東南アジアのスマートフォン市場:30%は「100ドル以下のスマートフォン」
2014.06.09
Updated by Hitoshi Sato on June 9, 2014, 16:57 pm JST
2014.06.09
Updated by Hitoshi Sato on June 9, 2014, 16:57 pm JST
調査会社GfKが2014年6月5日、2014年第1四半期(1~3月)の東南アジア(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナムの7か国)におけるスマートフォンの販売台数は前年同期比43%増の1,800万台となったことを発表した。また携帯電話販売全体のうち55%がスマートフォンであった。東南アジア地域のスマートフォン市場の規模は25%増の42億ドル。
インドネシア68%増、ベトナム59%増、タイ45%増で、この3国でのスマートフォン販売の増加が著しかった。特にインドネシアは東南アジア地域最大の出荷台数730万台で全体の約4割を占めている。
東南アジア地域では「100ドル以下のスマートフォン」が急速に拡大し、全体の30%(約600万台)が100ドル以下のローエンド端末であった。東南アジア地域は、中国のメーカーやインドネシアなど地場メーカーの「100ドル以下のスマートフォン」は今後も拡大が予想される。
一方、シンガポールだけは2014年第1四半期の販売台数は642,100台で、前年同期比の652,500台から約10,000台減少している。
2014年第1四半期(1~3月)の東南アジア7か国でのスマートフォン販売台数が1,800万台であり、同時期のインド1か国でのスマートフォン販売台数が1,759万台である(参考:「スマートフォン出荷186%増のインド市場:それでもまだ携帯電話全体の30%程度」)。東南アジアも地域として巨大市場であるが、インド1か国の市場の大きさも垣間見れる。
東南アジア地域でもバンコク、マニラ、ジャカルタ、クアラルンプール、シンガポールなどの大都市では若者を中心にほぼ全員がスマートフォンを利用している。今後は「100ドル以下のスマートフォン」を中心としたローエンド端末が周辺地域にも拡大していくことだろう。ローエンド中心の地域は、メーカーからすると競争が激しく、決して粗利率は高くないが、ボリュームは期待できる。シンガポールのように若干減少している国があるものの、地域全体として見たら、まだまだこれからも成長が期待される地域である。
(ジャカルタの公共バス待合所。全員スマートフォンを操作している)
【参照情報】
・FIRST QUARTER SMARTPHONE SALES IN SOUTHEAST ASIA REACHED 18 MILLION IN UNITS AND USD4.2 BILLION IN WORTH: GFK
・More than half the mobile phones in SEA are smartphones: Research
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。