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飛躍する中国メーカーOPPO - 生産現場では多くの日本製設備が活躍

2014.05.16

Updated by Kazuteru Tamura on May 16, 2014, 18:00 pm UTC

Guangdong OPPO Mobile Telecommunications(以下、OPPO)はフラッグシップのスマートフォンとなるOPPO Find 7を発表した。ディスプレイ、カメラ、音質などあらゆる機能に拘り、高水準のスペックを誇るスマートフォンである。ハイスペックなスマートフォンを投入することで日本でも話題になることが増えたOPPOであるが、本社を訪問して生産現場を見る機会に恵まれたので紹介する。

▼OPPO本社のロビー。本社は中国の広東省東莞市。
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中国メーカーといえば、低価格で品質は高くないというイメージをもたれる場合も多いだろう。品質についてはさておき、ハイスペックなスマートフォンでもスペックの割には価格が抑えられることは多い。しかし、OPPOは低価格路線ではなく、高品質なスマートフォンを提供するよう取り組んでいるという。高品質なスマートフォンを生んでいるOPPOの工場を見せてもらい、高品質なスマートフォンを生産できる秘密に迫った。

OPPOは中国の広東省東芫市に本社を構える。グローバル展開を狙うメーカーの本社だけあって複数の大きな棟からなり、そこにはオフィスや工場が含まれている。秘密保持の関係で開示できない部分もあるため、その点はご了承いただきたい。

生産現場に入る際は白衣の着用が義務付けられている。靴はビニルで覆う必要があり、清潔な環境を保とうとする姿勢が見受けられる。密閉された空間で生産されており、そこに入る際には風で粉塵を吹き飛ばす装置を通過する必要があり、清潔な環境を保つ体制が厳重に維持されている。ゲストということでスマートフォンやカメラの持ち込みは許可されたが、基本的に従業員は私物の電子機器類を持ち込めないため、携帯電話などは生産現場の入り口にある専用の物置スペースに置いてから入らなければならない。高品質なスマートフォンを生産するためのノウハウや、未発表のスマートフォンに関する情報を漏れないようにするため、セキュリティ面の体制も整えられていた。実際に生産現場では未発表のスマートフォンも多く見られた。

中国のメーカーは生産を外部に委託している場合も多い。生産設備や人員を含めた生産環境の維持には莫大なコストがかかるため、生産をEMSと呼ばれる受託生産を専門的に行う企業に委託して生産コストを抑えようとするのである。ハイエンドのモデルだけは自社で生産していても、ミッドレンジ以下は外部に委託するというメーカーも存在する。しかし、OPPOはローエンドからハイエンドまですべてのスマートフォンを自社で生産している。

生産を外部に委託することは外部の生産環境で生産することになり、外部の生産環境をコントロールすることは自社の生産環境をコントロールするよりも難しい。EMS側の品質水準が委託側の要求を満たせていないことで問題となる場合もしばしば見られる。OPPOの場合は組み立てから評価試験および検品まで、生産におけるすべての工程をOPPOの厳しい管理下にある自社工場で手掛けている。

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工場内ではOPPO Find 7やOPPO N1といったハイエンドのスマートフォンからOPPO Find 5 miniやOPPO Neoといったローエンドのスマートフォンまで生産されているところを確認できた。完全に内製とすることで、生産のノウハウを社内に蓄積することも可能となり、これらのことが高品質なスマートフォンの提供を実現していると言えるだろう。

▼OPPOの工場内にある生産設備の一つ。
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▼こちらもOPPOの工場内にある生産設備の一つ。
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スマートフォンの試験を実施するエリアも見せてもらうことができた。高所からの落下試験、高温や低温などの特殊環境下での動作試験といったあらゆるスマートフォンで共通する一般的な試験の設備から、OPPO N1の回転カメラの耐久性を試験するような機種個別の設備まで、多種多様な試験用の設備が備えられている。厳しい品質管理体制のもとで実施される試験をパスしたスマートフォンが世に送り出されることになり、中国メーカーは壊れやすいというイメージを覆してくれるのも納得できるところである。OPPOの担当者はOPPOの品質管理基準が厳しいことを認めており、それが高品質なスマートフォンを生んでいると自信を持っていた。

生産や試験の過程には多くの設備が使用されているが、それらの設備は日本製が多いという。実際に、マザーボードを生産する設備や組み立て完了後に清掃する設備など、多くの日本製の設備が稼働していた。

フラッグシップのOPPO Find 7ではJapan Display製の液晶パネルやSony製のカメラモジュールを搭載しており、主要な部位が日本製であることは広く知られている。一方で、生産現場で使用されている設備の中には多くの日本製の設備が含まれ、それが高品質なスマートフォンの提供に貢献していることはあまり知られていないと思われる。生産現場の設備をエンドユーザが見ることはまずないだろうし、意識することもそうないはずである。しかし、このように日本製の設備が高品質なスマートフォンの生産に貢献していることは知っておきたい事実であり、普段は知る機会がなくてもこの記事を通じて知っていただければ幸いである。

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OPPOは今後も高品質なスマートフォンを提供する方針を貫き、中国以外の市場に参入して規模の拡大を目指しているという。中国がメインの市場であることには変わりないが、実際に新たな市場への新規参入を加速しており、OPPOの高品質なスマートフォンが展開される地域は着実に増えている。将来的に、OPPOのスマートフォンが日本で正規に流通する日が来ることを信じて待ちたいところである。

▼OPPO Find 7(左)とOPPO Find 5(右)。新旧のフラッグシップスマートフォンである。
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▼最高水準を誇るOPPO Find 7は世界レベルで期待が高い。
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田村 和輝(たむら・かずてる)

滋賀県守山市生まれ。国内外の移動体通信及び端末に関する最新情報を収集し、記事を執筆する。端末や電波を求めて海外にも足を運ぶ。国内外のプレスカンファレンスに参加実績があり、旅行で北朝鮮を訪れた際には日本人初となる現地のスマートフォンを購入。各種SNSにて情報を発信中。