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[2014年第48週]イオンスマホ第4弾は富士通製で月額2880円、ソフトバンクは旧プラン受付を延長

2014.12.01

Updated by Naohisa Iwamoto on December 1, 2014, 12:00 pm JST

登場がアナウンスされていたイオンの「イオンスマホ」第4弾の詳細が明らかになった。富士通製のスマホと通信サービスをセットにして月額2880円で利用できる。Firefox OS端末の国内導入に向けてMozilla Japanがキャンペーンを実施するという話題もあった。ソフトバンクモバイルは11月までとしていた旧プランなどの受付期間を延長し、当面は実質的に新旧両プランを選択できるようになりそうだ。

国産端末でシニア世代に訴求するイオン、Firefox OS端末登場へカウントダウン?

イオンスマホ | イオン
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まず端末の話題から。イオンとビッグローブは、全国の「イオン」など550店舗で「イオンスマホ」第4弾を発売する。富士通製端末「ARROWS M01」をBIGLOBEの通信サービスとセットにして、合計月額2880円で提供する。内訳は月間1GBまでの高速通信ができる通信サービスが月額1350円、端末代金が月額1530円。音声通話は30秒ごとに20円かかる。端末代金は24回払い、通信サービスは25カ月以降月額1600円になる。イオンスマホとしては初めて国内メーカー製の端末を提供することで、イオンスマホのメインユーザーである55歳以上のユーザーに親しみや安心感を持ってもらう狙い。「ARROWS M01」は4.5インチでHD(720×1280ドット)の有機ELをディスプレイに採用した、Android 4.4搭載スマートフォン。赤外線やワンセグなどシニア層の要求が少ない機能を採用しないことでコストを下げた。一方でバッテリーは2500mAhと大容量、防水・防塵に対応するなど利用する上での安心感を高めている(報道発表資料:12/5(金)第4弾「イオンスマホ」発売 ついに"日本製イオンスマホ"登場)。

新しいプラットフォームに関連するトピックもあった。Mozilla Japanは、WebベースのオープンなモバイルOSである「Firefox OS」を採用した端末が12月に発売されることを記念して、ソーシャルメディアキャンペーン「フォクすけとおでかけ写真をシェアしよう!」を実施する。Firefox マスコットキャラクターの「フォクすけ」と一緒に日本各地の名所や街角の写真を撮影し、TwitterやFacebookなどのSNSに公開設定でシェアする有志を募るもの。Firefox OSの話題が大きく取り上げられるようになって2年近く、ようやく本格的にFirefox OSを搭載した端末の登場が近づいていきたことを感じさせる出来事だ(報道発表資料:フォクすけとおでかけ写真をシェアしよう! Firefox OS Coming Soon キャンペーン)。

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ソフトバンクが旧プランを延長、ユニバーサルサービス料金引き下げ

料金関連のトピックをまとめて見ていこう。ソフトバンクモバイルは、11月30日で新規申し込みを終了するとアナウンスしていた一部の料金プラン、割引サービスの受付期間を延長する。延長するのは、料金プランでは「ホワイトプラン」「標準プラン」「ブループラン タイプX、タイプXにねん」「(iPad 専用) ベーシックデータ定額プラン」。割引サービスでは、「パケットし放題 for 4G」「パケットし放題 for 4G LTE」「パケットし放題フラット for 4G」「パケットし放題フラット for 4G LTE」の各パケット定額サービス、「Wホワイト」「24時間通話定額オプション」「ハートフレンド割引(ホワイトプラン)」のオプション、割引。また「スマホBB割」「スマホBB割 with BBIQ」のキャンペーンも延長する。受付終了時期は未定として、別途Webサイトなどで告知するため、当面はKDDIと同様に新旧の料金プランを選択できる状況が続くことになる(報道発表資料:一部料金プランおよび割引サービスの受付期間を延長)。

もう1つソフトバンクモバイルの話題。同社はモバイルWi-Fiルーターとスマートフォンをセットで契約すると、スマートフォンの毎月の利用料金が最大1008円引きになるキャンペーン「新Wi-Fiセット割」を、12月19日に提供開始する。スマートフォンのプランが「スマ放題」の場合は、データ定額パック・小容量/標準で毎月500円、データ定額パック・大容量(10/15/20/30)で毎月1008円の割引がある。またスマ放題以外の対象プランでは2年間1008円の割引を受けられる。モバイルルーター1回線につき、スマートフォン5回線までが割引の対象になる。新キャンペーンの実施に伴い、現在提供中の「Wi-Fiセット割」は12月18日をもって受付を終了する(報道発表資料:「新Wi-Fiセット割」を提供開始)。

通信事業者の全体にかかわる話題として、ユニバーサルサービス料金の番号単価を2015年1月1日に改定するという発表があった。現行料金の3円(税込み3.24円)から2円(税込み2.16円)に引き下げる。ユニバーサルサービス制度は、NTT東日本・西日本が提供する加入電話、公衆電話および緊急通報のユニバーサルサービスの提供を確保するために、必要な費用の一部を通信事業者全体で負担するもの。利用者は、電話番号単位で負担する(関連記事:ユニバーサルサービス料金、2015年1月から2円に値下げ)。

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基地局数はソフトバンク、カケホーダイで転送電話の通話料を無料に

このほか、この週の主なトピックを紹介する。アジアのICT業界のリサーチ・コンサルティングを手がけるROA Holdingsは、日本の「携帯電話各社の基地局戦略と無線機市場」と題した調査報告書の概要を公表した。それによると、基地局数ではソフトバンクモバイル、セクタ数はNTTドコモ、LTE化ではKDDIがそれぞれトップという結果だった。また無線機ベンダーのシェアはノキア ソリューションズ&ネットワークが半数近くを占めて首位であることが明らかになった(関連記事:基地局のLTE化はKDDIがほぼ100%、無線機シェアはノキアが半数近く--ROA Holdings調査)。

201412011200-2.jpg国内あて通話が無料の「カケホーダイ」を活用した法人向けソリューションのニュース。IPテレフォニー関連技術の開発を手がけるチャットボイスは、同社が主力製品として提供する転送電話装置「交換職」に、カケホーダイ対応の機能を追加した。カケホーダイにより国内の携帯電話、固定電話あての通話料金を無料にできるため、転送電話の通話コストを0円にまで引き下げられる。さらに、転送以外のオフィスからの通常の電話の発信もカケホーダイ経由でかけられるようになり、国内の携帯電話、固定電話あての通話料金を無料にできる(関連記事:チャットボイスの転送電話装置「交換職」、カケホーダイ対応で国内あての無料転送を実現)。

個人向けのストレージサービスの機能強化の話題もあった。NTTコミュニケーションズは、インターネット上で写真やファイルなどのデータを保存、共有できるオンラインストレージサービス「マイポケット」の保存容量増加と機能追加をアナウンスしている。保存容量は、1IDにつき月額324円(税込み、以下同)の基本プランの場合で現状の64GBから128GBへ、月額1069.2円の増量オプションを契約した場合で現状の256GBから512GBへと、いずれも倍増する。マイポケットのスマートフォンアプリには、2つの機能を追加する。「表情検索」「フォトストーリー」で、いずれも大量に撮りためたスマートフォンの写真を有効に活用して楽しめるようにするための機能として提供する(関連記事:NTT Com、オンラインストレージの容量を倍増、スマホ写真活用に向けた「表情検索」など機能追加)。

表情検索のイメージ
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最後に国際ローミングのエリア拡大のニュース。ソフトバンクモバイルは、海外でFDD-LTEネットワークを使える国際ローミングの対象エリアに、ペルーとスリランカを追加した。両国でのLTE国際ローミングの提供は国内携帯電話事業者で初となるという。今回、提供を開始する携帯電話事業者のうち、ペルーのClaro Peru(クラロ ペルー)、スリランカのDialog(ダイアログ)では、海外向けパケット定額サービス「海外パケットし放題」も利用できる。これでソフトバンクモバイルのユーザーは26の国・地域でLTEの国際ローミングを利用できるようになった(報道発表資料:国内事業者初! ペルーとスリランカでLTE国際ローミングを提供開始)。

昨年の第48週のできごと

・国際ローミングが便利に、LTEの満足度は上々
・ビーコンの新ソリューション、Kindle Fireも法人でどうぞ
・KoboのAndroidタブレット、多機能モバイルバッテリーなど発売

[2013年第48週]24時間980円の国際サービス、ビーコン利用の新ソリューション、2台に充電できるWi-Fi USBリーダー

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。