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SIMロック解除義務化へ 総務省がガイドライン改正を発表

2014.12.22

Updated by Asako Itagaki on December 22, 2014, 22:31 pm UTC

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Image by Simon Yeo (CC-BY)

12月22日、総務省は、「SIMロック解除に関するガイドライン」を改正した。11月1日に公開された改正案に対する意見募集の結果を踏まえたもの。事業者に対し、原則として自らが販売したすべての端末について顧客の要望に応じてSIMロックの解除に応じることが適当であることを明記した。改正後のガイドラインは2015年5月以降に発売される端末に対して適用される。

改正後ガイドラインの「経緯と目的」では、改正前の2010年に制定された「SIMロック解除に関するガイドライン」では、事業者の自主的な取り組みによりSIMロック解除の実施を求めていたにもかかわらず、「事業者によるSIMロック解除の取り組みは限定的であること」および「SIMロックがスイッチングコストの増大と新規顧客獲得の際の多額のキャッシュバックの一因となっていること」を指摘した。さらに「基本的な考え方」として、キャッシュバックが頻繁に事業者・端末の変更を行う利用者と長期利用者との間の不公平性を助長している点も指摘した。

事業者から挙げられたSIMロックを設定しない場合の懸念点に対しては、以下の通り考え方を整理して、いずれの懸念点に対してもSIMロック解除に応じないことの合理性の根拠としては認められないとした。

1)「端末が他の事業者のサービスに十分対応していない点について利用者に混乱が生じる恐れ」に対しては、利用者に対し適切な説明をした上でその選択にゆだねることが適当であるとした。

2)「SIMロックを設定した場合と比較して販売促進費の抑制による端末価格の上昇」に対しては、端末価格相当分が毎月の通信料から割り引かれることが一般的な現状においては、利用者に対して問題にならず、むしろ利用者間の公平性や公正競争の点から問題を指摘される過剰なキャッシュバックに対する抑制効果があることはむしろ望ましいとした。

3)「端末・通信サービスについて事業者独自のブランド戦略を進めるインセンティブの喪失」については、SIMロックという手段で利用者を強制的に囲い込むことではなく端末の魅力を最大限に引き出す通信サービスの開発・提供によって進めるべきであるとした。

以上より、事業者は、原則として自らが販売したすべての端末についてSIMロック解除に応じることが適当であるとされた。ただし、特殊な端末、技術的にSIMロック解除が困難な端末、特定事業者の通信方式・周波数のみに対応している端末についてはこの限りではない。また、割賦代金の不払い、端末入手のみを目的とした契約など不適切な行為を防止するために最低限の期間SIMロック解除に応じない期間を設けることは妨げないとした。

SIMロック解除に関する手続きは利用者がインターネットや電話など、迅速かつ容易な方法により、無料でSIMロックの解除を行うものとされた。また、SIMロック解除した端末はできる限り自由に利用できるようにすることが望ましいことから、事業者によるSIMロック以外の機能制限についてもSIMロック解除と併せて解除できるよう努めることが適当であるとした。

【報道発表資料】
「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。