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明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部で学ぶ「飾り毛布」「飾りタオル」

2014.10.01

Updated by Hitoshi Sato on October 1, 2014, 16:00 pm JST

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2014年9月25日から28日まで世界最大級の「旅」に関する展示会「ツーリズムEXPOジャパン」が東京ビッグサイトで開催されていた。世界150か国と地域の他に、日本から出展されていた。その「ツーリズムEXPO」に明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部が出展していた。大学が「ツーリズムEXPO」に出展?なんだろう?という好奇心から、そのブースに足を運んでみた。そこでは同大学の上杉先生、吉田講師らのゼミ生らによる「飾り毛布」および「飾りタオル」が展示されていた。

「飾り毛布」や「飾りタオル」は知らない人も多いかもしれない。毛布やタオルで様々なオブジェを作成してホテルの室内や船舶内に飾るものである。もともとは客船の寝室において提供されていたサービスから始まったもので、室内の備え付けの毛布を独自の技法で折って、さまざまな風物や自然等を表現したオブジェである。現在「飾り毛布」のタイトルだけで50種類以上あり、その種類は100種を超えている。まさに職人芸の域に達している。綺麗に作成されたオブジェを解して毛布として利用するのは勿体ない気持ちになる。

「飾りタオル」は海外にもあるが、「飾り毛布」は日本が発祥で、日本郵船の客船ではじめられたものらしい。「飾り毛布」は「花毛布」とも呼ばれており、明海大学のブースで配布されていたパンフレットの英語での説明には「Kazari mofu, or "floral blankets"」と記載されていた。明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部の上杉ゼミで学ぶ学生らは、ゼミの中で様々な「飾り毛布」や「飾りタオル」を習得していく。

ホスピタリティ・ツーリズム学部は2005年4月に設置された新しい学部で、その学部名の通り、ホテル、トラベル、エアライン、ブライダルなどの「ホスピタリティ・ツーリズム産業」に特化した学部で、実務家による実践教育を行っており、実社会で活かせるスキルを身に着けている。また海外からのお客様への対応にも備えて英語教育にも注力している。そのような教育が社会から高い評価を得ており、多くの卒業生がホテル、旅行会社、エアラインなどに就職をしている。2014年3月の卒業生は就職希望者に対しての就職率は95%だった。2014年9月19日現在、2015年3月卒業予定者の就職内定率は84.1%であるから、今年も高い就職率となることが想定される。

上杉ゼミにはネパールからの留学生もいて「飾り毛布」を習得している。将来はネパールに帰国してホテルで働きたいそうである。このような日本発の「飾り毛布」文化が海外に伝播していく日も近いのではないだろうか。

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▼「飾り毛布」でオブジェを作成する吉田講師。吉田講師はもともと船舶の乗員だった。
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▼上杉先生(中央)とネパールからの留学生(左)
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▼ブースには学生らが作成した「飾り毛布」や「飾りタオル」が展示されていた。来訪者は「飾り毛布」作成にチャレンジできた。
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▼「ツーリズムEXPOジャパン」での明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部のブース。
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【参照情報】
明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部
「日本船伝統のおもてなし 飾り毛布花毛布」(上杉恵美・吉田孝志 著)

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。