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[2014年第27週]VAIO株式会社が発進、1980円のイオンスマホなど格安SIM、格安スマホが急展開

2014.07.07

Updated by Naohisa Iwamoto on July 7, 2014, 16:00 pm UTC

新しい四半期の始まりを迎え、ソニーからPC事業を切り離した「VAIO」がスタート、またキャリアではウィルコムと合併したイー・アクセスが「ワイモバイル」と改称するといった動きがあった。格安SIM、格安スマホの動きは急で、料金や端末バリエーションの増加が進み、世間での認知も進みそうだ。

7月1日、新生VAIO、ワイモバイルがスタート

7月1日、ソニーから日本産業パートナーズへPC事業の譲渡が完了したことを受け、新会社「VAIO株式会社」が事業を開始した。設立会見でVAIO代表取締役の関取高行氏は、「本質+α」を行動のフィロソフィーとして新会社をスタートさせると宣言。「ソニー時代のPC部隊は1000人以上、グローバルを入れたらもっと大勢いた。VAIO株式会社は240人という小さな会社になった、すべての面で思い込みを捨てた選択と集中ができる」と語った。本社は長野県安曇野市に置く。安曇野の技術と精神を土台にほんとうに必要な性能と機能を持った商品を作ること、小さなメーカーだからこそしがらみや思い込みに左右されないこと、人の気持ちに突き刺さるVAIOのDNAを継承した商品を作ること──を掲げた。

▼新生VAIOの理念を説明するVAIO代表取締役の関取高行氏
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当初の商品ラインアップは、「VAIO Pro 11/13」「VAIO Fit 15E」。まず「この2機種でビジネスをきちっと提供していきたい。しかしこの2機種で終わってはいけない。順次新しいモデルを世に問うていく」(関取氏)と言う。販路は、一般向けにはソニーマーケティングと販売総代理店契約を結んだことを明らかにした。ソニーストアのネット通販および銀座、名古屋、大阪の直営店舗、全国の「e-ソニーショップ」で販売。また一部の量販店の店頭にもVAIOの注文ができるコーナーを8月以降展開するとした。法人向けにもディストリビューターを経由してVAIOを提供、2015年には、30〜35万台の販売を予定しているという(報道発表資料:VAIO株式会社事業開始のお知らせ、関連記事:VAIO株式会社は日本のベンチャーの台風の目になるかもしれない)。

7月1日には、キャリア関連でも動きがあった。KDDIは8月13日に正式スタートする「カケホとデジラ」に先行して、7月1日に「電話カケ放題プラン先行キャンペーン」の提供を開始した。基本使用料が2700円で、国内通話がかけ放題になるプランだ。6月1日に新料金プランの提供を開始したNTTドコモ、7月1日に開始したソフトバンクモバイルと並び、大手3社でいずれも「通話かけ放題」のプランを選べるようになった。

ソフトバンクモバイルとTポイント・ジャパンは、携帯電話事業者として初めて「Tポイントサービス」を7月1日に開始した。携帯電話の毎月の利用金額1000円(税抜き)につき「Tポイント」が5ポイント貯まる。また、白戸家のお父さんがデザインされたソフトバンクオリジナル「Tカード」をソフトバンクショップで発行する。

イー・アクセスとウィルコムが合併した新生イー・アクセスは、7月1日付で「ワイモバイル」に改称した。ワイモバイルとしての企業情報Webサイト(http://ymobile.jp/)もオープンしている(関連記事:KDDIはカケ放題先行キャンペーン、ソフトバンクはTポイント開始、ワイモバイルが始動)。

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480円SIMや1980円格安スマホなど、格安SIM、格安スマホが急展開

格安SIM、格安スマホが本格的に市民権を得る夏になりそうだ。この週には続々と料金、端末を一新した新しいサービスが発表されている。

まずワイヤレスゲートは、同社のWi-FiとNTTドコモのXi対応SIMカードをセットにした「ワイヤレスゲートWi-Fi+LTE SIMカード」のサービス提供を9月1日に開始すると発表した。ヨドバシドットコム内の予約ページで、SIMカードパッケージの先行予約受付を開始する。全国4万カ所で無線LANスポットを提供するワイヤレスゲートのWi-Fiサービスが利用可能で、加えてLTEの月間データ通信量制限および下り通信速度によって、月額480円(無制限、250kbps)、920円(1GB、150Mbps)、2480円(5GB、150Mbps)、5490円(10GB、150Mbps)の4種類のプランが設定されている。同社のWi-Fiサービス「ワイヤレスゲート Wi-Fi」は390円で提供されているため、480円のプランならばLTE通信を実質90円相当で利用できる(関連記事:ワイヤレスゲートがWi-FiとXi対応SIMカードのセットプラン発表、月額5,490円で10GBまで150Mbps利用可能)。

ヨドバシカメラはもう1つの製品群も用意する。ヨドバシカメラと日本通信は、ヨドバシカメラで販売するSIMフリー端末と、日本通信のb-mobileの音声SIMをセットにした「スマホセット」をヨドバシカメラの店頭、yodobashi.comで7月10日に発売する。日本通信が提供する「スマホ電話SIMフリーData」は、基本使用料と高速データオプションの合計額が、1GBまでの高速データ通信を利用する場合で月額1900円、2GBまでだと月額2510円、3GBまでだと3120円。7GBまでだと3980円。SIMフリービット端末とのセットにした場合でも、1GBまでの高速データ通信が可能なSIMのケースで月額3000円前後からの利用が可能になる(関連記事:ヨドバシと日本通信、7GBで月額3980円などの音声SIMとスマホをセット販売)。

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ビッグローブも、音声通話も可能なLTE対応スマートフォン「BIGLOBEスマホ」の販売を開始した。料金は、高速データ通信を月間1GBまで利用できる「BIGLOBE LTE・3G」の「音声通話スタートプラン」を契約した場合に、IGZO液晶を搭載したシャープ製Androidスマートフォン「AQUOS PHONE SH90B」の端末代金込みで、月額3476円。また、イオンとビッグローブは、イオンブランドの「イオンスマホ」の提供もアナウンスした。こちらは、3Gネットワークによる14.4Mbps(月間1GBまで)の通信に限られるが、端末代金も込みで月額1980円と一段と低コストでスマホを利用できるようになる(関連記事:AQUOS PHONEとセットで月額3476円の「BIGLOBEスマホ」が登場、月額1980円の「イオンスマホ」も)。

またフリービットは、同社が提供するいわゆる格安スマホサービスの「freebit mobile」で、オンラインによるMNP(携帯電話番号ポータビリティー)への対応を7月10日に開始する。これまでMNPの対応は、同社が展開する実店舗「ATELIER」でだけ受け付けていた。当面、オンラインでMNPに対応するのは、新規に入会する顧客のケース。すでにfreebit mobileに契約している顧客のMNP対応については、後日改めて案内するという(関連記事:フリービットの格安スマホ「freebit mobile」、オンラインでのMNP対応を開始)。

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エリクソンが「5G」のデモ、スマホは19年末に56億件へ

エリクソン・ジャパンは、2020年ごろの実用化を目指して研究開発が進められている5G(第5世代携帯電話)について、スウェーデンのキスタにあるエリクソンのラボで5Gbpsの高速通信のライブデモを実施したと発表した。ライブデモでは、標準化前の5Gテクノロジーを利用し、15GHz帯の高周波数帯域を使って5Gbpsのスループットを実現した。また、このライブデモには、NTTドコモ、韓国SKテレコムの上層部も立ち会ったという。北米と並ぶ5G先進導入地域と目される日韓のキャリアに、エリクソンの5Gテクノロジーの進捗を直接アピールしたようだ(関連記事:エリクソン、「5G」で5Gbpsのライブデモを実施、ドコモ、SKテレコム上層部にアピール)。

▼エリクソン・モビリティレポートによるLTE-Advancedのキャリアアグリゲーションの状況を解説
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また、エリクソンは2014年6月に「エリクソン・モビリティレポート」を公表し、エリクソン・ジャパンのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の藤岡雅宣氏が報道機関向けの説明会で解説した。最新版のモビリティレポートによると、2015年にはすべてのモバイル加入契約数が世界の総人口を上回る見込み。2019年末までのモバイル加入総数は92億件を予測しており、そのうち80%超がモバイルブロードバンドの加入になるという。LTE加入は2019年末で26億件まで増加する。スマートフォンの加入は2019年末に56億件となり、1加入当たり平均毎月2.5GBのデータを利用すると見ている。

藤岡氏は、最新技術を含めたネットワークの状況についても解説した。国内ではKDDIがサービスを開始したLTE-Advancedの主要技術であるキャリアアグリゲーションについては、2013年に先行して商用化が始まった韓国の例で、2×10MHz帯(150Mbps)の場合にキャリアアグリゲーションによって基地局近くからセルエッジまで平均的に約2倍のスループットが得られることを示した。2×20MHz帯の300Mbpsのサービスについては、対応する「カテゴリー6端末」が現在フィールドテスト中で、すでにデモができる状況になっているという。NTTドコモが提供を開始したVoLTEは、世界の5カ国8ネットワークで商用サービスが始まっており、2年以内に世界40以上の事業者が商用化を開始するとした(報道発表資料:エリクソン・モビリティレポート2019: 世界で4G/LTEの格差が拡大

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農業M2M、ドコモがデータマネジメント、一括管理できるBeacon

トマトハウス内に設置したセンサ
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このほか、法人関連のニュースを紹介する。NECは、石川県小松市の小松市農業協同組合(JA小松市)の農家に、農業ICTクラウドサービスを提供し、稼働を開始していると発表した。サービスを提供しているのは、小松市のトマト農家5軒12棟のハウス。トマト栽培するハウス内には、温度、湿度、炭酸ガス量、照度の各センサーを設置する。データは定期的に自動収集され、NECのクラウドに蓄積した後、自動的にグラフ化してパソコンやスマートフォンなどから閲覧できるようにする(関連記事:NEC、トマト栽培ハウスに環境センサーを設置、小松市で農業クラウドを提供)。

ドコモ・インサイトマーケティングは、NTTドコモ、インテージと協力し、様々なデータを解析して企業のマーケティング活動を支援するデータマネジメントプラットフォーム(以下、DMP) を構築、2014年7月中旬より事業を開始すると発表した。ドコモ・インサイトマーケティングのDMP事業は、クライアント企業に対して、生活者の趣味嗜好や購買傾向といった解析データを提供するほか、企業の自社Webサイトや外部のメディアを用いた生活者へのコミュニケーション支援を行う。生活者にとっても、これまでより効果的なレコメンドができるようになるという(報道発表資料:ドコモ・インサイトマーケティングより、大規模データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)事業を開始)。

アプリックスIPホールディングスは、Beaconソリューションの「MyBeaconシリーズ」に向けて、ブラウザーやWeb API経由でセキュアにBeaconの送信データを一括設定・変更できる運用管理サービスを開始した。Beaconを多店舗で導入するような大規模展開の際に、本部から一斉にBeaconのデータを更新できるようになる。Beaconを利用したサービスの大規模展開でも、タイムセールなどのきめ細かい対応が可能になるという(報道発表資料:アプリックスIPホールディングス 設置現場の作業効率の向上によりBeaconサービスの需要拡大に拍車)。

昨年の第27週のできごと

・3万9000台限定の"ミク"スマホや、メガネ型のAndroid端末など登場
・スプリント買収にゴーサイン、ウィルコムは新製品
・ドコモ純減、2012年度の電子書籍端末は前年度比約42%の伸び
・中級一眼レフにスマホ連携機能、熱中症情報をチェック

[2013年第27週]「初音ミク×Xperia」登場、ソフトバンクのスプリント買収を承認、ドコモまたも純減

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。