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[2011年第28週]節電対策の夏が始まる、ケータイはアップデートで進化する時代に

2011.07.19

Updated by Naohisa Iwamoto on July 19, 2011, 11:00 am JST

全国的に梅雨が開けた7月中旬、各地で猛暑がうなりを上げた。東京電力、東北電力管内を中心にして、省電力に対応するための動きはビジネスから生活まで大きな影響を及ぼすに至っている。

ユーザーや一般家庭での節電対策を支援

201107191100-1.jpgそうした中、携帯電話ユーザーに電力の需給状況を伝える試みが始まった。NTTドコモは、電力会社の電力使用率の情報などを配信することで、ユーザーの節電の取り組みを支援する。電力供給が厳しくなった時点でアラーム情報を配信する「電力アラーム」と、当日の電力使用率の予想を毎朝配信する「電力予報」で、いずれもiコンシェルの仕組みを使って提供する(関連記事:NTTドコモ、電力使用率の情報をiコンシェルで配信するサービス)。KDDIは節電情報などを提供するサイトやアプリを「KDDI 節電ひろば」として提供するほか、一般にスマートフォン向けには電力使用率をグラフ化するなどして確認できるアプリが数多くあるので、こうしたサービスやアプリでこの夏を乗り切りたい。

201107191100-2.jpg一方、家庭の省エネを推進するための業界横断の動きも始まった。KDDI、シャープなど10社は、家庭でのエネルギー利用を管理する「HEMS」(Home Energy Managemant System)とスマート家電の普及促進に向けて、共同で検討するためのHEMSアライアンスを立ち上げた。今後、各メーカーが開発する高機能なスマート家電や電気自動車による電力消費状況を可視化したり、自動制御したりすることで、家庭全体の電力需給を最適化することが目的となる。アライアンスには、KDDI、シャープ、ダイキン工業、東京電力、東芝、NEC、パナソニック、日立製作所、三菱自動車工業、三菱電機の10社が名を連ねている(関連記事:家庭の電力利用を最適化、通信・電力・メーカーら10社が仕組み作りのアライアンス

夏の通信需要への対応策もある。KDDIは夏の各種イベントでau携帯電話サービスのエリアを確保するための方策を発表している。人が集中するイベント会場などに車載型基地局などを出動させることで、携帯電話サービスを継続して利用できるようにするというものだ。対象となるのは、全国の主な花火大会や夏祭り、その他の主要イベント。2011年7月から8月末に開催されるイベントが対象となる(関連記事:KDDI、夏のイベントに車載型基地局などを出動、携帯電話のエリアを確保)。

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アップデートで進化する携帯端末

携帯端末のソフトウエア更新は、バグフィックスのためだけではなくなりつつある。スマートフォンはもちろん、電子書籍端末やフィーチャーフォンでも機能向上のためのアップデートが行われるようになってきた。

201107191100-3.jpgソフトバンクモバイルは、同社のフィーチャーフォン「SoftBank 840N」(NEC製)のソフトウエア更新を実施して、緊急地震速報に対応させると発表した。ユーザー操作による無線通信でソフトウエア更新が可能で、同日から更新を開始した(関連記事:ソフトバンク、既存フィーチャーフォン「840N」を緊急地震速報対応に)。また、発売済みのスマートフォン「GALAPAGOS 003SH」および「GALAPAGOS 005SH」についても、7月15日に緊急地震速報に対応するためのソフトウエアの提供を開始した。いずれもソフトウエアの更新後は、緊急地震速報の利用が標準で「ON」になる。

201107191100-4.jpgシャープは、電子書籍端末「GALAPAGOS」のOSをAndroid 2.3に変更するシステムソフトを7月25日から提供し、新機能に対応する。新しいシステムソフトを使うことにより、GoogleのYouTubeや音楽再生といったアプリケーションの利用や、Androidマーケットからダウンロードした汎用アプリの利用が可能になる。これまで提供していた電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」の利用に加えて、一般のAndroidタブレットと同様の使い道が広がる(関連記事:シャープの電子書籍端末「GALAPAGOS」がAndroidアプリを利用可能に)。

ネットワークの変化に対してアップデートが必要なケースもある。ソフトバンクモバイルはiPhone 3GおよびiPhone 3GSを利用しているユーザーに対して、OSのiOSを最新版にアップデートするように呼びかけた。今秋に予定している音声ネットワークの最適化後に、音声品質への影響が出る可能性があるためといい、対象となるのはiOS4.1以前をOSとして利用しているiPhone 3GとiPhone 3GSである(関連記事:ソフトバンク、iPhone 3G/3GSユーザーにiOS更新を呼びかけ)。

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ソフトバンクがLTE実証実験、5月の端末出荷は減少

そのほか、この週には次世代システムの実証実験の結果や、端末出荷数の統計、新サービスなどが発表されている。

ソフトバンクモバイルは、2011年3月から6月にかけて埼玉県熊谷市で実施していたLTEシステムの実証実験の結果を公表している。周波数帯の違いによる伝送特性の差や、セル境界での特性改善を目指す技術などを検証したという。800MHz帯と2.1GHz帯という周波数帯による電波伝搬特性や無線伝送特性を比較した実験では、800MHz帯のほうが良い特性が得られること示した(関連記事:ソフトバンク、LTE実証実験でセル境界での速度向上などの成果を発表)。

電子情報技術産業協会(JEITA)と情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、2011年5月の移動電話の国内出荷実績をアナウンスした。5月は前年比32%減で、4月に続き2カ月連続の前年割れとなった。5月の移動電話全体の出荷数は前年比68.1%の214万3000台。前年比62.2%と大きく落ち込んだ4月に続いて、30%以上の大幅な前年割れとなった。携帯電話の出荷の低調な状況に対してJEITAは、夏商戦前の買い控えがあり需要が弱い状況にあるとコメントしている(関連記事:5月の携帯・PHS出荷、2カ月連続で前年比30%以上の減少)。

201107191100-5.jpgスマートフォンを対象としたコンテンツの著作権管理「DRM」(Digital Rights Management)を容易にするサービスを、インターネットイニシアティブ(IIJ)が2011年10月以降に開始する。Microsoftが提供するデジタル著作権管理システム「PlayReady」を使ってサービスを提供する。コンテンツ事業者が自社でDRMシステムを構築したり所有したりすることなく、コンテンツの著作権を保護したコンテンツ配信サービスを速やかに提供できるようになる(関連記事:IIJ、スマートフォンも対象にしたデジタル著作権管理サービスを提供)。

業務用のPDAの新端末の発表もあった。NECとNECインフロンティアは、耐衝撃性を強化した業務用PDA「Pocket@i Plus」を発売した。高いセキュリティ機能に加え、無線LANローミング、遠隔保守などの新機能を備え、現行機の「Pocket@i EX」からさらに業務シーンでの利用の幅を広げた。NFC対応のICカードリーダー/ライターを搭載し、FeliCaなどの非接触カードをかざして読み取ることも可能だ(関連記事:NEC、無線LANローミングやNFCリーダー機能に対応した業務用PDA)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。