へ保存可能な「クリッピング」機能も備える。docomo IDがあれば、ドコモの回線契約がなくても他社端末やWi-Fiタブレットなどで利用できる。通信回線とは別のレイヤーでのサービスが、他社ユーザーなども含めて受け入れられていくか、今後に注目したい(報道発表資料:電子雑誌の定額読み放題サービス「dマガジン」を提供開始)。
訪日外国人観光客に向けたサービスのニュースもあった。日本航空(JAL)とNTT東日本が、無料Wi-Fiサービスの提供施策で提携する。NTT東日本が提供するWi-Fiサービス「光ステーション」で利用できる無料Wi-FiサービスのIDとパスワードを、JALのWebサイトで事前にオンライン提供するというもの。訪日需要の喚起と外国人観光客の利便性向上を狙う。海外発日本行きのJAL便航空券の購入顧客に対して提供する(関連記事:JALとNTT東日本、訪日観光客向けに無料Wi-FiのIDなどをオンライン提供)。
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KDDIグループのニュースもチェックしよう。KDDIは、auの「Eメール(@ezweb.ne.jp)」をマルチデバイスで利用できるようにするWebメールの提供を6月30日に開始する。これまで、auのEメールは、auケータイまたはauスマートフォンなど契約した回線のある端末でしか利用できなかったが、Webメールの提供でパソコンやタブレットなどからも送受信が可能になる。追加料金なしで利用できる(関連記事:KDDI、auのEメールをマルチデバイス化、6月30日からPCやタブレットでも利用可能に)。
KDDIが2014年5月21日に提供を開始した新しい電子マネーサービス「au WALLET」サービスが順調に申し込みを増やしている。2014年5月30日に累計100万件の申し込みを、2014年6月15日には累計200万件の申し込みを突破した。こうした好調ぶりを受けてKDDIは、「au WALLET」サービスの「ポイントアップ店」連携キャンペーン第2弾として、ドラッグストア「マツモトキヨシグループ」と連携する。「au WALLET カード」の利用で、通常店舗よりも10倍のポイントが貯まるキャンペーン「au DAY by マツモトキヨシ」を7月17日に開始することをアナウンスした(報道発表資料:au WALLET ポイントアップ店連携キャンペーン第二弾 ポイント10倍!「au DAY by マツモトキヨシ」がスタート!)。
KDDI研究所は、同社が提供している日本語音声合成ソフトウエアの「N2」(エヌツー)に新バージョンの提供を開始した。これまでの2種類の声質から、一気に20種類の声質で音声合成が可能になる。追加されたのは、一般的な読み上げ用途を想定した男声5種類(男声A)と女声4種類(女声A)、エンターテインメント的な応答などを想定した個性的な声質の男声4種類(男声B)と女声5種類(女声B)。サービスやアプリなどで、用途に応じた合成音声を利用できるようになる(関連記事:KDDI研究所、日本語音声合成ソフト「N2」の声質を計20種類に、様々な用途の音声合成に対応)。
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ビジネス向けのソリューションやサービスについてのニュースもあった。主だったトピックを紹介する。
ダイヤルイン方式(DID)で仮想ローカル電話番号サービスを提供するベルギーのVoxboneが、日本でWebRTC(Web Real-Time Communications)サービスの販売を開始した。WebRTCは、特別なプラグインを必要とせずにブラウザ間のボイスチャット、ビデオチャット、ファイル共有などをリアルタイムで実現できる技術。Voxboneは、世界の50カ国以上の8000以上の都市で、地域の電話番号への着呼をグローバルのプライベートVoIPネットワークを介して指定した電話番号とつなぐ仮想ローカル電話番号サービスを提供している。このグローバルのプライベートVoIPネットワークのインフラを活用して、WebRTCが利用できるサービスである。新サービスにより、ブラウザ上のコールボタンをクリックするだけグローバルのコールセンターに接続する「クリックコール」や、手軽に会議に参加できる「クリックツージョイン」といった機能が、容易に利用できるようになる。なお、Voxboneの仮想ローカル電話番号サービスは、NTTコミュニーケーションズやスペインのテレフォニカといった通信事業者、Skypeサービスなどで利用されている(同社の日本語Webサイト:Voxbone)。
博報堂、博報堂プロダクツ、博報堂アイ・スタジオは共同で、スマートフォンのアプリとBeaconモジュール内蔵の広告物を通信させてユーザーの行動を喚起するソリューション「ACTIVATION-AD」(アクティベーション・アド)を開発し、6月18日に提供を開始した。ODM(アウトドアメディア)や交通広告、店舗、ダイレクトメールなどのリアルの広告メディアからスマートフォンのアプリを呼び出し、広告接触と同時にプッシュ通知を送れるO2Oソリューションである。近距離通信技術の「Bluetooth Low Energy」に対応したBeaconを使ってスマートフォンと通信する。このソリューションはACCESSの「ACCESS Beacon Framework」(ABF)を採用して実現している(報道発表資料:スマートフォンのアプリと広告メディアを無線で連携させる、 行動喚起型広告「ACTIVATION-AD(アクティベーション・アド)」 ソリューションを提供開始)。
NTTドコモと英ボーダフォングループは、M2M分野の事業提携に基本合意し、両社の提携でM2M分野の市場拡大を目指す。両社は2011年11月に、グローバルに事業を展開する企業への法人営業を中心とした事業提携について締結し、通信コストの最適化やソリューションについての共同提案をしてきた。今後はM2M分野に事業提携を拡大し、M2M技術を活用した製品やサービス価値向上に向けた総合的なソリューション提案、コンサルティングを積極的に行うとしている(関連記事:ドコモ、ボーダフォンと事業提携しM2Mのグローバル市場拡大へ)。
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