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岡山発「ハラル認証取得の米粉を利用したパンとスィーツ」:世界中のムスリムへ向けた「クールジャパン」と「おもてなし」

2014.10.10

Updated by Hitoshi Sato on October 10, 2014, 17:32 pm UTC

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2014年10月7日、シーワン(岡山市)は業界初の米粉のハラル認証を取得したことを発表した。取得したハラル認証団体は和牛などをUAEなどに輸出実績のある宗教法人日本イスラーム文化センターが担当した。ハラル認証府団体紹介・従業員教育、販売支援はイスラムマーケティング支援の非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会が協力した。

また今回の発表は、日本初の米粉ハラル認証と同時に、岡山吉備中央地域の活性化と米粉を使った日本の美味しいパンやスィーツのコラボ開発をしたのが特徴である。岡山県やインドネシアやマレーシアなどでパン屋を展開する河上祐隆氏とタッグを組んで商品開発を行った。

さらに原料の米粉生産地や工場のある地元の吉備中央町も支援を行っている。これからも地域経済の雇用創出および、岡山の美味しいお米で作ったコメ加工食品の国内需要拡大に向けた販売とクールジャパン・フーズの発信に向けて輸出を推進していく。

ハラルはムスリムにとって「許されたモノ」である。宗教上禁止されている豚に由来する食品、アルコール由来なども禁じ製造工程もきちんとチェックされた安全安心の証しである。さらに日本のパン、スィーツは世界中のムスリムが食べたい代表的な食べ物である。実際、河上氏がプロデュースするパン屋はインドネシアのジャカルタに7店舗、バリに直営店が1店、マレーシア(ジョホールバル)、中国にも既に出店しており、アメリカ(LA)やインドからも引き合いがある。

日本のパンや焼き菓子・スィーツを「食べたいが食べられない」というムスリムの悩みを岡山の仲間が結集して補完し、ハラル対応することで世界の1/4にあたる人口約19億人にアプローチすることできるようになった。今後は東南アジアのシンガポール、インドネシア、マレーシアのほか、中東地域にも完成品のパン、スィーツ、そして半製品、原料輸出などに目指す予定である。

海外に輸出・進出している外食や食品メーカー、健康食品・化粧品メーカーに供給し、訪日外国人対応のホテル、外食、商業施設、菓子メーカーなどさまざまな形で提供できるようにしたいと考えている。

現在、日本には約20万人のムスリムがいる。また世界中には約19億人のムスリムがいる。日本のパンやスィーツはすでに東南アジアでも人気があるが、ムスリムにとってはハラル対応しているかどうか不安であるが、今回のような商品が拡大することによって、彼らも心置きなく食べることができる。これからの商用化が楽しみである。まさに岡山発世界への「クールジャパン」の輸出である。また日本を訪問してくるムスリムらは安心して日本でおいしいパンやスィーツを食べることができることから、彼らにとって最高の「おもてなし」の一品となることだろう。日本国内だけでなく世界中に日本発のハラル対応のパンとスィーツが広がっていくことが楽しみである。

▼記者会見には、岡山県が地元の衆議院議員逢沢一郎先生(自民党、衆議院議院運営委員会委員長)も訪問され、今回のハラル対応のパン、スィーツを食し、激励のコメントを述べていた。逢沢議員の隣が、今回のパンとスィーツを開発した河上祐隆氏。
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▼ハラル対応の米粉で製造されたパンとスィーツ。ピザのソーセージはチキンである。ブルーベリージャムは吉備中央町産のものを使用。とてもおいしかった。
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【参照情報】
おかやま工房リエゾン
岡山県吉備中央町
一般社団法人ハラル・ジャパン協会

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。