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[2014年第42週]新型iPad mini 3は実質0円から、Lollipop搭載スマホ、パナソニックがMVNO参入

2014.10.20

Updated by Naohisa Iwamoto on October 20, 2014, 12:00 pm UTC

この週は、Appleが指紋認証の「Touch ID」を搭載した新型iPadを発表した。国内ではアップルとNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが取り扱う。またGoogleは、これまで「Android L」と呼ばれていたメジャーバージョンアップとなる「Android 5.0 Lollipop」を正式に発表し、国内でもワイモバイルが6インチの大画面スマートフォン「Nexus 6」の提供をアナウンスしている。また、MVNOの動きにも注目したい。パナソニックが企業向けMVNOに参入を表明したほか、CATV業界がMVNOプラットフォームを提供してCATV事業者による低価格スマートフォンの提供などを支援する。

新型iPadが発表、Android 5.0 "Lollipop"搭載のNexus 6も国内販売へ

Apple - iPad
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米Appleが現地時間2014年10月16日に発表したタブレット端末の新版「iPad Air 2」と「iPad mini 3」について、NTTドコモとKDDI、ソフトバンクモバイルの3社が国内での発売をアナウンスした。発売は10月下旬。また、アップルは国内でのメーカー希望小売価格をアナウンスしている。iPad Air 2 Wi-Fiモデルは、16GBモデルが5万3800円、小型のiPad mini 3 Wi-Fiモデルは、16GBモデルが4万2800円からとなっている(関連記事:新型iPad、ドコモ、KDDI、ソフトバンクが10月下旬に発売、アップルの国内価格は4万2800円から)。

その後、予約受付を始めた10月18日の土曜日になって各社から販売価格やキャンペーンなどの情報が公表された。3社ともに、iPad mini 3のWi-Fi+Cellularモデルの16GBは、機種代金から毎月の割引を差し引いた実質負担額が0円で購入できる。iPad Air 2のWi-Fi+Cellularモデルの16GBの毎月の実質負担額は、NTTドコモが540円、KDDIとソフトバンクモバイルが505円。全モデルで、KDDIとソフトバンクモバイルの実質負担額は同額だが、NTTドコモは他の2社よりも月額10円〜75円高い設定になっている。また、各社ともiPadなどを下取りするキャンペーンの実施もアナウンスしている(報道発表資料:「iPad Air 2」「iPad mini 3」の販売価格について(ドコモ)、iPad(KDDI)、iPad Air 2 機種代金一覧、iPad mini 3 機種代金一覧(ソフトバンク))。

新型iPadの影に隠れがちだが、ワイモバイルは、Googleが発表した6インチクラスの大画面スマートフォン「Nexus 6」(モトローラ・モビリティ製)を国内事業者で唯一発売すると発表した。発売日、価格などの詳細は追って発表するという。Nexus 6は最新のプラットフォームとなるAndroid 5.0 Lollipopを搭載したスマートフォン。5.96インチのディスプレイは有機EL(AMOLED)で、2560×1440ドットのQHDの高精細さを備える(報道発表資料:Googleのスマートフォン「Nexus 6」の発売について)。

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MVNO、企業向けやCATVユーザー向けなど多様に

RZ4シリーズ LTEがついてくるキャンペーン | CLUB Panasonic
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パナソニックが企業向けのMVNOサービスに参入する。自前で通信設備を持つことで、顧客企業の用途に合わせてフレキシブルな無線通信サービスのプランを提供できるようにするほか、自社の無線対応機器や保守・運用サービスと組み合わせたワンストップソリューションとを提供する。主に、端末台数は多いがデータ容量は少ない、通信が混雑していない時間帯にデータを一括収集したい、上りの帯域を優先したい、費用を予算内に収めたい──といった要望に応える。適用の第一弾として、軽量のノートパソコン「Let's note RZ4シリーズ」に当該のサービスに対応したSIMカードを搭載したモデルを用意した(報道発表資料:パナソニックが企業向けMVNOサービス事業に本格参入)。

パナソニックのこの発表に対してインターネットイニシアティブ(IIJ)は、IIJがMVNE事業者としてパナソニックのMVNO事業参入を支援していることをアナウンスしている。IIJは、LTE/3G網を利用したネットワークの帯域提供を行う。さらに通信制御システム、顧客管理、課金・請求などの業務システム、高セキュリティーを実現するリモートアクセス基盤といったパナソニックのMVNOサービス基盤も構築した(報道発表資料:IIJ、MVNEとしてパナソニックのMVNO事業への参入を支援し、MVNOサービス基盤を構築)。

また、ケーブルテレビユーザーに向けた低価格スマートフォンサービスの取り組みもアナウンスがあった。日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)とインターネットイニシアティブは、MVNO事業で協業し、全国のケーブルテレビ事業者に向けて業界連携MVNOプラットフォームを提供すると発表した。ケーブルテレビ業界が一体となってMVNO事業に取り組むことで、ケーブルテレビ利用者に対して低価格のスマートフォンサービスの提供を支援する。JCTAによる一括端末調達や、業界連携MVNOプラットフォームの利用によりコストを下げられる。発表時点で60社を超える事業社が採用を決定しているという(報道発表資料:JCTAとIIJ、ケーブルテレビ事業者向けに業界連携MVNOプラットフォームを提供開始)。

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サービスアライアンス「Syn.」発信、NFVの実用化へ一歩前進

この週はサービスから技術面まで、多岐にわたるニュースがあった。主なニュースを紹介していく。

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KDDIなどインターネットサービス企業12社は、モバイルインターネットの新しい体験を送出する「Syn.」(シンドット)構想を始動し、構想実現のための連合体として「Syn.alliance」を設立したと発表した。12社、13サービスによるSyn.allianceで連合体を作り、すべてのサービスが入り口となりうる「中心のないポータル」を作る。「weathernews」「ナタリー」「NAVITIME」「はてなブックマーク」など、モバイルインターネットの代表的なサービス提供企業がアライアンスを組むことで、4100万人規模の月間利用者数をベースにした集客装置ができる(関連記事:山手線のように自由に出入りできるポータル「Syn.」、KDDIなど12社がアライアンス設立)。

NTTドコモは、6月1日から提供している新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の契約数が10月14日に1000万を超えたと発表した。ドコモでは、ドコモを長期間にわたって利用しているユーザーや、家族で利用しているユーザーを中心に新料金プランへの移行が進んだ結果、136日という短期間で1000万契約を達成できたと分析する(関連記事:ドコモの新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」、136日で1000万契約を達成)。

エンドユーザー向けのサービスとしては、アプリックスIPホールディングスのBeaconがGMO TECHが提供する店舗向けO2Oアプリ作成ASPサービス「GMO AppCapsule」に採用されたというニュースもあった。このASPサービスを導入した企業の店舗にアプリックスのBeacon「MyBeacon Pro 汎用型 MB004 Ac」を設置することで、顧客の来客を検知して自動的にクーポンを発行したりスタンプを付与したりすることができる。「GMO AppCapsule」は、飲食店、美容院、ネイルサロンなどの店舗運営者向けのASPサービスで、Beacon対応によって集客向上や売上拡大の効果が期待される(報道発表資料:アプリックスIPホールディングス AplixのMyBeaconが「GMO AppCapsule」で採用、ビーコン市場のさらなる拡大へ

将来のネットワークインフラを支える技術のトピックもあった。NTTドコモは「ネットワーク仮想化技術」(NFV)の実用化に向けた実証実験に成功したと発表した。今回の実験では、LTEの通信混雑時に通信設備の処理能力を増大させる機能と、ハードウエア故障時にデータ通信を継続させるための機能について、マルチベンダー環境で動作することを確認した。アルカテル・ルーセント、シスコシステムズ、エリクソン、ファーウェイ、NEC、ノキア ソリューションズ&ネットワークスという世界の主要6ベンダーと協力して検証し、NFVが実用化に一歩近づいた(関連記事:ドコモと世界の主要6ベンダー、異ベンダー間のネットワーク仮想化実証実験に成功)。

着実なエリア拡大の話題。山陽新幹線のトンネル内の携帯電話エリア化が、一層進む。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、2014年11月21日の始発から、新岩国駅〜徳山駅間のトンネル内で携帯電話サービスの提供を始める。具体的には、新岩国駅〜徳山駅および、徳山駅〜大平山トンネルの一部の間、計20トンネルの区間。今後、徳山駅〜新山口駅間のトンネル内を2014年度内にサービス開始する計画だ(報道発表資料:山陽新幹線 新岩国駅〜徳山駅間トンネル内における携帯電話のサービスエリア拡大について)。

昨年の第42週のできごと

・ソフトバンクの国際戦略が相次いで具体化
・KDDIは法人向けクラウドサービスに注力
・API提供、ECサイトと協業などキャリアの動向
・サムスン電子の日本戦略、端末やサービスの新顔

[2013年第42週]ソフトバンクが海外2社を買収、KDDIは法人向けサービスを拡充

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。